9984 ADRとは?ソフトバンクグループのADR投資方法を解説

著者: Single Stock編集部公開日: 2025/11/15

ソフトバンクグループを米国市場で買いたいけれど、9984 ADRって何...?

ソフトバンクグループ(証券コード9984)に投資したいと考える投資家の中には、「ADR」という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。「9984 ADR」とは、米国市場で取引されるソフトバンクグループの米国預託証券(American Depositary Receipt)のことですが、東証上場株とどう違うのか、どちらを買うべきか、分かりにくいのが実情です。

この記事では、9984 ADRの基本情報、ADRの仕組み、東証上場株との違い、メリット・デメリット、購入方法を詳しく解説します。

この記事のポイント:

  • 9984 ADRはソフトバンクグループの米国預託証券で、米国OTC Marketsで取引される
  • ADRには非スポンサード型(SFTBY)とスポンサード型(SFTBF)があり、議決権の有無が異なる
  • 東証上場株との違いは、取引市場・取引時間・通貨・議決権の有無
  • 米国株取引口座があれば購入可能だが、証券会社により取扱いが異なる

1. 9984 ADRとは:ソフトバンクグループの米国預託証券

(1) ソフトバンクグループ(9984)の概要

ソフトバンクグループ(証券コード9984)は、通信事業やAI・半導体関連投資(Arm Holdings等)を手がける日本企業です。東京証券取引所プライム市場に上場しており、日本人投資家にとっては身近な銘柄の一つです。

(2) ADR(米国預託証券)とは何か

ADR(American Depositary Receipt)は、米国市場で取引される外国企業の株式です。外国企業の株式を米国の預託銀行が保管し、その株式を裏付けとして発行される証券で、米ドル建てで取引されます。

(3) SFTBY(非スポンサード型)とSFTBF(スポンサード型)

ソフトバンクグループのADRには、SFTBYとSFTBFの2種類があります。SFTBYは非スポンサード型で、預託銀行が管理し、議決権はありません。SFTBFはスポンサード型で、企業が管理しますが、全ての証券会社で取り扱っているわけではありません。

(出典: Benzinga「How to Buy SoftBank (9984) Stock」https://www.benzinga.com/money/how-to-buy-softbank-stock)

2. ADRの仕組み:米国市場で日本株を取引する方法

(1) ADRの発行から取引までの流れ

ADRは、米国の預託銀行が外国企業の株式を保管し、その株式を裏付けとして発行します。投資家はこのADRを米国市場で売買することで、外国企業の株式に投資できます。

(2) 預託銀行の役割

預託銀行は、外国企業の株式を保管し、配当金の支払いやADRの発行・償還を管理します。非スポンサード型の場合、銀行が独自にADRを発行し、企業の関与は限定的です。

(3) 価格連動の仕組み(為替レートと需給)

ADRの価格は、基本的には東証上場株の価格と為替レートに連動しますが、米国市場の需給により価格差が生じることがあります。この価格差から、東京市場開始前の動向を予測する投資家もいます。

3. 東証上場株(9984)とADR(SFTBY)の違い

(1) 取引市場と取引時間の違い

東証上場株(9984)は東京証券取引所で日本時間9:00〜15:00に取引されます。一方、ADR(SFTBY)は米国OTC Marketsで米国時間に取引されるため、日本時間の夜間でも売買可能です。

(2) 議決権の有無

東証上場株は議決権を持ち、株主総会で投票できます。しかし、非スポンサード型ADR(SFTBY)は議決権がないため、企業経営への影響力はありません。

(3) 価格差が生じる理由

為替レートの変動や、米国市場と東京市場の需給バランスの違いにより、価格差が生じることがあります。この価格差は裁定取引により縮小する傾向がありますが、常に一致するわけではありません。

4. ADR投資のメリットとデメリット

(1) メリット:米国市場での取引、夜間の値動き予測

米国株取引口座があれば、米ドルで手軽に購入できます。また、東京市場が閉場している夜間でも取引可能で、翌日の東京市場の値動きを予測する材料にもなります。

(2) デメリット:為替リスク、手数料、議決権なし

米ドル建てのため、円高局面では為替差損が発生します。また、為替手数料や米国株取引手数料がかかります。非スポンサード型ADRは議決権がないため、株主としての権利は制限されます。

(3) どちらを選ぶべきか

米国株取引がメインで、米ドルで資産を保有したい場合はADRが適しています。日本株メインで、議決権を持ちたい場合は東証上場株を選ぶべきでしょう。

5. ADRの購入方法:証券会社の選び方

(1) 米国株取引口座の開設

ADRを購入するには、米国株取引を扱う証券会社で口座を開設する必要があります。SBI証券、楽天証券、マネックス証券などが代表的です。

(2) ADRを取り扱う証券会社の選び方

すべての証券会社がADRを取り扱っているわけではありません。特にSFTBFなどスポンサード型ADRは取扱いが限られるため、事前に証券会社の取扱銘柄を確認しましょう。

(3) 手数料の比較

米国株取引手数料や為替手数料は証券会社により異なります。頻繁に売買する場合は、手数料の低い証券会社を選ぶことでコスト削減が可能です。

(出典: 株基礎「ADR(米国預託証券)とは?」https://kabukiso.com/column/idiom/adr.html)

6. まとめ:9984 ADR投資の注意点

9984 ADRは、ソフトバンクグループを米国市場で取引できる米国預託証券です。東証上場株とは取引市場・通貨・議決権の有無が異なり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

次のアクション:

  • 米国株取引口座を開設し、証券会社でSFTBYの取扱いを確認する
  • 為替リスクと手数料を考慮し、東証上場株とADRのどちらが自分に合うか検討する
  • ソフトバンクグループの最新IR情報や財務データを確認する
  • 投資判断は自己責任で行い、不明点は証券会社に問い合わせる

米国株投資に興味がある方は、ADRの仕組みを理解した上で、自分の投資スタイルに合った選択をしましょう。

よくある質問

Q19984とSFTBYの違いは何ですか?

A19984は東京証券取引所で取引される現物株、SFTBYは米国OTC Marketsで取引されるADR(米国預託証券)です。同じソフトバンクグループ株ですが、取引市場と通貨が異なります。

Q2ADRの配当はどうなりますか?

A2東証上場株と同様に配当を受け取れます。ただし米ドル建てで支払われ、為替手数料がかかる場合があります。

Q3ADRと東証上場株、どちらを買うべきですか?

A3米国株取引がメインなら米ドルでADRを購入、日本株メインなら円で東証上場株を購入するのが一般的です。為替リスクと手数料を考慮して判断しましょう。

Q4すべての証券会社でADRを買えますか?

A4米国株取引を扱う証券会社でも、一部のADR銘柄は取り扱っていない場合があります。事前に証券会社で取扱銘柄を確認してください。

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Single Stock編集部

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