ダウ平均株価(NYダウ)とは?構成銘柄と投資方法を完全解説

著者: Single Stock編集部公開日: 2025/11/14

ダウ平均株価とは?NYダウ平均の正式名称

「今日のダウ平均は〇〇ドル上昇」というニュースを聞いたことはありませんか?投資に興味がある方なら毎日のように耳にする言葉ですが、「ダウ平均」と「NYダウ」と「NYダウ平均」の違いがわからない方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、**これらはすべて同じものを指します。正式名称はダウ・ジョーンズ工業株30種平均(Dow Jones Industrial Average, DJIA)**で、日本では略して「NYダウ」「ダウ平均」「NYダウ平均」などと呼ばれています。

この記事では、ダウ平均株価の基本的な仕組み、構成銘柄の特徴、S&P500やNASDAQとの違い、そして日本から投資する方法を解説します。

この記事のポイント:

  • ダウ平均は米国の主要30社の株価単純平均で、1896年に創設された歴史的指標
  • 構成銘柄はApple、Microsoft、JPモルガン・チェースなど各セクターの代表的優良企業
  • S&P500(500社・時価総額加重型)と異なり、ダウ平均は30社・株価単純平均で計算
  • ETF(DIA等)や投資信託を使えば日本の証券会社から投資可能
  • 2024年は13.3%上昇、2025年11月には史上初の48,000ドルを突破

ダウ平均株価の仕組みと計算方法

ダウ平均株価は、株価単純平均型指数です。

(1) 株価単純平均型指数とは

ダウ平均は**株価単純平均型指数(Price-Weighted Index)**で計算されます。

計算方式:

  • 構成30社の株価を合計
  • 調整された除数(Divisor)で割る

特徴:

  • 株価が高い銘柄ほど指数への影響が大きい
  • 時価総額(企業の規模)は考慮されない
  • UnitedHealth、Goldman Sachsなど株価の高い銘柄の影響が大きい

(2) 時価総額加重平均型(S&P500等)との違い

ダウ平均 vs S&P500:

項目 ダウ平均 S&P500
銘柄数 30社 500社
計算方式 株価単純平均 時価総額加重平均
分散効果 限定的 高い
代表性 優良企業 米国市場全体
創設年 1896年 1957年

S&P500は500社で構成され、時価総額加重型(大企業の影響が大きい)で計算されるため、米国市場全体の動向をより正確に反映すると言われています。

一方、ダウ平均は30社のみですが、130年近い歴史があり、ニュース性が高いため世界中で注目されています。

NYダウ平均の構成銘柄30社

NYダウ平均は米国を代表する優良企業30社で構成されています。

(1) 30銘柄の業種別構成

代表的な構成銘柄(2025年11月時点):

  • テクノロジー: Apple(アップル)、Microsoft(マイクロソフト)、Salesforce
  • 金融: JPモルガン・チェース、Goldman Sachs、American Express
  • ヘルスケア: UnitedHealth Group、Johnson & Johnson、Merck
  • 消費財: Nike(ナイキ)、McDonald's(マクドナルド)、Coca-Cola
  • 産業: ボーイング、3M、Honeywell
  • エネルギー: Chevron(シェブロン)

これらは世界的に知名度が高く、持続的な成長を遂げてきた「ブルーチップ(優良株)」です。

(2) 銘柄選定と入れ替えの基準

ダウ平均の構成銘柄は、S&Pダウ・ジョーンズ指数社が選定します。

選定基準:

  • 米国を代表する優良企業
  • 各セクター(業種)の代表企業
  • 長期的な成長性と安定性

入れ替えのタイミング:

  • 定期的ではなく、必要に応じて実施
  • 企業の業績悪化、買収・合併などの事情に応じて変更

最近の入れ替え例:

  • 2024年にNvidiaが加わり、Intelが除外された

ダウ平均と他指数(S&P500・NASDAQ・日経平均)の比較

米国株市場には複数の主要指数があり、それぞれ特徴が異なります。

(1) S&P500との比較(銘柄数・計算方式)

ダウ平均 vs S&P500(再掲):

  • ダウ平均: 30社・株価単純平均・優良企業
  • S&P500: 500社・時価総額加重平均・米国市場全体

2024年のパフォーマンス比較:

  • ダウ平均: 13.3%上昇
  • S&P500: 23%上昇

S&P500の方が高いリターンでした。これは、Nvidiaなどハイテク株のパフォーマンスが良かったためです。

(2) NASDAQ総合指数との違い

NASDAQ総合指数は、NASDAQ市場に上場する全銘柄を対象とした時価総額加重型指数です。

主な違い:

  • ダウ平均は伝統的な優良企業が中心
  • NASDAQはハイテク・IT企業が中心
  • NASDAQは約3,000銘柄で構成

(3) 日経平均株価との共通点と相違点

日経平均株価は日本の代表的な株価指数です。

共通点:

