eMAXIS Slim米国株式(S&P500)とは:特徴・手数料・評判を徹底解説

著者: Single Stock編集部公開日: 2025/11/12

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)とは何か

「新NISAで投資信託を始めたいけれど、どれを選べば良いか分からない...」

つみたて投資を検討している日本人投資家の多くが、ファンド選びに悩んでいます。eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、業界最低水準の信託報酬と純資産総額6兆円超の規模で、新NISA開始後も圧倒的な人気を誇る投資信託です。

この記事では、eMAXIS Slim米国株式の特徴、手数料、メリット・デメリット、購入方法を詳しく解説します。

この記事のポイント:

  • eMAXIS Slim米国株式は信託報酬0.08140%以下(2025年1月から)で業界最低水準
  • 新NISAのつみたて投資枠・成長投資枠の両方で購入可能、最低100円から投資できる
  • S&P500指数に連動し、米国を代表する約500社に分散投資できる
  • 分配金を出さない再投資型のため、複利効果で長期的な資産形成に効率的
  • 投資先が米国のみのため地域分散効果は限定的、為替変動リスクがある

eMAXIS Slim米国株式の特徴と仕組み

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、三菱UFJアセットマネジメントが運用するインデックスファンドです。米国株式市場の動向を示すS&P500指数に連動する運用成果を目指しています。

(1) S&P500指数に連動するインデックスファンド

S&P500指数は、米国を代表する大型株約500銘柄で構成される株価指数です。Apple、Microsoft、Amazon、Googleなど世界的に有名な企業が含まれており、米国株式市場全体の動向を示す重要な指標とされています。

eMAXIS Slim米国株式は、この指数に連動する運用成果を目指すインデックスファンドであり、個別株を選ぶ手間なく米国の主要企業に分散投資できます。

(2) 三菱UFJアセットマネジメントが運用

運用会社は三菱UFJアセットマネジメントです。2025年1月時点で純資産総額は6兆円を超え、日本最大の投資信託となっています。

eMAXISSlim(イーマクシススリム)シリーズは「業界最低水準のコストを追求する」方針を掲げており、信託報酬の引き下げを継続的に実施しています。三菱UFJ eMAXIS Slim米国株式、e maxis slim米国株式などの表記で検索されることもありますが、正式名称は「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」です。

(3) 分配金を出さない再投資型

eMAXIS Slim米国株式は分配金を出さない再投資型のファンドです。運用で得られた配当や利益は自動的に再投資されるため、複利効果により長期的な資産形成に効率的です。

分配金を受け取りたい場合は、ファンドを売却して現金化する必要があります。

eMAXIS Slim米国株式のメリット

eMAXIS Slim米国株式には、以下のようなメリットがあります。

(1) 業界最低水準の信託報酬(2025年1月から0.08140%以下)

eMAXIS Slim米国株式の信託報酬は、2025年1月下旬に0.08140%以下に引き下げられました(従来は0.09240%~0.09372%)。これは業界最低水準のコストであり、長期投資において重要なポイントです。

信託報酬は投資信託の運用・管理にかかる費用で、純資産総額に対して日々差し引かれます。低コストであるほど、投資家の手元に残るリターンが大きくなります。

(2) 新NISAのつみたて投資枠・成長投資枠で購入可能

eMAXIS Slim米国株式は、2024年1月に開始された新NISAの対象商品です。つみたて投資枠(年間120万円)と成長投資枠(年間240万円)の両方で購入可能です。

新NISA口座で購入すれば、運用益や売却益が非課税となるため、税制面で有利に資産形成を進められます。

(3) 最低100円から投資可能

eMAXIS Slim米国株式は、楽天証券、SBI証券、マネックス証券など主要ネット証券で最低100円から積立投資が可能です。購入時手数料は無料(ノーロード)のため、少額から気軽に始められます。

初心者でも無理なく投資を開始でき、ドルコスト平均法による長期的な資産形成に適しています。

(4) 純資産総額6兆円超の安定性

2025年1月時点で純資産総額は6兆円を超え、日本最大の投資信託となっています。純資産総額が大きいファンドは、運用の安定性が高く、償還リスクも低いと言われています。

2024年1月の新NISA開始以降、資金流入が大幅に増加しており(2024年1月は前年比100億円以上増の342.9億円の純流入)、2025年1月時点でも前年を上回るペースで資金流入が続いています。

eMAXIS Slim米国株式のデメリット・注意点

eMAXIS Slim米国株式には、以下のようなデメリットや注意点があります。

(1) 地域分散効果が限定的(米国のみ)

eMAXIS Slim米国株式は投資先が米国株式のみのため、地域分散効果が限定的です。全世界株式ファンド(日本、米国、欧州、新興国など広範囲に分散)と比較すると、米国市場の動向に依存するリスクが高くなります。

