「NYSE: PG」とは:ティッカーシンボルの基礎知識
米国株の情報を探している時に、「NYSE: PG」や「P&G NYSE」という表記を見かけたことはありませんか。この表記が何を意味するのか、分からない方も多いでしょう。
この記事のポイント:
- 「NYSE: PG」はニューヨーク証券取引所に上場するティッカーシンボル「PG」の企業、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)を指す
- P&Gは生活必需品セクターの大手で、69年連続増配の配当貴族銘柄
- 配当利回り約2.85%で、ディフェンシブ銘柄として長期投資に適している
- 日本の証券会社(SBI、楽天、マネックス等)から1株単位で購入可能
(1) ティッカーシンボル(Ticker Symbol)とは
ティッカーシンボルは、株式市場で企業を識別するための略称です。例えば、Appleは「AAPL」、Microsoftは「MSFT」といった具合に、各企業に固有のコードが割り当てられています。
(2) NYSE(ニューヨーク証券取引所)の特徴
NYSE(New York Stock Exchange)は、ニューヨークに拠点を置く世界最大の証券取引所です。1792年に設立され、230年以上の歴史を持ち、世界中の大企業が上場しています。
(3) 「NYSE: PG」の意味
ティッカーシンボル「PG」は、プロクター・アンド・ギャンブル(Procter & Gamble)に割り当てられています。社名の「Procter」と「Gamble」の頭文字を取って「PG」となっています。
(4) 「P&G NYSE」という表記
「P&G NYSE」や「pg nyse」は、同じくニューヨーク証券取引所に上場しているP&Gを指します。検索エンジンでこれらのキーワードを入力すると、P&Gの株価情報や企業情報が表示されます。
プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の企業概要
(1) 企業の基本情報(設立年、本社、時価総額等)
P&Gは1837年に設立された米国オハイオ州シンシナティに本社を置く生活必需品メーカーです。時価総額は約3,471億ドル(2025年11月時点)で、世界最大級の消費財企業として知られています。
(2) 生活必需品セクター(Consumer Staples)とは
生活必需品セクターは、日用品、食品、飲料など、景気に左右されにくい商品を扱うセクターです。景気が悪化しても消費者はこれらの商品を購入し続けるため、安定した需要が見込めます。
(3) ディフェンシブ銘柄としての特徴
P&Gはディフェンシブ銘柄の代表格です。景気後退時も業績が安定しやすく、株価の変動が市場平均より小さい傾向があります。そのため、リスクを抑えた長期投資に適しています。
P&Gの事業内容とブランドポートフォリオ
(1) 主力製品(洗剤、紙おむつ、トイレットペーパー、シャンプー等)
P&Gの主力製品は、洗剤、紙おむつ、トイレットペーパー、シャンプーなど、日常生活に欠かせない商品です。これらの製品は世界中で販売されており、安定した収益基盤を形成しています。
(2) 日本で馴染み深いブランド(Tide、Pampers、Charmin、Pantene等)
日本でも馴染み深いブランドには、紙おむつの「パンパース(Pampers)」、洗剤の「アリエール」、シャンプーの「パンテーン(Pantene)」、シェービング製品の「ジレット(Gillette)」などがあります。
(3) 20以上のブランドが年間10億ドル超の売上
P&Gは20以上のブランドが年間10億ドル超の売上を達成しており、多様なブランドポートフォリオを持っています。Tide(洗剤)、Pampers(紙おむつ)、Charmin(トイレットペーパー)、Pantene(シャンプー)などが主力です。
(4) 多角化によるリスク分散
多様なブランドと製品カテゴリーを持つことで、特定の製品や市場の低迷リスクを分散しています。これが、P&Gの安定した業績を支える要因の一つです。
配当貴族銘柄としてのP&G:69年連続増配
(1) 配当貴族(Dividend Aristocrat)とは
米国株では、S&P500構成銘柄で25年以上連続増配している企業を「配当貴族(Dividend Aristocrat)」と呼びます。P&Gは69年連続増配中で、代表的な配当貴族銘柄の一つです。
(2) P&Gの配当実績(69年連続増配)
2025年4月、P&Gは四半期配当を$1.0568に引き上げ、69年連続増配を達成しました。この長期にわたる増配実績は、企業の財務健全性と経営陣の株主還元姿勢を示しています。
(3) 配当利回り約2.85%と配当性向約59.5%
2025年11月時点で、P&Gの配当利回りは約2.85%です。配当性向は約59.5%で、純利益の約6割を配当に回している計算です。配当余力は比較的限定的ですが、安定した配当継続が期待できます。
(4) 四半期配当スケジュール(1月・4月・7月・10月)
P&Gは四半期ごとに配当を支払っており、支払い月は1月・4月・7月・10月です。権利落ち日の約1ヶ月後に配当が受け取れます。
日本からP&G株に投資する方法
(1) 証券会社での購入手順(SBI証券、楽天証券、マネックス証券等)
日本の主要証券会社(SBI証券、楽天証券、マネックス証券等)を通じて、P&G株を購入できます。これらの証券会社では、米国株取引に対応しており、オンラインで簡単に注文できます。1株から購入可能です。
(2) 新NISA成長投資枠での投資
新NISAの成長投資枠では、米国株を購入できます。非課税枠を活用することで、配当や売却益にかかる税金を節約できるため、長期保有を前提にした投資に適しています。
(3) 配当課税の仕組み(米国10%、日本20.315%)
米国株の配当には、米国で10%、日本で20.315%の税金が課されます(二重課税)。外国税額控除を利用すれば一部調整可能ですが、確定申告が必要です。
(4) 為替リスクと長期保有の注意点
米国株投資では、為替リスクに注意が必要です。ドル高円安なら為替差益が得られますが、円高になると損失が出る可能性があります。長期保有を前提に、為替変動を分散させることが重要です。
まとめ:P&Gはディフェンシブ高配当株として長期投資に適している
「pg nyse」「p&g nyse」で検索した際に出てくるのは、米国生活必需品大手プロクター・アンド・ギャンブル(ティッカーシンボル: PG)です。69年連続増配の配当貴族銘柄として魅力的ですが、株価は過去1年で約11%下落しており、低成長と高PER(約21倍)で割高感も残ります。
次のアクション:
- P&Gの企業情報や最新決算を確認する
- 自分のリスク許容度と投資目的を明確にする
- 証券会社で口座を開設し、少額から投資を始める
生活必需品セクターのディフェンシブ銘柄として、景気後退時も安定した業績が期待できますが、過去のパフォーマンスは将来を保証するものではありません。投資判断は必ず自己責任で行ってください。
