年末年始の米国株投資で知っておくべきこと
年末年始の米国株投資に不安を感じていませんか?「米国市場は休場?」「注文はいつ執行される?」といった疑問を持つ日本人投資家は少なくありません。
米国市場の年末年始スケジュールは日本市場と大きく異なります。日本市場が12月31日から1月5日まで長期休場する一方、米国市場は1月1日のみの休場で、ほぼ通常通り取引が可能です。
この記事では、米国株式市場の年末年始スケジュール、日本時間での取引可能時間、年末年始特有のリスクと対処法について、公式情報源をもとに解説します。
この記事のポイント:
- 米国市場の年末年始休場は1月1日のみ(日本市場は12/31-1/5と大幅に長い)
- 12月24日は短縮取引日で現地時間午後1時終了(日本時間12/25午前3時)
- 年末年始は為替市場の流動性低下により、ドル円レートが急変動しやすい
- 日本の主要ネット証券は年末年始も24時間注文受付可能
- 年内取引の最終決済日を確認し、税務対策が必要な場合は12月24日までに執行
米国市場の年末年始休場日と短縮取引日
(1) 米国市場の年末年始休場は1月1日のみ
NYSE(ニューヨーク証券取引所)とNasdaqは、年末年始は1月1日のみ休場となります。日本市場が12月31日から1月5日まで長期休場するのとは対照的です。
米国市場は年間約10日の祝日で休場しますが、年末年始は比較的短く、1月2日からは通常通り取引が再開されます。
(出典: NYSE: Holidays and Trading Hours)
(2) 12月24日は短縮取引日(現地時間午後1時終了)
12月24日(クリスマス・イブ)は短縮取引日(Early Closure)となり、現地時間午後1時に市場が終了します。
日本時間では、通常の冬時間の場合、12月25日午前3時に取引が終了します。これは通常の終了時刻(日本時間午前6時)より3時間早いため、注文のタイミングに注意が必要です。
(出典: Nasdaq: US Stock Market Holiday Schedule)
(3) 日本市場との休場日の違い
日本市場は12月31日から1月5日まで休場ですが、米国市場はこの期間も1月1日を除いて取引が行われています。つまり、日本市場が休場中でも、米国株の価格は変動し続けているということです。
この違いを理解していないと、「日本市場が休場中だから米国株も動かない」と誤解してしまう可能性があります。
日本時間での取引可能時間と注意点
(1) 通常取引時間(日本時間23:30-翌朝6:00)
米国株の通常取引時間は現地時間9:30 AM - 4:00 PM(東部時間)です。これを日本時間に換算すると、冬時間(11月-3月)では23:30-翌朝6:00となります。
日本人投資家にとっては、夜間から早朝にかけての取引となるため、リアルタイムでの売買は難しい時間帯です。
(出典: サクソバンク証券: 米国株の取引時間と祝日を徹底解説)
(2) サマータイム適用時の取引時間
米国では3月-11月の間、サマータイム(夏時間)が適用されます。この期間は、米国市場の取引時間が日本時間で1時間早まり、22:30-翌朝5:00となります。
年末年始は冬時間のため、23:30-翌朝6:00の取引時間となります。
(3) 短縮取引日の日本時間(12/25午前3時終了)
12月24日の短縮取引日は、現地時間午後1時(通常は午後4時)に終了します。日本時間では12月25日午前3時に取引が終了するため、通常より3時間早く閉場します。
年内の取引を予定している場合は、この短縮取引日のスケジュールを確認しておくことが重要です。
年末年始特有のリスクと対処法
(1) 為替市場の流動性低下による急変動リスク
年末年始は、金融機関や機関投資家が休暇に入るため、為替市場の参加者が減少し、流動性が低下します。その結果、通常時よりもドル円レートが急変動しやすくなります。
米国株投資では、株価の変動だけでなく為替レートの変動も損益に影響するため、年末年始の為替リスクには特に注意が必要です。
(出典: 松井証券: 年末年始の営業時間のお知らせ(2024-2025))
(2) 年末の調整売り(税務対策売り)による相場下落
年末には、個人投資家や機関投資家が利益確定や税務対策のために保有株を売却する動き(Tax-loss Harvesting)が見られます。これにより、年末に相場が下落しやすい傾向があります。
ただし、2024年は米国株が好調でS&P500が25%上昇したこともあり、年末ラリー(Year-end Rally)の動きも見られました。
(出典: BOKF: By the Numbers: 2024 saw substantial stock market gains)
(3) 取引量減少時の指値注文活用
年末年始は取引量が減少するため、成行注文では想定外の価格で約定してしまうリスクがあります。指値注文を活用し、希望価格を明確に指定することで、リスクを管理することができます。
長期投資を前提としている場合は、年末年始の短期的な価格変動を気にしすぎる必要はありませんが、短期売買を予定している場合は注意が必要です。
日本の証券会社別の対応状況
(1) 年末年始の注文受付時間(24時間対応の有無)
主要なネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券など)は、年末年始も24時間注文を受け付けています。米国市場が休場中でも注文を出すことができ、市場が開いた時点で執行されます。
ただし、証券会社によってはシステムメンテナンスのため、一部の時間帯で注文受付を停止する場合があります。
(2) 主要ネット証券の年末年始スケジュール
- 楽天証券: 年末年始も24時間注文受付可能(出典: 楽天証券: 米国市場休場日)
- SMBC日興証券: 年末年始の取引スケジュールを公式サイトで公開(出典: SMBC日興証券: 年末年始のお取引スケジュール)
- マネックス証券: よくある質問ページで年末年始の注意点を案内(出典: マネックス証券: 年末年始によくあるお問合せ)
各証券会社の最新スケジュールは、必ず公式サイトで確認してください。
(3) 年内取引の最終決済日
米国株の決済は取引執行日から2営業日後(T+2)となります。2024年の税務対策として年内に売却損益を確定したい場合、12月24日(短縮取引日)の午後1時(現地時間)までに執行された取引が対象となります。
税務対策が必要な場合は、余裕を持って12月中旬までに売却手続きを完了することをおすすめします。詳細は税理士にご相談ください。
年末年始の米国株投資で押さえるべきポイント
米国市場の年末年始スケジュールは日本市場と大きく異なります。1月1日のみの休場で、ほぼ通常通り取引が可能です。
年末年始の米国株投資で押さえるべきポイント:
- 米国市場の休場日は1月1日のみ
- 12月24日は短縮取引日(日本時間12/25午前3時終了)
- 為替市場の流動性低下により、ドル円レートが急変動しやすい
- 主要ネット証券は年末年始も24時間注文受付可能
- 年内の税務対策が必要な場合は、12月24日までに取引を完了
次のアクション:
- 利用している証券会社の年末年始スケジュールを公式サイトで確認する
- 年内の売却が必要な銘柄があれば、余裕を持って手続きを進める
- 為替リスクを考慮し、長期投資の視点で冷静に判断する
年末年始も米国市場はほぼ通常通り動いています。スケジュールを正しく理解し、計画的に投資を進めましょう。
