BNYメロン米国株式ダイナミック戦略ファンドとは?特徴・手数料・リスクを徹底解説

著者: Single Stock編集部公開日: 2025/11/15

米国株投資を投資信託で始めたいけれど、どのファンドを選べばいいか分からない...

「個別株の銘柄選びは難しい」「プロに運用を任せたい」と考えている日本人投資家の中で、BNYメロン米国株式ダイナミック戦略ファンド(愛称:亜米利加)に関心を持っている方も多いのではないでしょうか。しかし、「ダイナミック戦略とは何か?」「手数料はどれくらいかかるのか?」といった疑問を抱えている方も少なくありません。

この記事では、BNYメロン米国株式ダイナミック戦略ファンドの仕組み、手数料体系、リスク、購入方法を徹底解説します。投資を検討する際の判断材料として、ぜひご活用ください。

この記事のポイント:

  • BNYメロン米国株式ダイナミック戦略ファンドの基本情報と運用会社の特徴が分かる
  • ダイナミック戦略の仕組み(実質組入比率-50%~+150%)を理解できる
  • 手数料体系(購入時手数料、信託報酬、信託財産留保額)を把握できる
  • 為替リスクやデリバティブ型ファンド特有のリスクを知ることができる
  • 楽天証券・SBI証券・マネックス証券での購入方法が分かる

1. BNYメロン米国株式ダイナミック戦略ファンドとは

BNYメロン米国株式ダイナミック戦略ファンドは、米国株式市場への投資を目的とした投資信託です。ファンドコードは85311185、愛称は「亜米利加(アメリカ)」です。

(1) ファンドの基本概要(愛称:亜米利加)

このファンドは、米国製造業株式マザーファンドを通じて、米国の製造業を中心とした株式に投資します。最大の特徴は、株価指数先物と為替先物取引を活用し、実質米国株式組入比率を-50%~+150%の範囲で機動的にコントロールする点です。

ファンド分類は「追加型投信/海外/株式・株価指数先物取引/特殊型(派生商品型)」となっており、通常の株式ファンドとは異なるデリバティブ型のファンドです。

(2) 運用会社BNYメロンの特徴

運用会社であるBNY Mellon Investment Management(BNYメロン・インベストメント・マネジメント)は、米国を代表する資産運用会社の一つです。グローバルに事業を展開し、長年にわたる運用実績を持っています。

2025年の市場見通しでは、米国大型株に強気姿勢を示し、改善する収益、割高でないテクノロジー株、AIによる生産性向上を理由に挙げています。また、固定収入機会が魅力的とされ、3年ぶりの高利回りとFRBの緩和モードにより、債券投資にも注目しています。

2. ダイナミック戦略の仕組み(実質組入比率-50%~+150%)

ダイナミック戦略とは、市場環境に応じて実質的な株式への投資割合を機動的に調整する運用手法です。このファンドの最大の特徴は、デリバティブ(先物取引)を活用することで、通常の株式ファンドでは実現できない柔軟なポジション調整を行う点です。

(1) 株価指数先物と為替先物の活用

このファンドは、現物の米国株式だけでなく、株価指数先物取引を組み合わせることで、実質的な株式組入比率を調整します。例えば、市場が上昇すると予想される場合は先物を買い増し、下落が予想される場合は先物を売却することで、ポートフォリオのリスクを管理します。

また、為替先物取引も活用しますが、基本的には為替ヘッジを原則行わない方針です。これは、為替変動によるリターンも取り込む戦略を取っているためです。

(2) 実質組入比率の調整メカニズム

実質組入比率-50%~+150%という幅は、以下のような意味を持ちます。

  • -50%: 市場下落リスクをヘッジするため、先物を売却してポジションを減らした状態。株価が下落しても損失を抑えることができます。
  • 0%~100%: 通常の株式ファンドに近い状態。市場の動きに連動します。
  • +150%: 市場上昇を見込んで先物を買い増し、レバレッジをかけた状態。株価が上昇すれば大きな利益を得られますが、下落時の損失も拡大します。

この調整は、運用チームが経済指標、企業決算、FRBの金融政策などを分析して判断します。

(3) 予想分配金提示型と通常型の違い

BNYメロン米国株式ダイナミック戦略ファンドには、予想分配金提示型通常型の2つのバージョンがあります。

  • 予想分配金提示型: 事前に分配金の予想額を提示するタイプ。投資家は分配金の受取計画を立てやすくなります。
  • 通常型: 分配金額が決算ごとに決定されるタイプ。市場環境や運用成績に応じて分配金が変動します。

