三菱UFJ ADR株価の確認方法と投資情報【初心者向け完全ガイド】

著者: Single Stock編集部公開日: 2025/11/15

三菱UFJに米国株として投資したいけれど、ADRの株価をどこで確認すればいいか分からない...

米国株に投資している日本人投資家の多くが、「三菱UFJフィナンシャル・グループに米国株として投資できるADRに興味がある」「東証株とどう違うのか」「株価をどこで確認すればいいか分からない」と悩んでいます。三菱UFJのADRは、NYSE(ニューヨーク証券取引所)に上場しており、ティッカーシンボル「MUFG」で取引されています。

この記事では、三菱UFJのADR株価の確認方法、ADRの仕組み、東証株との違い、投資時のメリット・デメリットを詳しく解説します。

この記事のポイント:

  • 三菱UFJのADRはNYSEに上場、ティッカーシンボル「MUFG」
  • ADRは米国預託証券(外国企業の株式を米国市場で取引できる証券)
  • Yahoo Finance、Morningstar、複合チャート(nikkei225jp.com)で株価を確認可能
  • 東証株(8306)との価格差は為替レート・取引時間差で発生
  • 配当利回り2.3%、為替リスクと取引時間差がデメリット

1. 三菱UFJのADRとは何か、投資家が注目する理由

三菱UFJフィナンシャル・グループのADR(米国預託証券)は、日本を代表する金融機関に米国株として投資できる銘柄です。

投資家が注目する理由:

日本最大の金融グループ:

  • 国内貸出シェア: 8.4%(2025年3月時点)
  • 国内預金シェア: 11.8%(2025年3月時点)
  • 時価総額: 171.56B(約26兆円、2025年11月時点)

グローバル展開:

  • Morgan Stanleyへの出資により収益の約15%を確保
  • 東南アジア(タイ・インドネシア)での事業展開拡大
  • Krungsri(タイの銀行)が約10%の利益貢献

配当利回り:

  • 2.3%(2025年11月時点)
  • 安定した配当が期待できる

三菱UFJのADRは、日本の金融セクターに米ドル建てで投資できる貴重な銘柄として、米国株投資家からも注目されています。

米ドル建て資産としての魅力:

ADRは米ドル建てで取引されるため、円安時にはADRの円換算価値が上昇します。為替ヘッジとしての側面もあります。

2. ADR(米国預託証券)の仕組みと三菱UFJ(MUFG)の基本情報

ADRの基本的な仕組みを理解しておきましょう。

(1) ADR(American Depositary Receipt)とは

ADR(米国預託証券)は、外国企業の株式を米国市場で取引できるようにした証券です。

ADRの仕組み:

  1. 外国企業(三菱UFJ)の株式を預託銀行が保管
  2. 預託銀行がADRを発行(預かり証のようなもの)
  3. ADRを米国市場(NYSE)で取引

重要な点:

ADRは厳密には株式ではなく「預託証券」です。しかし、経済的権利(配当を受け取る権利、株価変動による利益等)は、株式とほぼ同じです。

(2) MUFGのティッカーシンボルとNYSE上場

三菱UFJのADRは、以下の情報で識別できます。

基本情報:

  • ティッカーシンボル: MUFG
  • 取引所: NYSE(New York Stock Exchange)
  • 企業名: Mitsubishi UFJ Financial Group, Inc.
  • 東証コード: 8306(東京証券取引所)

NYSEに上場しているため、米国の投資家も日本の投資家も同じADRを取引できます。

(3) 日本最大の金融グループとしての市場規模

三菱UFJフィナンシャル・グループは、日本最大の金融グループです。

事業内容:

  • 銀行業(三菱UFJ銀行)
  • 信託銀行業(三菱UFJ信託銀行)
  • 証券業(三菱UFJ証券ホールディングス)
  • クレジットカード業(三菱UFJニコス)
  • 海外事業(Morgan Stanley、Krungsri等)

財務規模:

  • 総資産: 約400兆円(2025年3月時点)
  • 時価総額: 約26兆円(2025年11月時点)

日本の金融セクターを代表する企業として、国内外の投資家から注目されています。

3. MUFGのADR株価確認方法とツール

MUFGのADR株価は、複数のツールで確認できます。

(1) 複合チャートでの確認(nikkei225jp.com等)

nikkei225jp.comでは、東証株価、ADR、為替レートを同時に表示する複合チャートを提供しています。

複合チャートの特徴:

  • 東証株価(TPX)
  • PTS株価(夜間取引の株価)
  • ADR円換算(ADR¥): ADRの米ドル価格を円換算した値
  • ADRドル(ADR$): ADRの米ドル価格
  • 為替レート(USDJPY): 米ドル/円

ADR東証比の確認:

ADR円換算価格と東証株価の差額(ADR東証比)を確認できます。

  • ADR東証比がプラス: ADRの方が高い(プレミアム)→ 翌日の東証株価が上昇する可能性
  • ADR東証比がマイナス: ADRの方が安い(ディスカウント)→ 翌日の東証株価が下落する可能性

