DIAM厳選米国株式ファンドとは何か
米国株投資を検討しているものの、「個別株を選ぶのは難しい」「プロに運用を任せたい」と考えていませんか?
投資信託を活用すれば、プロの運用者が銘柄選択を行い、分散投資によるリスク軽減も期待できます。その中でも、DIAM厳選米国株式ファンド(愛称:アメリカンセレクション)は、高成長が期待される米国株式を厳選して投資するアクティブファンドです。
この記事では、DIAM厳選米国株式ファンドの基本情報、運用実績、他のファンドとの比較を中立的に解説します。
この記事のポイント:
- DIAM厳選米国株式ファンドは、Janus Henderson社の独自リサーチに基づき高成長期待の米国株式に投資
- 信託報酬は1.9250%で、インデックスファンド(0.1%前後)と比べると高い
- シャープレシオ2.47(1年)と、リスクに対するリターンの効率性は良好
- NISA成長投資枠の対象で、非課税での運用が可能
- 為替ヘッジなしのため、円安局面では為替差益、円高局面では為替差損が発生
(1) ファンドの概要(愛称:アメリカンセレクション)
DIAM厳選米国株式ファンドは、アセットマネジメントOneが運用する投資信託で、愛称「アメリカンセレクション」として販売されています。
基本情報(2024年12月時点):
- ファンドコード: 47314147
- 運用会社: アセットマネジメントOne
- 基準価額: 15,784円
- 純資産総額: 87億円
- 設定日: 2007年11月30日
このファンドは、米国株式を主要投資対象とし、高い利益成長が期待される銘柄を厳選して投資します。
(2) 運用会社とファンドの設定経緯
アセットマネジメントOneは、日本の大手資産運用会社です。DIAM厳選米国株式ファンドでは、運用の一部をJanus Henderson Investors US LLCに委託しており、同社の独自リサーチに基づく銘柄選択を行っています。
2007年の設定以来、米国株式市場の成長とともに運用されてきた実績があります。
ファンドの基本情報(運用方針・組入銘柄・コスト)
ファンドの運用方針、投資対象、コスト構造を詳しく見ていきます。
(1) 運用方針(Janus Henderson社の独自リサーチ)
DIAM厳選米国株式ファンドは、Janus Henderson社の独自リサーチに基づき、以下の基準で銘柄を選択します。
銘柄選択基準:
- 高い利益成長が期待される米国株式
- 企業の競争優位性や経営戦略を評価
- 市場環境の変化に応じて銘柄入れ替えを実施
アクティブファンドとして、インデックスファンドとは異なり、運用者の判断により銘柄選択やポートフォリオ構築を行います。
(2) 組入銘柄の特徴(高成長期待の米国株式)
ファンドは、米国の大型株から中型株まで幅広く投資しています。具体的な組入上位銘柄や業種構成は、運用報告書や目論見書で確認できます。
一般的に、テクノロジー、ヘルスケア、消費財などのセクターに分散投資されており、特定の銘柄や業種への過度な集中を避ける方針が取られています。
(3) コスト(信託報酬1.9250%、購入時手数料)
投資信託を保有する際には、以下のコストがかかります。
主なコスト:
- 信託報酬: 年率1.9250%(税込)
- 購入時手数料: 証券会社により異なる(上限3.3%程度)
- 信託財産留保額: なし(解約時に差し引かれる費用はなし)
信託報酬は、インデックスファンド(0.1%前後)と比べると高いですが、アクティブファンドとしては標準的な水準です。長期保有時のコスト負担を考慮する必要があります。
運用実績とパフォーマンス指標
ファンドの運用実績を具体的な指標で確認します。
(1) 基準価額と純資産総額の推移
2024年12月時点での基準価額は15,784円、純資産総額は87億円と推移しています。
基準価額は、株式市場の変動や為替レートの影響を受けて日々変動します。長期的なトレンドは、運用報告書や証券会社の商品情報ページで確認できます。
(2) リスク・リターン指標(シャープレシオ2.47)
リスクとリターンのバランスを示す指標として、シャープレシオがあります。
パフォーマンス指標(1年):
- リスク: 17.22%
- シャープレシオ: 2.47
- QUICKファンドリスク: 4
シャープレシオ2.47は、リスク1単位あたりのリターンが良好であることを示しています。一般的に、1.0以上が優秀、2.0以上が非常に優秀とされます。