投資家は、自分の資金計画に応じてどちらかを選択できます。

3. 手数料体系と運用コスト

投資信託を選ぶ際、手数料体系は非常に重要なポイントです。BNYメロン米国株式ダイナミック戦略ファンドの手数料は、デリバティブ型のファンドであるため、一般的な株式ファンドよりも高めに設定される傾向があります。

(1) 購入時手数料と信託報酬

購入時手数料は、証券会社によって異なります。楽天証券、SBI証券、マネックス証券など主要ネット証券で取り扱いがありますが、各社の手数料体系を比較することをおすすめします。

信託報酬は、ファンドの運用会社に支払う年間の管理費用です。デリバティブ型のファンドは、先物取引の管理や市場分析にコストがかかるため、インデックスファンドよりも信託報酬が高くなる傾向があります。具体的な信託報酬率は、目論見書で確認してください。

(2) 信託財産留保額とその他コスト

信託財産留保額は、ファンドを解約する際にかかる費用です。この費用は、既存の投資家を保護するために設定されており、解約する投資家が負担します。

その他、ファンドの運用に伴う取引コスト(先物取引の手数料、為替手数料等)も発生します。これらのコストは基準価額に反映されるため、投資家が直接支払うわけではありませんが、運用成績に影響を与えます。

(3) 他の米国株式ファンドとのコスト比較

BNYメロン米国株式ダイナミック戦略ファンドは、アクティブ運用のファンドです。一方、S&P500やナスダック100を対象としたインデックスファンド(例:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500))は、信託報酬が非常に低く設定されています。

アクティブ運用ファンドは、市場平均を上回るリターンを目指す一方、コストが高くなる傾向があります。投資家は、「コストが高くても市場平均を上回るリターンを目指すか」「コストを抑えて市場平均に連動するリターンを得るか」を判断する必要があります。

4. リスクと注意点(為替・デリバティブ)

投資信託には必ずリスクが伴います。BNYメロン米国株式ダイナミック戦略ファンドの主なリスクを理解し、投資判断の参考にしてください。

(1) 為替ヘッジなしのリスク(円高局面での影響)

このファンドは、為替ヘッジを原則行わない方針です。そのため、ドル/円の為替レートが変動すると、基準価額に直接影響します。

例えば、米国株式の価格が上昇しても、円高ドル安が進むと、円建てでのリターンは減少します。逆に、円安ドル高が進めば、株価の上昇に加えて為替差益も得られます。

為替リスクを避けたい投資家には、為替ヘッジありのファンドを検討することをおすすめします。

(2) デリバティブ型のファンド特有のリスク

デリバティブ型のファンドは、先物取引を活用するため、通常の株式ファンドよりも複雑でリスクが高いと言われています。特に、以下の点に注意が必要です。

  • 先物取引の証拠金リスク: 市場が予想と逆方向に動いた場合、追加の証拠金が必要になることがあります。
  • 流動性リスク: 市場環境が急変した場合、先物取引の決済が困難になる可能性があります。
  • カウンターパーティーリスク: 先物取引の相手方が債務不履行に陥るリスクがあります。

これらのリスクは、運用会社が適切に管理していますが、投資家は目論見書でリスク情報を確認することが重要です。

(3) 実質組入比率+150%時の損失拡大リスク

実質組入比率が+150%まで引き上げられた場合、市場が上昇すれば大きな利益を得られますが、市場が下落すると損失も1.5倍に拡大します。

例えば、S&P500が10%下落した場合、実質組入比率+150%のファンドは約15%の損失を被る可能性があります。このようなレバレッジリスクを理解した上で投資することが重要です。

5. 購入方法と証券会社での取り扱い

BNYメロン米国株式ダイナミック戦略ファンドは、主要なネット証券で購入できます。ここでは、楽天証券、SBI証券、マネックス証券での購入手順を解説します。

(1) 楽天証券・SBI証券・マネックス証券での購入手順

楽天証券での購入手順:

  1. 楽天証券の口座を開設(未開設の場合)
  2. ログイン後、「投資信託」メニューから「ファンド検索」を選択
  3. ファンド名「BNYメロン 米国株式 ダイナミック戦略」で検索
  4. ファンド詳細ページで目論見書を確認
  5. 購入金額を入力し、注文を確定

SBI証券での購入手順:

  1. SBI証券の口座を開設(未開設の場合)
  2. ログイン後、「投資信託」メニューから「ファンド検索」を選択
  3. ファンドコード「85311185」または「亜米利加」で検索
  4. ファンド詳細ページで手数料と目論見書を確認
  5. 購入金額を入力し、注文を確定

マネックス証券での購入手順:

  1. マネックス証券の口座を開設(未開設の場合)
  2. ログイン後、「投資信託」メニューから「ファンド検索」を選択
  3. ファンド名で検索し、詳細ページを表示
  4. 目論見書と運用報告書を確認
  5. 購入金額を入力し、注文を確定

