NYSE: SHOPとは【ショッピファイのティッカーシンボル】
米国株投資において、「NYSE: SHOP」というティッカーシンボルを目にすることがあります。これは、カナダ本社のEコマースプラットフォーム企業、Shopify Inc.(ショッピファイ)の株式を指します。
「SHOPとは何か」「Shopifyはどんな企業なのか」「日本からどうやって投資するのか」といった疑問を抱えている投資家も多いでしょう。
この記事では、NYSE: SHOPの基本情報と日本からの投資方法、株価見通しを詳しく解説します。
この記事のポイント:
- NYSE: SHOPはShopify Inc.のティッカーシンボルで、NYSE Arcaに上場
- Shopifyはカナダ本社のEコマースプラットフォーム企業、時価総額$190.91Bのメガキャップ株
- 収益構造はサブスクリプション26%+マーチャントソリューション74%
- アナリスト34名のコンセンサスは「買い」、目標株価平均$159-164(+9.6-9.7%の上昇予想)
- 日本の証券会社(楽天証券、SBI証券、マネックス証券等)から購入可能
(1) NYSE Arcaに上場するShopify Inc.のティッカーシンボル
NYSE: SHOPは、ニューヨーク証券取引所(NYSE)のエレクトロニック取引プラットフォーム「NYSE Arca」に上場するShopify Inc.のティッカーシンボルです。
基本情報:
- 企業名: Shopify Inc.(ショッピファイ)
- ティッカーシンボル: SHOP
- 上場市場: NYSE Arca
- 国: カナダ(本社: オタワ)
- セクター: テクノロジー(Eコマースプラットフォーム)
ティッカーシンボル「SHOP」は、証券取引所で企業を識別するための記号で、投資家が株式を売買する際に使用します。
(2) 株価$146.04、時価総額$190.91B(メガキャップ株)
Shopifyは、時価総額$190.91B(約1909億ドル)のメガキャップ株で、米国株市場を代表する成長株の一つです。
株価情報(2025年時点の例):
- 株価: $146.04
- 52週レンジ: $69.84-$182.19
- 時価総額: $190.91B
- 過去1年の株価上昇率: +86%
Shopifyは、過去1年で株価が86%上昇し、成長株として投資家の注目を集めています。
Shopify(ショッピファイ)の基本情報【Eコマースプラットフォーム大手】
Shopifyは、世界中の企業・個人事業主がオンラインストアを構築・運営できるプラットフォームを提供しています。
(1) カナダ本社のグローバルコマース企業
Shopifyは、カナダのオタワに本社を置くグローバルコマース企業で、2004年に創業されました。
企業の成長軌跡:
- 2004年: 創業(当初はスノーボード用品のオンラインストア)
- 2006年: Shopifyプラットフォームをリリース
- 2015年: ニューヨーク証券取引所に上場(NYSE: SHOP)
- 2024年: 500万以上の顧客を抱え、総取扱高(GMV)$292.3Bを処理
Shopifyは、小規模事業者から大手ブランド(Allbirds、Gymshark等)まで幅広い顧客にサービスを提供しています。
(2) 2024年に$292.3Bの取引を処理、500万以上の顧客
Shopifyのプラットフォームは、2024年に$292.3B(約29兆円)の総取扱高(GMV: Gross Merchandise Volume)を処理しました。
主な実績:
- 顧客数: 500万以上(世界175カ国)
- GMV(総取扱高): $292.3B(2024年)
- 従業員数: 約10,000人
Shopifyは、小規模事業者でも簡単にオンラインストアを開設できるプラットフォームとして、世界中で利用されています。
(3) 過去1年で株価86%上昇(成長株として注目)
Shopifyの株価は、過去1年で86%上昇し、成長株として投資家の注目を集めています。
株価上昇の背景:
- Eコマース市場の拡大
- Shopify Paymentsの成長(GMVの64%を処理)
- AI技術導入による効率化
- 国際展開の強化
ただし、高バリュエーション(割高)との指摘もあり、投資判断には慎重さが求められます。
(4) 競合:Amazon Handmade、Etsy、BigCommerce
Shopifyの主な競合企業は以下の通りです。
競合企業:
- Amazon Handmade: Amazonのハンドメイド商品専門マーケットプレイス、世界最大の顧客基盤
- Etsy: ハンドメイド・ヴィンテージ専門マーケットプレイス、ニッチ市場で強み
- BigCommerce: Shopifyと同様のEコマースプラットフォーム、大規模企業向け