ただし、これは過去のデータであり、将来のパフォーマンスを保証するものではありません。
(3) 為替変動の影響(為替ヘッジなし)
このファンドは為替ヘッジを行わないため、円ドルレートの変動が基準価額に影響します。
為替の影響:
- 円安局面(ドル高): 為替差益により基準価額が上昇しやすい
- 円高局面(ドル安): 為替差損により基準価額が下落しやすい
米国株式自体が値上がりしても、円高が進むと為替差損により全体のリターンが減少する可能性があります。
他の米国株ファンドとの比較
他の米国株投資の選択肢と比較してみます。
(1) インデックスファンドとの比較(信託報酬・パフォーマンス)
インデックスファンドは、S&P500などの指数に連動することを目指すファンドです。
比較例(S&P500インデックスファンド):
- 信託報酬: 0.09%〜0.15%程度(DIAM: 1.9250%)
- 運用方針: 指数連動(DIAM: アクティブ運用)
- 銘柄選択: 指数構成銘柄を機械的に保有(DIAM: 運用者が厳選)
インデックスファンドはコストが低い一方、市場平均以上のリターンは期待できません。アクティブファンドであるDIAM厳選米国株式ファンドは、コストは高いですが、市場平均を上回るリターンを目指します。
どちらが優れているかは、長期的なパフォーマンスやコストを総合的に比較して判断する必要があります。
(2) 他のアクティブファンドとの比較
米国株を対象とするアクティブファンドは多数存在します。信託報酬、運用方針、パフォーマンス指標を比較し、自分の投資スタイルに合ったファンドを選ぶことが重要です。
主要証券会社のサイトでは、ファンド比較ツールが提供されており、複数のファンドを並べて比較できます。
メリットとデメリット
DIAM厳選米国株式ファンドのメリットとデメリットを整理します。
(1) メリット(NISA対応、プロの銘柄選択、シャープレシオの高さ)
主なメリット:
- NISA成長投資枠の対象: 年間240万円まで非課税で運用可能
- プロの銘柄選択: Janus Henderson社の独自リサーチに基づく厳選された銘柄
- 高いシャープレシオ: リスクに対するリターンの効率性が良好(2.47)
- 主要証券会社で購入可能: SBI証券、楽天証券、マネックス証券等で取扱
- 分散投資効果: 複数の米国株式に分散投資することでリスク軽減
プロの運用者に任せることで、個別株選択の手間や知識が不要になります。
(2) デメリット(信託報酬の高さ、為替リスク、元本保証なし)
主なデメリット:
- 信託報酬の高さ: 年率1.9250%で、インデックスファンドと比べて約19倍のコスト
- 為替リスク: 為替ヘッジなしのため、円高局面で為替差損が発生
- 元本保証なし: 株式市場の変動により基準価額が下落し、元本損失が生じる可能性
- アクティブリスク: 運用者の判断により、ベンチマークを下回るリスク
- 購入時手数料: 証券会社により購入時に手数料が発生する場合がある
長期保有する場合、信託報酬の影響は大きくなります。10年間で約19.25%のコストがかかることを考慮する必要があります。
まとめ:このファンドに向いている人
DIAM厳選米国株式ファンドは、プロの運用者に米国株投資を任せたい投資家向けの選択肢です。
このファンドに向いている人:
- プロの銘柄選択を活用したい人
- 個別株選択の手間や知識がない人
- NISA成長投資枠で米国株投資をしたい人
- アクティブ運用のリターンを期待する人
- 信託報酬の高さを許容できる人
他の選択肢を検討すべき人:
- コストを最小限に抑えたい人(インデックスファンドが適している)
- 為替リスクを避けたい人(為替ヘッジ付きファンドを検討)
- 配当金を重視する人(高配当株ETFや個別株を検討)
次のアクション:
- 目論見書や運用報告書で詳細を確認する
- インデックスファンドとの長期的なパフォーマンスを比較する
- 自分の投資目的やリスク許容度に合ったファンドを選ぶ
- 証券会社のファンド比較ツールを活用する
投資信託は元本保証ではなく、株価変動や為替変動により損失が生じる可能性があります。投資判断は自己責任で行い、不明点は専門家にご相談ください。
※本記事の情報は執筆時点のものです。最新の基準価額、信託報酬、運用方針は目論見書や運用会社の公式サイトでご確認ください。