いずれの証券会社でも、購入時手数料や最低投資金額が異なる場合があるため、事前に比較することをおすすめします。

(2) 目論見書と運用報告書の確認方法

投資信託を購入する前に、必ず目論見書(もくろみしょ)運用報告書を確認してください。

  • 目論見書: ファンドの運用方針、手数料、リスク情報が記載されています。特に、「投資リスク」「手数料等」のセクションを重点的に確認しましょう。
  • 運用報告書: ファンドの過去の運用実績、組入銘柄、ポートフォリオの内訳が記載されています。運用会社がどのような戦略で運用しているかを理解できます。

これらの資料は、証券会社のファンド詳細ページからPDF形式でダウンロードできます。

6. まとめ:このファンドに向いている人

BNYメロン米国株式ダイナミック戦略ファンドは、米国株式市場への投資を目的としたアクティブ運用のファンドです。ダイナミック戦略により、市場環境に応じて実質組入比率を-50%~+150%の範囲で調整し、柔軟な運用を行います。

この記事のポイント(再確認):

  • ファンドの基本情報と運用会社BNYメロンの特徴を理解した
  • ダイナミック戦略の仕組み(実質組入比率-50%~+150%)を把握した
  • 手数料体系(購入時手数料、信託報酬、信託財産留保額)を確認した
  • 為替リスクやデリバティブ型ファンド特有のリスクを知った
  • 楽天証券・SBI証券・マネックス証券での購入方法を学んだ

このファンドに向いている人:

  • プロによるアクティブ運用で市場平均を上回るリターンを目指したい方
  • 市場環境に応じた柔軟なポジション調整を求める方
  • デリバティブ型のファンドのリスクを理解し、受け入れられる方
  • 為替ヘッジなしでドル建て資産のリターンを取り込みたい方

このファンドに向いていない人:

  • コストを抑えて市場平均に連動するリターンを得たい方(インデックスファンドが適している)
  • 為替リスクを避けたい方(為替ヘッジありのファンドが適している)
  • デリバティブの複雑な仕組みを理解するのが難しいと感じる方

次のアクション:

  • まずは目論見書と運用報告書を確認し、ファンドの詳細を理解する
  • 楽天証券、SBI証券、マネックス証券の手数料を比較する
  • 他の米国株式ファンド(インデックスファンド等)とも比較検討する
  • 少額から投資を始め、ファンドの値動きを確認する

投資信託は元本割れのリスクがあります。投資判断は自己責任で行ってください。この記事は情報提供を目的としており、個別のファンドを推奨するものではありません。必ず最新の目論見書で詳細を確認してください。

よくある質問

Q1実質米国株式組入比率-50%~+150%とは何を意味するのか?

A1デリバティブ(株価指数先物)を活用し、市場環境に応じて実質的な株式への投資割合を機動的に調整する戦略です。-50%はヘッジポジション(市場下落リスクを回避)、+150%はレバレッジポジション(市場上昇時の利益を拡大)を意味します。運用チームが経済指標や企業決算を分析して、最適な組入比率を判断します。

Q2予想分配金提示型と通常型の違いは?

A2予想分配金提示型は事前に分配金の予想額を提示するタイプで、投資家は分配金の受取計画を立てやすくなります。通常型は分配金額が決算ごとに決定されるタイプで、市場環境や運用成績に応じて分配金が変動します。投資家は自分の資金計画に応じてどちらかを選択できます。

Q3為替ヘッジなしのリスクはどの程度か?

A3このファンドは為替ヘッジを原則行わないため、ドル/円の為替レートが変動すると基準価額に直接影響します。例えば、米国株式の価格が上昇しても、円高ドル安が進むと円建てでのリターンは減少します。逆に、円安ドル高が進めば、株価の上昇に加えて為替差益も得られます。為替リスクを避けたい場合は、為替ヘッジありのファンドを検討してください。

Q4信託報酬や手数料はどれくらいかかるのか?

A4デリバティブ型のファンドであるため、インデックスファンドよりも信託報酬が高めに設定される傾向があります。購入時手数料は証券会社によって異なり、信託財産留保額は解約時にかかる費用です。具体的な信託報酬率や手数料は目論見書で必ず確認してください。投資信託を選ぶ際は、コストとリターンのバランスを考慮することが重要です。

Q5どの証券会社で購入できるのか?

A5楽天証券、SBI証券、マネックス証券など主要ネット証券で購入可能です。各証券会社の購入時手数料や最低投資金額は異なるため、事前に比較することをおすすめします。購入前には、各証券会社のファンド詳細ページで目論見書と運用報告書を確認し、ファンドの運用方針やリスクを理解してください。

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Single Stock編集部

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