リスク最小化を重視する場合は、全世界株式ファンドとの併用も検討すべきでしょう。

(2) 為替ヘッジなしのため為替変動リスクあり

eMAXIS Slim米国株式は原則として為替ヘッジを行いません。そのため、円高局面では米国株価が上昇しても円換算での基準価額が下落する可能性があります。

為替変動は株価変動とは別のリスクとなるため、長期的な視点での投資が推奨されます。

(3) 元本割れのリスク

eMAXIS Slim米国株式は投資信託であり、元本保証はありません。組入銘柄の株価下落、発行体の信用状況悪化、経済情勢の悪化、流動性の低下などにより損失が生じる可能性があります。

投資判断は自己責任で行い、余裕資金で長期投資を心がけましょう。

eMAXIS Slim米国株式の活用方法と購入方法

eMAXIS Slim米国株式を効果的に活用するための方法を解説します。

(1) つみたてNISAでの積立投資

eMAXIS Slim米国株式は、新NISAのつみたて投資枠での積立投資に最適です。年間120万円(月10万円)まで非課税で積立投資ができます。

毎月定額を積み立てることで、ドルコスト平均法により購入単価を平準化でき、長期的な資産形成に効率的です。

(2) 主要ネット証券(楽天証券・SBI証券・マネックス証券)での購入

eMAXIS Slim米国株式は、楽天証券、SBI証券、マネックス証券など主要ネット証券で購入できます。購入時手数料は無料(ノーロード)です。

各証券会社でつみたて設定を行えば、自動的に毎月積立投資が実行されます。楽天証券では楽天ポイント、SBI証券ではPontaポイントやVポイントが貯まる特典もあります。

(3) ドルコスト平均法での長期運用

eMAXIS Slim米国株式は、ドルコスト平均法による長期運用に適しています。毎月定額を積み立てることで、基準価額が高いときは少なく、低いときは多く購入でき、購入単価を平準化できます。

短期的な値動きに一喜一憂せず、10年・20年の長期的な視点で運用を続けることが、資産形成の成功につながります。

まとめ:eMAXIS Slim米国株式を選ぶポイント

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、業界最低水準の信託報酬と純資産総額6兆円超の安定性で、新NISA開始後も圧倒的な人気を誇る投資信託です。

選ぶポイント:

  • 信託報酬0.08140%以下(2025年1月から)の低コスト
  • 新NISAのつみたて投資枠・成長投資枠で購入可能
  • 最低100円から投資できる手軽さ
  • 純資産総額6兆円超の安定性

注意点:

  • 投資先が米国のみのため地域分散効果は限定的
  • 為替ヘッジなしのため為替変動リスクがある
  • 元本割れのリスクがある

次のアクション:

  • 楽天証券、SBI証券、マネックス証券の公式サイトで詳細を確認する
  • 新NISA口座を開設し、つみたて投資枠での積立設定を行う
  • 全世界株式ファンドとの併用も検討する

低コストで手軽に米国株式市場に分散投資できるeMAXIS Slim米国株式で、長期的な資産形成を目指しましょう。

よくある質問

Q1eMAXIS Slim米国株式の信託報酬はいくらですか?

A12025年1月下旬から0.08140%以下に引き下げられました(従来は0.09240%~0.09372%)。業界最低水準のコストを追求しており、長期投資において重要なメリットとなっています。信託報酬は投資信託の運用・管理にかかる費用で、純資産総額に対して日々差し引かれます。

Q2新NISAでeMAXIS Slim米国株式は購入できますか?

A2購入可能です。新NISA(2024年1月開始)のつみたて投資枠(年間120万円)と成長投資枠(年間240万円)の両方で利用できます。最低100円から積立投資ができ、楽天証券、SBI証券、マネックス証券など主要ネット証券で購入時手数料は無料(ノーロード)です。

Q3eMAXIS Slim米国株式と全米株式(VTI連動)の違いは何ですか?

A3S&P500(大型株約500社)と全米株式(約4000社)の違いです。eMAXIS Slim米国株式はS&P500指数に連動し、米国の大型株中心に投資します。一方、全米株式(VTI連動)は中小型株も含む約4000社に分散投資します。どちらも米国株式市場全体への投資ですが、構成銘柄数とリスク水準が異なります。

Q4eMAXIS Slim米国株式は分配金が出ますか?

A4分配金を出さない再投資型のファンドです。運用で得られた配当や利益は自動的に再投資されるため、複利効果により長期的な資産形成に効率的です。分配金を受け取りたい場合は、ファンドを売却して現金化する必要があります。

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Single Stock編集部

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