FOMC会合の日本時間スケジュールと投資への影響【初心者向け】

著者: Single Stock編集部公開日: 2025/11/15

FOMCと日本時間:なぜ投資家にとって重要なのか

米国株に投資している日本人投資家にとって、FOMC(連邦公開市場委員会)の結果発表は最も重要な経済イベントの1つです。

FOMCでは米国の政策金利が決定され、その内容次第で為替・株式市場が大きく変動します。しかし、FOMCの結果発表は米国東部時間の午後2時(日本時間では深夜から早朝)に行われるため、日本の投資家は時間帯の把握に苦労することがあります。

この記事では、FOMCの結果発表が日本時間で何時になるか、サマータイムと冬時間の違い、2025年の開催日程、市場への影響を初心者向けに解説します。

この記事のポイント:

  • FOMC結果発表はサマータイム期間は日本時間午前3時、冬時間は午前4時
  • 記者会見は結果発表の約30分後(サマータイム期間は午前3時半、冬時間は午前4時半)
  • サマータイムは3月第2日曜日から11月第1日曜日まで、それ以外は冬時間
  • FOMCは年8回開催され、2025年の日程はFRB公式サイトで確認可能
  • FOMC発表前後は市場のボラティリティが上昇する傾向がある

FOMCとは何か?基本的な仕組みを理解する

(1) FOMCの役割と金融政策

FOMC(Federal Open Market Committee、連邦公開市場委員会)は、米国の金融政策を決定する会議です。具体的には、政策金利(FFレート:フェデラルファンド金利)の変更や、景気・物価の見通しを発表します。

主な決定事項:

  • 政策金利の引き上げ・引き下げ・据え置き
  • 量的緩和・量的引き締めの方針
  • 経済見通しの公表(年4回、Summary of Economic Projectionsとして公表)

FOMCの決定は、米国だけでなく世界中の金融市場に影響を与えるため、投資家にとって最も注目すべきイベントの1つと言われています。

(2) 開催頻度と参加メンバー

FOMCは年8回の定例会合を開催します。各会合は通常2日間にわたって行われ、約6週間ごとに開催されます。

参加メンバー:

  • FRB(連邦準備制度)の理事7名
  • 地区連邦準備銀行総裁のうち5名(ニューヨーク連銀総裁は常に投票権を持つ)

会合では、米国の経済状況を分析し、政策金利の適切な水準を議論します。必要に応じて臨時会合も開催されることがあります。

(3) 声明文・記者会見・議事録の公開タイミング

FOMC会合後、以下の順序で情報が公開されます。

1. 政策声明文の発表(会合終了直後)

  • 米国東部時間14:00(日本時間:サマータイム午前3時、冬時間午前4時)
  • 政策金利の決定内容と経済見通しを簡潔に説明

2. FRB議長の記者会見(発表の約30分後)

  • 米国東部時間14:30(日本時間:サマータイム午前3時半、冬時間午前4時半)
  • パウエル議長が記者の質問に答え、政策意図を詳しく説明

3. 議事録の公開(会合の3週間後)

  • FOMC会合の議論内容を詳細にまとめた文書
  • 政策決定の背景や意見の相違が記録される

市場は声明文と記者会見の内容に即座に反応するため、投資家はこれらの発表時刻を正確に把握する必要があります。

FOMC結果発表の日本時間:サマータイムと冬時間の違い

(1) サマータイム期間の発表時刻(午前3時)

米国のサマータイム(夏時間)期間は、3月第2日曜日から11月第1日曜日までです。この期間中、FOMC結果発表の日本時間は以下の通りです。

サマータイム期間(3月第2日曜日〜11月第1日曜日):

  • 声明文発表: 日本時間 午前3時
  • 記者会見: 日本時間 午前3時半

サマータイム期間は、米国東部時間と日本時間の時差が13時間となります。

(2) 冬時間期間の発表時刻(午前4時)

米国の冬時間(標準時)期間は、11月第1日曜日から3月第2日曜日までです。この期間中、FOMC結果発表の日本時間は以下の通りです。

冬時間期間(11月第1日曜日〜3月第2日曜日):

  • 声明文発表: 日本時間 午前4時
  • 記者会見: 日本時間 午前4時半

冬時間期間は、米国東部時間と日本時間の時差が14時間となります。

(3) 記者会見の開始時刻(発表の30分後)

FRB議長の記者会見は、声明文発表の約30分後に開始されます。記者会見では、議長が政策の意図や経済見通しについて詳しく説明し、記者からの質問に答えます。

市場参加者は、声明文だけでなく記者会見の内容にも注目しており、議長の発言次第で株価や為替が大きく動くことがあります。

(4) サマータイムの切り替わり時期に注意

サマータイムと冬時間の切り替わり時期(3月と11月)は、発表時刻が1時間ずれるため注意が必要です。

切り替わり時期:

  • 3月第2日曜日: 冬時間からサマータイムに切り替わり(発表時刻が1時間早まる)
  • 11月第1日曜日: サマータイムから冬時間に切り替わり(発表時刻が1時間遅れる)

切り替わり時期を忘れると、発表時刻を1時間間違えてしまう可能性があるため、カレンダーに登録しておくことが推奨されます。

2025年のFOMC開催日程と確認方法

(1) 2025年のFOMC開催スケジュール

2025年のFOMC開催日程は以下の通りです(FRB公式サイトより)。

会合回 開催日程 備考
第1回 1月28-29日 冬時間
第2回 3月18-19日 サマータイム移行直後
第3回 5月6-7日 サマータイム
第4回 6月17-18日 サマータイム、経済見通し公表
第5回 7月29-30日 サマータイム
第6回 9月16-17日 サマータイム、経済見通し公表
第7回 11月4-5日 サマータイム移行直前
第8回 12月16-17日 冬時間、経済見通し公表