この情報は、翌日の日本株市場の動向を予測する際に参考になります。

(2) Yahoo Finance、Morningstarでのリアルタイム株価

海外の金融情報サイトでも、MUFGのADR株価を確認できます。

Yahoo Finance:

  1. Yahoo Finance(finance.yahoo.com)にアクセス
  2. 検索ボックスに「MUFG」と入力
  3. 「Mitsubishi UFJ Financial Group, Inc. (MUFG)」のページを開く

提供される情報:

  • リアルタイム株価
  • 決算情報(売上高、利益、EPS等)
  • アナリストの目標株価
  • ニュース

Morningstar:

  1. Morningstar(morningstar.com)にアクセス
  2. 検索ボックスに「MUFG」と入力
  3. 「Mitsubishi UFJ Financial Group Inc ADR (MUFG)」のページを開く

提供される情報:

  • 企業分析とレーティング
  • 財務指標(PER、PBR、ROE等)
  • 配当情報

Morningstarは、財務分析を深めたい投資家におすすめです。

(3) 日本の証券会社サイト(株探、みんかぶ、日経)での確認

日本語のサイトでも、MUFGのADR株価を確認できます。

株探(かぶたん)米国株:

  • 株価、チャート、業績推移
  • PER、PBR、配当利回り等の指標
  • 日足・週足・月足の時系列データ

みんかぶ米国株:

  • 株価予想(個人投資家の予想を集約)
  • アナリストの目標株価
  • 企業情報、決算情報

日本経済新聞:

  • 株価、チャート
  • 最新ニュース、企業分析
  • 決算速報

日本語で情報を確認したい投資家に便利です。

(4) 東証株(8306)との比較表示

ADR株価を確認する際、東証株(8306)との比較も重要です。

比較のポイント:

  • ADRの米ドル価格を為替レートで円換算
  • 東証株価と比較し、価格差を確認
  • 価格差が大きい場合、アービトラージ(裁定取引)の機会がある可能性

nikkei225jp.comの複合チャートでは、この比較が一目で分かるため便利です。

4. ADRと東証株(8306)の違いと価格乖離が生じる理由

ADRと東証株は、同じ企業の証券ですが、いくつかの違いがあります。

(1) 為替レートの影響(米ドル建て vs 円建て)

最も大きな違いは、通貨です。

ADR:

  • 米ドル建てで取引
  • 為替レートの影響を受ける
  • 円安時: ADRの円換算価値が上昇
  • 円高時: ADRの円換算価値が下落

東証株(8306):

  • 円建てで取引
  • 為替レートの影響を直接受けない

例:

ADRの価格が$12、為替レートが1ドル=150円の場合、ADRの円換算価格は1,800円です。

もし為替レートが1ドル=140円に円高になると、ADRの価格が変わらなくても、円換算価格は1,680円に下がります(約6.7%の下落)。

(2) 取引時間差による価格乖離

ADRと東証株は、取引時間が異なります。

取引時間:

東証株(8306):

  • 日本時間: 9:00 - 15:00(前場9:00-11:30、後場12:30-15:00)

ADR(MUFG):

  • 米国時間: 9:30 a.m. - 4:00 p.m. ET(通常取引)
  • 日本時間: 23:30 - 翌朝6:00(標準時間)
  • プレマーケット・アフターマーケットを含めると、ほぼ24時間取引可能

価格乖離の発生:

東証が閉場している夜間に、米国でADRが取引されます。この間に重要なニュース(決算発表、経済指標等)が発表されると、ADRの価格が大きく動きます。

翌日の東証株価は、前日のADRの値動きを反映して始値がつくことが多いと言われています。

(3) ADR東証比(プレミアム/ディスカウント)の見方

ADR東証比は、ADRと東証株の価格差を示す指標です。

計算式:

ADR東証比 = ADR円換算価格 - 東証株価

解釈:

  • ADR東証比がプラス: ADRの方が高い(プレミアム)
    • 米国市場が日本市場より強気
    • 翌日の東証株価が上昇する可能性
  • ADR東証比がマイナス: ADRの方が安い(ディスカウント)
    • 米国市場が日本市場より弱気
    • 翌日の東証株価が下落する可能性

ただし、ADR東証比はあくまで参考情報であり、翌日の株価を確実に予測できるわけではありません。

5. MUFG ADRで投資するメリット・デメリット

MUFG ADRに投資する際のメリット・デメリットを整理しましょう。

(1) メリット:米ドル建て資産の保有、配当利回り2.3%

メリット:

1. 米ドル建て資産として保有:

  • 円安時にADRの円換算価値が上昇
  • 為替ヘッジとしての側面

2. 配当利回り2.3%:

  • 2025年11月時点で配当利回り2.3%
  • 安定した配当が期待できる

3. 夜間取引が可能:

  • プレマーケット・アフターマーケットを含めると、ほぼ24時間取引可能
  • 日本の夜間にも取引できる

4. 日本最大の金融グループに投資:

