FOMC発表時間を日本時間で確認する重要性
米国株に投資している日本の投資家にとって、FOMC(連邦公開市場委員会)の発表時間を日本時間で正確に把握することは非常に重要です。FOMCは米国の金融政策を決定する会合であり、その結果は米国株式市場だけでなく、為替市場や日本株にも大きな影響を与えます。
「FOMC発表は何時に行われるのか」「夏時間と冬時間でどう変わるのか」「パウエル議長の記者会見はいつ始まるのか」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
この記事では、FOMC発表時間と日本時間の対応、2025年の開催スケジュール、金融政策が株式市場に与える影響を詳しく解説します。
この記事のポイント:
- FOMC発表は米国東部時間14:00、日本時間では夏時間午前3時・冬時間午前4時
- パウエル議長の記者会見は発表30分後に開始
- 2025年のFOMCは年8回開催(1月、3月、5月、6月、7月、9月、11月、12月)
- 利上げは一般的に株価下落要因、利下げは上昇要因(ただし状況による)
- 発表直後は市場が急変動するため、事前に投資戦略を立てておくべき
FOMCとは - 米国の金融政策を決定する会合の仕組み
FOMC(Federal Open Market Committee)は、米国の中央銀行である連邦準備制度(FRB)が開催する金融政策決定会合です。米国経済の安定と成長を目的として、政策金利や量的緩和などの金融政策を決定します。
(1) FOMC(連邦公開市場委員会)の役割
FOMCは、米国の金融政策を決定する最高意思決定機関です。FRB議長、副議長、FRB理事、地区連邦準備銀行総裁などで構成され、政策金利の引き上げ・引き下げ・据え置きを決定します。
FOMCの決定は、米国だけでなく世界中の金融市場に影響を与えます。
(2) 政策金利(Federal Funds Rate)とは
政策金利(Federal Funds Rate)は、米国の短期金利の基準となる金利です。FOMCがこの金利を引き上げ・引き下げることで、経済全体の金利水準や資金調達コストが変化します。
- 利上げ: 金利を引き上げることで、経済の過熱を抑える(インフレ抑制)
- 利下げ: 金利を引き下げることで、景気を刺激する(経済成長促進)
(3) 年8回開催の2日間会合
FOMCは年8回、約6週間ごとに開催されます。各会合は2日間にわたり、初日に議論、2日目に投票と声明文発表が行われます。
一部の会合では、経済見通し(SEP: Summary of Economic Projections)やドットプロット(FOMC参加者の金利見通しを示す図)も公表されます。
FOMC発表時間と日本時間の対応 - 夏時間と冬時間の違い
FOMCの結果発表時間は、米国東部時間14:00です。日本時間に換算すると、米国のサマータイム(夏時間)か標準時(冬時間)かによって1時間の時差が生じます。
(1) 米国東部時間14:00 → 日本時間の換算
FOMCの声明文は、米国東部時間14:00(18:00 UTC)に発表されます。日本時間では、夏時間と冬時間で以下のように異なります。
- 夏時間: 日本時間午前3時
- 冬時間: 日本時間午前4時
(2) 夏時間(3月第2日曜日〜11月第1日曜日)は午前3時
米国のサマータイムは、3月第2日曜日から11月第1日曜日まで適用されます。この期間中は、FOMC発表は日本時間午前3時に行われます。
(3) 冬時間(11月〜3月)は午前4時
11月第1日曜日から3月第2日曜日までは標準時(冬時間)となり、FOMC発表は日本時間午前4時に行われます。
(4) パウエル議長の記者会見は発表30分後
FOMC声明文の発表後、約30分後(米国東部時間14:30、18:30 UTC)にパウエルFRB議長の記者会見が始まります。この記者会見では、金融政策の方向性や経済見通しについての詳しい説明が行われます。
市場は、声明文だけでなく議長の発言ニュアンスにも敏感に反応するため、両方をチェックすることが重要です。
2025年のFOMC開催スケジュール - 年8回の会合日程