※経済見通し(Summary of Economic Projections)は年4回(3月、6月、9月、12月)のFOMCで公表されます。

(2) FRB公式サイトでの確認方法

FOMCの開催日程は、FRB公式サイトで確認できます。

FRB公式サイト(英語): https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomccalendars.htm

このページでは、2024年から2027年の暫定スケジュールが公開されています。ただし、直前の会合で最終確定されるため、変更の可能性がある点に留意してください。

(3) 証券会社の経済カレンダーの活用

日本の証券会社も、FOMCを含む主要経済イベントの日程を「経済カレンダー」として提供しています。

主要証券会社の経済カレンダー:

  • マネックス証券: 2025年のFOMCや日銀会合の日程を一覧で掲載
  • SBI証券: 米国・欧州・日本の金融政策スケジュールを提供
  • 楽天証券: 経済指標カレンダーでFOMC日程を確認可能

これらの経済カレンダーは日本語で提供されており、日本時間での発表時刻も明記されているため、初心者にも使いやすいです。

FOMC発表による市場への影響と投資家の注意点

(1) 為替・株式市場の変動パターン

FOMCの結果発表は、為替・株式市場に大きな影響を与えます。特に以下のような場合、市場が大きく変動する傾向があります。

市場が大きく動く要因:

  • 予想外の金利変更: 市場予想と異なる利上げ・利下げが決定された場合
  • 議長の発言: 記者会見で今後の金融政策の方向性(タカ派・ハト派)が示された場合
  • 経済見通しの変更: インフレ率やGDP成長率の見通しが大きく修正された場合

例えば、予想外の利上げが決定されると、ドル高・株安になる傾向があり、逆に利下げが決定されると、ドル安・株高になることが一般的です。

(2) 会合前後のボラティリティ上昇

FOMC会合の前後は、市場のボラティリティ(価格変動の激しさ)が上昇する傾向があります。

ボラティリティが上昇する理由:

  • 投資家が政策決定の結果を予想して売買を活発化させる
  • 結果発表直後に大量の注文が殺到する
  • アルゴリズム取引が声明文の文言を瞬時に分析して売買する

特に、結果発表の直後(日本時間午前3時〜4時)は、数分で株価が数%動くこともあるため、注意が必要です。

(3) リスク管理のポイント

FOMC発表前後の投資では、以下のリスク管理が重要です。

リスク管理のポイント:

  • ポジションサイズを調整: 会合前に保有株の一部を利益確定し、リスクを減らす
  • ストップロス注文の設定: 急激な価格変動に備えて、損切りラインを設定する
  • レバレッジを控える: 信用取引やCFDでのレバレッジを抑え、急変動リスクに備える
  • 発表直後の取引を避ける: ボラティリティが高い時間帯は、冷静な判断が難しいため様子見も選択肢

FOMC発表は市場を大きく動かすイベントですが、無理に取引せず、リスク管理を徹底することが長期的な資産形成には重要です。

まとめ:日程確認方法と次のアクション

FOMC結果発表の日本時間は、サマータイム期間(3月第2日曜日〜11月第1日曜日)は午前3時、冬時間は午前4時です。記者会見は発表の約30分後に開始されます。

日程確認方法:

  • FRB公式サイトのカレンダーで2025-2027年の日程を確認
  • マネックス証券・SBI証券などの経済カレンダーを活用(日本語・日本時間表示)
  • サマータイムと冬時間の切り替わり時期(3月・11月)に注意

投資家が注意すべきポイント:

  • FOMC発表前後は市場のボラティリティが上昇する
  • 予想外の金利変更や議長の発言で株価・為替が大きく変動する可能性がある
  • リスク管理(ポジションサイズ調整、ストップロス設定)を徹底する

次のアクション:

  • FRB公式サイトまたは証券会社の経済カレンダーで次回のFOMC日程を確認する
  • スマホのカレンダーに発表時刻を登録し、通知を設定する
  • 会合前に保有銘柄のリスクを見直し、必要に応じてポジション調整を行う

FOMCは米国株投資において最も重要なイベントの1つです。日程と発表時刻を正確に把握し、適切なリスク管理を行うことで、長期的な資産形成を目指しましょう。

よくある質問

Q1FOMC結果発表は日本時間で何時になりますか?

A1サマータイム期間(3月第2日曜日〜11月第1日曜日)は日本時間午前3時、冬時間(11月第1日曜日〜3月第2日曜日)は午前4時です。記者会見は発表の約30分後(サマータイムは午前3時半、冬時間は午前4時半)から始まります。

Q2FOMCは年に何回開催されますか?

A2年8回の定例会合が開催されます。約6週間ごとに2日間にわたって開催され、必要に応じて臨時会合も開催されることがあります。

Q3次のFOMC日程はどこで確認できますか?

A3FRB公式サイト(https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomccalendars.htm)のカレンダー、またはマネックス証券・SBI証券などの証券会社の経済カレンダーで確認できます。

Q4FOMC発表で市場はどう動きますか?

A4政策金利の変更やFRB議長の発言次第で、為替・株式市場が大きく変動します。特に予想外の金利変更があった場合や、議長がタカ派・ハト派の姿勢を明確にした場合、数%の価格変動が起こることがあります。会合前後はボラティリティが上昇する傾向があるため、リスク管理が重要です。

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Single Stock編集部

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