  • 株価単純平均型指数
  • 主要企業を厳選(日経平均は225社、ダウ平均は30社)

相違点:

  • 日経平均は225社、ダウ平均は30社
  • 日経平均は東京証券取引所、ダウ平均はNYSE・NASDAQ

両指数の連動性:

  • 一般的にNYダウが先行し、翌日の日経平均が追随する傾向
  • 米国経済の影響を日本市場が受けるため

日本からダウ平均に投資する方法

日本からダウ平均に投資するには、主にETFと投資信託の2つの方法があります。

(1) ETF(SPDR Dow Jones Industrial Average ETF等)

SPDR Dow Jones Industrial Average ETF Trust(ティッカー: DIA):

  • ダウ平均に連動するETF
  • ニューヨーク証券取引所に上場
  • 日本の証券会社で購入可能

購入手順:

  1. 米国株取引可能な証券会社で口座開設(SBI証券、楽天証券、マネックス証券等)
  2. 米ドルを準備
  3. ティッカーシンボル「DIA」を検索
  4. 注文(成行または指値)

手数料:

  • 取引手数料: 約定代金の0.495%程度(上限22ドル)
  • 為替手数料: 片道25銭程度(楽天証券は0銭)
  • 信託報酬: 年率0.16%程度※信託報酬については各ETFの公式サイトで最新情報をご確認ください

(2) 投資信託での投資

ダウ平均連動型の投資信託:

  • 日本の投資信託会社がダウ平均に連動する運用を行う商品
  • 円建てで少額から積立投資が可能
  • 信託報酬がかかる(年率0.5%〜1%程度)

主要証券会社:

  • SBI証券、楽天証券、マネックス証券などで購入可能

NISA活用:

  • NISA成長投資枠で年間240万円まで非課税投資が可能
  • 長期投資に適している

注意点:

  • 為替変動リスク(ドル建て資産のため、円高・円安の影響を受ける)
  • 配当課税(米国で10%源泉徴収後、日本で20.315%課税。外国税額控除で一部調整可能)

まとめ:ダウ平均を理解して米国株投資を始める

ダウ平均(NYダウ)は1896年創設の歴史的な株価指数で、米国の主要30社の株価単純平均です。

重要ポイント:

  • ダウ平均とNYダウ、NYダウ平均はすべて同じ(正式名称: Dow Jones Industrial Average)
  • 30社の株価単純平均で、株価が高い銘柄の影響が大きい
  • S&P500(500社・時価総額加重型)よりも銘柄数が少なく、分散効果は限定的
  • ETF(DIA等)や投資信託を使えば日本の証券会社から投資可能
  • 2024年は13.3%上昇、2025年11月には史上初の48,000ドルを突破

次のアクション:

  • SBI証券、楽天証券など主要証券会社でダウ平均連動のETF・投資信託を確認する
  • まずは少額から積立投資を始めて、米国株投資に慣れる
  • S&P500やNASDAQなど他の指数と比較し、自分の投資スタイルに合った指数を選ぶ
  • リアルタイムチャート(Yahoo Finance、Bloomberg等)で日々の動向をチェックする

ダウ平均は米国経済の代表的な指標であり、長期的な資産形成に活用できます。自分の投資目的とリスク許容度を考慮し、計画的に投資を進めましょう。

よくある質問

Q1ダウ平均とNYダウは同じものですか?

A1はい、同じものです。正式名称は「ダウ・ジョーンズ工業株30種平均(Dow Jones Industrial Average)」で、日本では略して「NYダウ」や「ダウ平均」、「NYダウ平均」と呼ばれています。すべて同じ株価指数を指します。

Q2ダウ平均とS&P500、どちらに投資すべきですか?

A2一般的にはS&P500の方がおすすめです。S&P500は500銘柄で構成され、分散効果が高いため、米国市場全体の動向をより正確に反映します。ダウ平均は30銘柄の米国優良株に集中投資したい場合に選択します。リスク許容度と投資目的で判断してください。

Q3なぜ30銘柄だけなのですか?

A3ダウ平均は1896年創設時は12銘柄で、1928年に30銘柄に拡大されました。米国経済を代表する優良企業(ブルーチップ)を厳選する方針で、各セクター(業種)から代表的な企業を選定しています。銘柄は定期的に見直され、必要に応じて入れ替えられます。

Q4ダウ平均のリアルタイム価格はどこで見られますか?

A4Yahoo Finance(日本語・英語)、Bloomberg、主要証券会社のウェブサイト(SBI証券、楽天証券、マネックス証券など)で無料で確認できます。これらのサイトでは、リアルタイム株価、チャート、ニュース、過去の推移なども同時にチェックできます。

S

Single Stock編集部

Single Stockは、米国株式投資に関する情報を日本語で提供するメディアです。投資初心者から経験者まで、銘柄分析・市場動向・投資戦略など、株式投資に役立つ情報を分かりやすく解説しています。