Shopifyの強みは、完全に独自ブランドを構築できる点で、Amazonのようなマーケットプレイスとは異なります。
Shopifyのビジネスモデル【サブスクリプション26%+マーチャントソリューション74%】
Shopifyの収益は、サブスクリプションソリューションとマーチャントソリューションの2つの柱で構成されています。
(1) サブスクリプションソリューション:月額プラン収益($1.8B)
サブスクリプションソリューションは、Shopifyプラットフォームの月額利用料です。
サブスクリプションプラン:
- Basic: 月額$39(個人事業主向け)
- Shopify: 月額$105(中小企業向け)
- Advanced: 月額$399(大規模企業向け)
- Plus: カスタム価格(エンタープライズ向け)
サブスクリプション収益は2023年に$1.8B(約18億ドル)で、全体の26%を占めます。
(2) マーチャントソリューション:Shopify Payments、Capital、Shipping($5.2B)
マーチャントソリューションは、Shopify加盟店向けの付加サービスです。
主なマーチャントソリューション:
- Shopify Payments: 決済処理サービス(最大の収益源)
- Shopify Capital: 加盟店への融資サービス
- Shopify Shipping: 配送ラベル発行サービス
- Shopify POS: 実店舗向けPOSシステム
マーチャントソリューション収益は2023年に$5.2B(約52億ドル)で、全体の74%を占めます。
(3) Shopify PaymentsがGMVの64%($47.5B)を処理(2025年Q1)
Shopify Paymentsは、Shopifyの決済処理サービスで、マーチャントソリューション収益の最大項目です。
Shopify Paymentsの成長:
- 2025年Q1にGMVの64%($47.5B)を処理
- 決済処理手数料は取引額の2.4-2.9%程度
- Shopify加盟店の約64%がShopify Paymentsを利用
Shopify Paymentsの成長率を追跡することで、Shopifyの収益成長を予測できます。
(4) GMV(総取扱高)の成長率が収益成長のドライバー
GMV(Gross Merchandise Volume、総取扱高)は、Shopifyプラットフォーム上で取引された商品・サービスの総額です。
GMVの成長:
- GMVが増加 → Shopify Paymentsの処理額増加 → 収益増加
- GMVの成長率は、マーチャントソリューション収益の主要指標
投資家は、四半期ごとのGMV成長率を確認し、Shopifyの事業拡大ペースを把握することが推奨されます。
SHOP株価の見通しとアナリスト評価【目標株価$159-164、買い推奨】
Shopify株のアナリスト評価は、おおむね「買い」推奨です。
(1) アナリスト34名のコンセンサスは「買い」
アナリスト34名の投資判断のコンセンサスは「買い」です。
アナリスト評価(TipRanksより):
- 強気買い: 25名
- 買い: 7名
- 中立: 1名
- 強気売り: 1名
アナリストの大多数が「買い」推奨であり、Shopifyの成長性を評価しています。
(2) 目標株価平均$159.41-$161.11(+9.6-9.7%の上昇予想)
アナリストの平均目標株価は$159-164で、現在の株価から約9.6-9.7%の上昇が見込まれています。
目標株価(2025年時点):
- TipRanks平均目標株価: $159.41(+9.60%)
- みんかぶ平均目標株価: $161.11(+9.73%)
向こう1年で約10%の上昇が期待されています。
(3) 目標株価レンジ$99-$200
アナリストの目標株価レンジは$99-$200と幅広く、見解が分かれています。
目標株価レンジの意味:
- 最低目標株価$99: 慎重派のアナリストは割高と評価
- 最高目標株価$200: 強気派のアナリストは更なる成長を期待
投資家は、アナリストの見解の幅を理解し、自分のリスク許容度に応じて判断することが推奨されます。
(4) Q3 2025決算で予想上回る(EPS $0.3454、売上高$2.84B)
2025年Q3決算(2024年7-9月期)では、予想を上回る業績を発表しました。
Q3決算結果:
- EPS(1株当たり利益): $0.3454(予想$0.3345を上回る)
- 売上高: $2.84B(予想$2.76Bを上回る)
- GMV成長率: 前年比20%台半ば
Q4は、売上成長率20%台半ば~後半を見込んでいます。
(5) リスク:高バリュエーション、為替変動(USD/CAD)、競争激化
Shopify株には以下のリスクがあります。
