マイクロン・テクノロジー(NASDAQ: MU)の株価と投資方法を解説
「MUという銘柄をよく見かけるけど、どんな会社なんだろう?」――米国株投資を始めた日本人投資家の中には、ティッカーシンボル「MU」が話題になっているのを目にして、マイクロン・テクノロジーに興味を持った方も多いのではないでしょうか。
マイクロン・テクノロジーは、NASDAQ市場に上場する世界的なメモリ半導体メーカーです。AI需要の拡大により株価が急騰しており、投資家の注目を集めています。
この記事では、マイクロン・テクノロジー(NASDAQ: MU)の基本情報から株価確認方法、日本からの投資方法、投資リスクまで、日本人投資家が知っておくべき情報を詳しく解説します。
この記事のポイント:
- マイクロン・テクノロジー(NASDAQ: MU)はメモリ半導体大手で、DRAM・NAND・HBMを主力製品とする
- 2025年は年初来で191%上昇し、AI需要による成長期待が高い
- 株価はNASDAQ公式サイト、Yahoo Finance、みんかぶ等で確認可能
- 日本の主要証券会社(SBI、楽天、マネックス等)でNISA口座での購入も可能
- 半導体業界のシクリカル特性とAI需要依存リスクに注意が必要
1. マイクロン・テクノロジー(NASDAQ: MU)とは
マイクロン・テクノロジー(Micron Technology, Inc.)は、米国アイダホ州ボイシに本社を置くメモリ半導体メーカーです。ティッカーシンボル「MU」でNASDAQ市場に上場しており、時価総額は約2,650億ドル(2025年11月時点)に達します。
コンピュータやスマートフォン、データセンター向けのメモリ製品を製造しており、特にAI処理に必要な高帯域幅メモリ(HBM)の需要拡大により、2025年は株価が大幅に上昇しました。
2. マイクロン社の企業概要と主力事業
(1) メモリ半導体大手としての位置づけ
マイクロンは、Samsung Electronics、SK Hynixと並ぶ世界三大メモリ半導体メーカーの一つです。DRAM市場では約23%のシェアを持ち、NAND市場でも10%以上のシェアを占めています(2024年時点)。
メモリ半導体は景気循環(シクリカル)の影響を受けやすい業界ですが、AI・データセンター需要の拡大により、従来の景気サイクルとは異なる成長トレンドが期待されています。
(2) 主力製品(DRAM・NAND・HBM)
マイクロンの主力製品は以下の通りです。
- DRAM(Dynamic Random Access Memory): コンピュータの主記憶装置として使われる揮発性メモリ。データセンターやPC向けに需要が高い。
- NAND: フラッシュメモリの一種で、SSDやUSBメモリに使用される不揮発性メモリ。データストレージ市場で広く使われている。
- HBM(High-Bandwidth Memory): AI処理に必要な高速・大容量メモリ。2025年まで完売しており、今後の成長ドライバーとして期待されている。
(3) AI需要による成長期待
マイクロンのHBMは、NvidiaのAI向けGPUに搭載されるなど、AI市場での需要が急拡大しています。HBM市場は2025年の300億ドルから2030年には1,000億ドルに成長すると予測されており(出典: NASDAQ)、マイクロンの成長を支える重要な要素となっています。
2025年度の売上は前年比47%増の369億ドル、2026年度はさらに34%増の494億ドルと予想されており(出典: NASDAQ)、アナリストの多くが強気の見方を示しています。
3. MU株の株価情報を確認する方法
(1) NASDAQ公式サイトでの確認方法
NASDAQ公式サイト(https://www.nasdaq.com/market-activity/stocks/mu)では、リアルタイムの株価、52週レンジ、時価総額、PER(株価収益率)などの基本データを確認できます。
2025年11月14日時点では、株価は約247ドル、52週レンジは61.54~257.07ドル、PERは32.52倍でした(出典: NASDAQ)。
(2) Yahoo Financeでの確認方法
Yahoo Finance(https://finance.yahoo.com/quote/MU/)は、無料で詳細な株価情報を提供しています。株価チャート、アナリスト評価、決算情報、財務データなど、投資判断に必要な情報を網羅的に確認できます。
(3) 日本の投資情報サイト(みんかぶ、株探等)
日本語で情報を確認したい場合は、以下のサイトが便利です。
- みんかぶ(米国株)(https://us.minkabu.jp/stocks/MU): アナリスト評価、目標株価、AI診断などを日本語で提供