  • 安定した事業基盤
  • グローバル展開によるリスク分散

(2) デメリット:為替リスク、ADRは預託証券(株式ではない)

デメリット:

1. 為替リスク:

  • 円高進行時にADRの円換算価値が下がる
  • 例: 1ドル=150円→140円で約6.7%の目減り

2. ADRは厳密には株式ではなく預託証券:

  • 経済的権利は株式とほぼ同じだが、法的には異なる
  • 議決権行使の手続きが複雑になる場合がある

3. 東証株との価格乖離:

  • 為替レート・取引時間差により価格が乖離
  • どちらが有利か判断が難しい

4. 税制:

  • 配当には米国で10%源泉徴収 → 日本で20.315%課税
  • 外国税額控除の手続きが必要(確定申告)

(3) 配当の受取方法と税金

配当の受取:

ADRの配当は米ドルで受け取ります。証券会社によっては、自動的に円転(円に交換)されます。

ADRの配当には、米国と日本の両方で税金がかかります。二重課税を調整する外国税額控除という制度もあります。税金の詳細については、税理士や国税庁のウェブサイトをご確認ください。

為替の影響:

配当を円転する際、為替レートの影響を受けます。円高時には、配当の円換算額が減少します。

6. まとめ:MUFG ADR投資を検討する際のポイント

三菱UFJのADRは、日本最大の金融グループに米ドル建てで投資できる貴重な銘柄です。株価はYahoo Finance、Morningstar、複合チャート(nikkei225jp.com)、日本の証券会社サイト(株探、みんかぶ、日経)で確認できます。

この記事の要点:

  • 三菱UFJのADRはNYSEに上場、ティッカーシンボル「MUFG」
  • ADRは米国預託証券(外国企業の株式を米国市場で取引できる証券)
  • 東証株(8306)との価格差は為替レート・取引時間差で発生
  • 配当利回り2.3%、米ドル建て資産として保有可能
  • 為替リスクと取引時間差がデメリット

投資判断のポイント:

  • ADR東証比(プレミアム/ディスカウント)を定期的にチェックする
  • 為替レートの動向を注視する(円高・円安の影響)
  • 配当利回りと税制を理解する(外国税額控除の手続き)
  • 東証株(8306)との比較を行い、どちらが有利か判断する

次のアクション:

  • Yahoo FinanceやMorningstarでMUFGのADR株価を確認する
  • nikkei225jp.comの複合チャートでADR東証比をチェックする
  • 日本の証券会社(SBI証券、楽天証券、マネックス証券等)で米国株取引口座を開設する
  • 為替レートの動向を定期的に確認する習慣をつける

MUFG ADRは、米ドル建て資産として保有でき、配当利回りも魅力的ですが、為替リスクを十分に理解した上で投資判断を行いましょう。投資判断は自己責任で行ってください。

よくある質問

Q1MUFGのADRはどこで買えるか(日本の証券会社での取扱い)?

A1MUFGのADRは、SBI証券、楽天証券、マネックス証券などの日本の主要ネット証券で購入できます。米国株取引口座の開設が必要です。取引手数料は約定代金の0.495%(上限22ドル)が一般的です。口座開設後、ティッカーシンボル「MUFG」で検索し、注文できます。

Q2ADRと東証株(8306)の違いは?

A2ADRはNYSEで取引される米ドル建ての預託証券で、東証株は東京証券取引所で取引される円建ての株式です。経済的権利(配当を受け取る権利、株価変動による利益等)はほぼ同じですが、為替レート、取引時間、税制が異なります。ADRは米ドル建てのため為替リスクがあり、夜間取引(プレマーケット・アフターマーケット)が可能です。

Q3ADRの配当はどう受け取るか(税金・為替の影響)?

A3ADRの配当は米ドルで受け取ります(証券会社によっては自動円転)。米国と日本の両方で税金がかかり、二重課税を調整する外国税額控除という制度もあります。税率や手続きの詳細は、税理士や国税庁のウェブサイトをご確認ください。配当利回りは2.3%(2025年11月時点)です。円転時に為替レートの影響を受けます。

Q4為替リスクの影響はどの程度か?

A4為替リスクは大きな影響を与えます。円高進行時はADRの円換算価値が下がります。例えば、1ドル=150円から140円に円高になると、ADRの価格が変わらなくても円換算価格は約6.7%下落します(1,800円→1,680円)。長期保有の場合は、為替変動リスクを考慮した投資判断が必要です。一方、円安時はADRの円換算価値が上昇するため、為替ヘッジとしての側面もあります。

Q5ADRのメリット・デメリットは?

A5メリットは、①米ドル建て資産として保有でき、円安時に円換算価値が上昇する、②配当利回り2.3%(2025年11月時点)で安定した配当が期待できる、③プレマーケット・アフターマーケット含む夜間取引が可能、④日本最大の金融グループに投資できる。デメリットは、①円高進行時にADRの円換算価値が下がる為替リスク、②ADRは厳密には株式ではなく預託証券、③東証株との価格乖離、④配当の二重課税(外国税額控除の手続きが必要)です。

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Single Stock編集部

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