主なリスク:
- 高バリュエーション: AI診断で割高との評価もあり、バリュエーション調整のリスク
- 為替リスク: カナダ本社のため、USD/CADの変動が業績・株価に影響
- 競争激化: Amazon Handmade、Etsy等との競争で収益圧迫の可能性
投資家は、これらのリスクを理解した上で投資判断を行うことが重要です。
日本からSHOP株を購入する方法【楽天・SBI・マネックス証券で取引可能】
Shopify株は、日本の証券会社から簡単に購入できます。
(1) 証券会社の選び方:楽天証券、SBI証券、マネックス証券等
Shopify株を購入するには、米国株取引を提供する証券会社で米国株口座を開設する必要があります。
主な証券会社:
- 楽天証券: 米国株取引手数料0.495%(最低0ドル、上限22ドル)、為替手数料片道25銭
- SBI証券: 米国株取引手数料0.495%、為替手数料片道25銭
- マネックス証券: 米国株取引が充実、銘柄情報が豊富
証券会社を選ぶ際は、米国株取引手数料と為替手数料を比較することが推奨されます。
(2) 購入手順:米国株口座で「SHOP」を検索して購入
Shopify株の購入手順は、通常の米国株と同じです。
購入手順:
- 証券会社で米国株口座を開設
- 日本円を米ドルに両替(為替手数料が発生)
- ティッカー「SHOP」を検索
- 購入数量と価格を指定して注文
- 約定後、米国株口座にSHOPが保有される
米国株投資経験者にとっては簡単な手続きです。
(3) 取引時間:米国市場(日本時間23:30-翌6:00、夏時間22:30-翌5:00)
Shopify株は、米国市場の取引時間で売買できます。
取引時間:
- 通常取引時間: 米国東部時間9:30-16:00
- 日本時間(冬時間): 23:30-翌朝6:00
- 日本時間(夏時間): 22:30-翌朝5:00
プレマーケット(寄り前)やアフターマーケット(引け後)でも取引できる証券会社があります。
(4) 株価情報の確認方法:Yahoo Finance、みんかぶ、株探
Shopify株の株価情報は、以下のサイトで確認できます。
主な株価確認サイト:
- Yahoo Finance(https://finance.yahoo.com/quote/SHOP/): リアルタイム株価、ニュース、財務データ
- みんかぶ(米国株)(https://us.minkabu.jp/stocks/SHOP): 日本語での株価予想と目標株価
- 株探(かぶたん)(https://us.kabutan.jp/stocks/SHOP): 日本語での企業情報と財務データ
これらのサイトを活用すると、Shopify株の最新情報を日本語で確認できます。
まとめ:SHOP株への投資判断【成長性と高バリュエーションのバランス】
Shopify株への投資を検討する際は、成長性と高バリュエーションのバランスを理解することが重要です。
(1) 成長性:AI技術導入、国際展開強化で中期的成長期待
Shopifyの成長性は、以下の要因により中期的に期待されています。
成長ドライバー:
- AI技術導入による効率化とユーザー体験向上
- 国際展開強化(アジア・ヨーロッパ市場)
- Shopify Paymentsの成長(GMVの64%を処理)
- 新規顧客の獲得と既存顧客の取引額増加
(2) リスク:高バリュエーション、為替リスク、競合他社の台頭
Shopify株のリスクは以下の通りです。
主なリスク:
- 高バリュエーション: AI診断で割高との評価もあり、バリュエーション調整のリスク
- 為替リスク: カナダ本社のため、USD/CADの変動が業績・株価に影響
- 競争激化: Amazon Handmade、Etsy、BigCommerce等との競争で収益圧迫の可能性
(3) 投資判断:アナリストコンセンサスは「買い」だが、慎重な判断が必要
アナリストの大多数は「買い」推奨ですが、高バリュエーションのリスクを考慮すると、慎重な判断が必要です。
投資判断のポイント:
- アナリスト評価を参考にしつつ、自分のリスク許容度を確認
- GMV成長率、Shopify Paymentsの処理額など、四半期ごとの業績を追跡
- ポートフォリオ全体のバランスを考慮し、適切なポジションサイズを設定
次のアクション:
- Yahoo Finance、みんかぶでShopify株の最新情報を確認する
- 四半期決算発表(通常2月、5月、8月、11月)をカレンダーに登録する
- 証券会社の米国株取引手数料と為替手数料を比較する
Shopify株への投資を通じて、Eコマース市場の成長を取り込み、長期的な資産形成を目指しましょう。投資判断は自己責任で行い、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。