- 株探(米国)(https://us.kabutan.jp/stocks/MU): 決算情報、EPS予想、売上予想を確認可能
- 日経会社情報DIGITAL(https://www.nikkei.com/nkd/company/us/MU/): 日本経済新聞による企業分析と最新ニュース
これらのサイトは日本の投資家向けに情報を整理しており、英語が苦手な方でも安心して利用できます。
4. 日本からマイクロン株に投資する方法
(1) 米国株取扱い証券会社の選び方
日本からマイクロン株に投資するには、米国株を取り扱う証券会社の口座が必要です。主要な選択肢は以下の通りです。
- SBI証券: 米国株取扱銘柄数が最多(5,000銘柄以上)、手数料は約定代金の0.495%(上限22ドル)
- 楽天証券: 楽天ポイントが貯まり、取引ツールが使いやすい。手数料はSBI証券と同水準。
- マネックス証券: 米国株の情報量が豊富で、分析ツールが充実。手数料は同水準。
どの証券会社も信頼性が高く、サービス内容も似ているため、自分の投資スタイルや既存の口座状況に応じて選ぶと良いでしょう。
(2) NISA口座での購入可否
マイクロン株は、NISA口座での購入が可能です。NISA口座で購入すれば、売却益や配当が非課税となります。
ただし、米国株の配当には米国で10%の源泉徴収がされるため、この分は非課税にできません(外国税額控除の対象にもなりません)。それでも、売却益が非課税になるメリットは大きいと言えます。
(3) 購入時の為替手数料・売買手数料
米国株投資では、以下の手数料が発生します。
- 為替手数料: 円をドルに換える際に発生。主要証券会社では片道25銭程度。
- 売買手数料: 約定代金の0.495%程度(上限22ドル)が一般的。
- その他: 口座管理料は主要証券会社では無料。
例えば、10万円分のMU株を購入する場合、為替手数料が約250円、売買手数料が約500円(為替レートを1ドル=100円と仮定)かかります。
5. マイクロン株の投資リスクと注意点
(1) 半導体業界のシクリカル(景気循環)特性
半導体業界は景気循環の影響を受けやすく、需要が過熱すると在庫が積み上がり、価格下落と業績悪化につながることがあります。過去にもDRAM価格の急落により、マイクロンの株価が大きく下落した時期がありました。
AI需要により従来とは異なる成長トレンドが期待されていますが、需要減速のリスクは常に考慮すべきです。
(2) AI需要への依存リスク
マイクロンの成長はAI需要に大きく依存しています。HBM市場は急拡大していますが、AI投資が減速したり、競合(SamsungやSK Hynix)が市場シェアを奪ったりすれば、成長が鈍化する可能性があります。
また、顧客集中リスクも存在します。Nvidia向けのHBM供給が大きな比重を占めるため、Nvidiaの業績や発注状況がマイクロンに与える影響は小さくありません。
(3) アナリスト評価の分散(目標株価の幅)
マイクロン株のアナリスト評価は、目標株価が86ドルから325ドルまで大きく分かれています(出典: TipRanks)。Morgan Stanleyは2026年のトップピックに選定し目標株価を325ドルに引き上げた一方、AI診断では「売り」判定(理論株価169ドル)が出るなど、評価が分かれています。
これは、AI需要の持続性や競合との競争、バリュエーション(割高・割安)に対する見方が分かれているためです。投資判断は慎重に行う必要があります。
6. まとめ:マイクロン株投資の判断ポイント
マイクロン・テクノロジー(NASDAQ: MU)は、AI需要拡大を背景に注目を集めるメモリ半導体大手です。2025年は年初来で191%上昇し、アナリストの多くが「買い」評価を与えています。
投資判断のポイント:
- HBM市場の成長見通しとマイクロンのシェア拡大余地を確認する
- 半導体業界のシクリカル特性を理解し、需要減速リスクを考慮する
- アナリスト評価が分かれているため、複数の情報源を参照する
- バリュエーション(PER 32倍前後)が割高かどうかを判断する
次のアクション:
- NASDAQ公式サイトやYahoo Financeで最新の株価と決算情報を確認する
- 証券会社の米国株口座を開設し、NISA口座での購入を検討する
- 少額から始めて、マイクロンの業績動向や市場環境を観察する
マイクロン株は成長期待が高い一方で、リスクも無視できません。情報収集を怠らず、自分の投資方針に合った判断を心がけましょう。
※本記事は2025年11月時点の情報を基に作成しています。最新のデータや税制は国税庁や証券会社の公式サイトでご確認ください。投資判断は自己責任でお願いします。