2025年のFOMC開催スケジュールは、FRB公式サイトで公表されています。投資家は事前にスケジュールを確認し、発表に備えることが推奨されます。
(1) 2025年の公式スケジュール(1月、3月、5月、6月、7月、9月、11月、12月)
2025年のFOMCは、以下の日程で開催されます。
- 1月28-29日
- 3月18-19日(経済見通し公表予定)
- 5月6-7日
- 6月17-18日(経済見通し公表予定)
- 7月29-30日
- 9月16-17日(経済見通し公表予定)
- 10月28-29日
- 12月9-10日(経済見通し公表予定)
各会合の最終日(2日目)に声明文が発表されます。
(2) FRB公式サイトでの確認方法
FOMCの最新スケジュールは、FRB公式サイト(https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomccalendars.htm)で確認できます。スケジュールは変更される可能性もあるため、定期的に確認することが推奨されます。
FOMC発表が株式市場に与える影響 - 利上げ・利下げと市場の反応
FOMCの金融政策決定は、株式市場に大きな影響を与えます。利上げ・利下げ・据え置きのいずれの決定も、市場の期待と実際の結果の差によって株価が変動します。
(1) 利上げと株価の関係(一般的に下落要因)
利上げは、一般的に株価の下落要因と言われています。理由は以下の通りです。
- 企業の資金調達コストが上昇し、利益が圧迫される
- 債券利回りが上昇し、株式の相対的な魅力が低下する
- 経済成長の鈍化懸念が高まる
ただし、市場が事前に利上げを織り込んでいる場合、発表後に株価が上昇することもあります。
(2) 利下げと株価の関係(一般的に上昇要因)
利下げは、一般的に株価の上昇要因と言われています。理由は以下の通りです。
- 企業の資金調達コストが低下し、利益が改善する
- 景気刺激効果が期待され、企業業績の改善が見込まれる
- 債券利回りが低下し、株式の相対的な魅力が高まる
ただし、利下げが「景気悪化の兆候」と受け止められる場合、株価が下落することもあります。
(3) 声明文と議長会見の重要性
FOMCの声明文では、政策金利の決定だけでなく、経済見通しや今後の金融政策の方向性が示されます。また、パウエル議長の記者会見での発言ニュアンスが、市場を大きく動かすことがあります。
声明文と議長会見の両方をチェックし、金融政策の方向性を理解することが重要です。
(4) 2025年10月の利下げ事例(0.25%引き下げ)
2025年10月29日、FRBは政策金利を0.25%引き下げ、3.75%-4.0%としました。この決定は、経済成長を支える狙いがあると言われています。
また、パウエル議長は記者会見で、12月の追加利下げは「確定していない」と発言し、利下げペースの鈍化を示唆しました。市場はこの発言に敏感に反応しました。
まとめ - FOMC前後の注意点と情報収集の方法
FOMC発表時間を日本時間で正確に把握し、発表前後の市場変動に備えることは、米国株投資家にとって重要です。
(1) 発表直後のボラティリティに注意
FOMC発表直後は、株式市場・為替市場が急変動することがあります。予め投資戦略を立て、発表後の市場変動に備えることが推奨されます。
無理に発表直後に取引する必要はなく、市場の反応を見てから判断することも一つの選択肢です。
(2) サマータイム切り替え時期の確認
米国のサマータイム切り替え時期(3月・11月)は、FOMC発表時間が1時間変わります。スケジュールを確認する際は、夏時間か冬時間かを必ず確認しましょう。
(3) FRB公式サイトと金融メディアの活用
FOMCの最新情報は、FRB公式サイトで確認できます。また、Bloomberg、Reuters、日本経済新聞などの金融メディアも、リアルタイムで情報を提供しています。
次のアクション:
- FRB公式サイトで2025年のFOMCスケジュールを確認する
- 発表時間(日本時間午前3時または4時)をカレンダーに登録する
- 声明文と議長会見の両方をチェックする習慣をつける
投資判断は自己責任で行い、不明点があれば証券会社や専門家に相談することをおすすめします。
