NASDAQ QQQとは?NASDAQ-100指数連動ETFの特徴と投資方法

著者: Single Stock編集部公開日: 2025/11/14

米国ハイテク株に分散投資したいニーズ

米国ハイテク株に投資したいと考えている日本人投資家は多いものの、「Apple、Microsoft、Nvidiaなど、どの銘柄を選べばいいのか分からない」「個別銘柄を複数買うのは資金的に厳しい」という悩みを抱えていませんか。

この記事のポイント:

  • NASDAQ QQQはナスダック100指数に連動するETFで、米国ハイテク株100社に分散投資できる
  • 構成銘柄のトップはNvidia、Apple、Microsoft等で、テクノロジー株が約57%を占める
  • 日本からは米国上場QQQ、東証上場ETF、投資信託など複数の投資方法がある
  • 過去10年でS&P500を大幅にアウトパフォームしているが、ボラティリティも高い

NASDAQ QQQとは:ナスダック100指数連動ETF

(1) ナスダック100指数とは

ナスダック100指数は、ナスダック市場に上場する金融株を除く時価総額上位100社で構成される株価指数です。ハイテク企業を中心に構成されており、米国のテクノロジー・グロース株のパフォーマンスを測る指標として広く利用されています。

(2) QQQの基本情報(経費率、純資産総額等)

QQQ(Invesco QQQ Trust)は、ナスダック100指数に連動するETF(上場投資信託)です。1999年3月10日に設定され、ETFとしては世界で5番目の純資産総額(約4,041億ドル)を誇ります。経費率は0.20%と低コストで、米国で2番目に取引量が多いETFです。

(3) ナスダック総合指数との違い

ナスダック総合指数は約3,000銘柄を含む広範な指数ですが、ナスダック100指数は金融株を除く時価総額上位100社に限定されています。QQQはナスダック100指数に連動するため、より選別された大型ハイテク株に集中投資する形になります。

(4) QQQM(廉価版QQQ)との違い

QQQM(Invesco NASDAQ 100 ETF)はQQQの廉価版で、同じナスダック100指数に連動しますが、経費率がより低く設定されています。長期投資ではQQQMの方がコスト面で有利ですが、QQQの方が流動性が高く、売買がスムーズです。

QQQの構成銘柄と特徴

(1) トップ構成銘柄(Nvidia、Apple、Microsoft等)

2024年12月時点で、QQQのトップ3銘柄はNvidia、Apple、Microsoftで、この3社だけで全体の約1/4以上を占めています。これらの企業の業績が、QQQ全体のパフォーマンスに大きな影響を与えます。

(2) セクター別構成比率(テクノロジー57%等)

QQQの構成銘柄は、テクノロジー株が約57%を占めており、次いで消費者サービス、ヘルスケアと続きます。セクター集中度が高いため、テクノロジー業界の動向に大きく左右される点が特徴です。

(3) 配当利回りと経費率

QQQの配当利回りは低めで、成長株中心の構成のため配当よりもキャピタルゲインを狙う投資対象と言えます。経費率0.20%は米国ETFとしては標準的で、長期保有でもコスト負担は軽いです。

(4) 過去10年のパフォーマンス(2024-2025年含む)

過去10年でQQQはS&P500を大幅にアウトパフォームしています(QQQ: 396%、S&P500: 220%)。2024年のトータルリターンは25.58%、2025年は年初来で19.72%上昇(2025年11月時点)しており、高パフォーマンスが続いています。

日本からQQQに投資する方法

(1) 米国上場QQQを直接購入する方法

日本の主要証券会社(SBI証券、楽天証券、マネックス証券等)を通じて、米国上場のQQQを直接購入できます。経費率0.20%で流動性が高い一方、為替手数料がかかり、税務処理がやや複雑です。

(2) 東証上場のナスダック100連動ETF(2568、2569等)

東証に上場しているナスダック100連動ETF(ティッカー2568、2569等)は、円建てで取引でき、税務処理が簡単です。経費率は米国上場QQQよりやや高めですが、初心者には扱いやすい選択肢です。

(3) 投資信託(ニッセイNASDAQ100、楽天プラス等)

新NISAの成長投資枠でナスダック100に投資する場合、ニッセイNASDAQ100インデックスファンド、楽天・NASDAQ-100インデックス・ファンド等の投資信託が選択肢となります。積立投資に適しており、税制面でも有利です。

(4) 新NISAでの投資方法

新NISAの成長投資枠では、米国上場QQQや東証上場ETF、投資信託いずれも投資可能です。非課税メリットを最大限活かすため、長期保有を前提にした投資戦略を立てましょう。

QQQのリスクとS&P500との比較

(1) セクター集中リスク(テクノロジー株57%)

QQQはテクノロジー株が57%を占めるため、セクター集中リスクが高いです。テクノロジー業界全体が不調な時期には、S&P500よりも大きな下落を経験する可能性があります。

(2) ボラティリティの高さ(下落時の損失も大きい)

QQQは高リターンを狙える一方、ボラティリティ(価格変動の大きさ)も高く、下落局面ではS&P500より損失が大きくなる傾向があります。リスク許容度を確認した上で投資することが重要です。

(3) QQQ vs S&P500(過去10年のパフォーマンス比較)

過去10年でQQQはS&P500を上回るリターンを記録していますが、2022年のハイテク株調整局面ではQQQの下落率がS&P500を上回りました。高リターンと高リスクはセットであることを認識しましょう。

(4) 初心者へのアドバイス(S&P500優先、QQQは分散投資の一部)

投資初心者や少数の個別株しか持たない投資家は、まずS&P500インデックスファンドで幅広く分散投資し、その上でQQQを分散投資の一部として追加するのが賢明です。

まとめ:QQQは分散投資の一部として検討を

NASDAQ QQQは、米国ハイテク株100社に分散投資できる魅力的なETFです。過去10年で高いパフォーマンスを記録していますが、セクター集中リスクとボラティリティの高さも認識しておく必要があります。

次のアクション:

  • まずはS&P500インデックスファンドで分散投資の基盤を築く
  • QQQは分散投資の一部として、リスク許容度に応じて追加を検討する
  • 新NISAの成長投資枠を活用して、長期保有を前提に投資する

過去のパフォーマンスは将来を保証するものではなく、投資判断は必ず自己責任で行ってください。

よくある質問

Q1ナスダック100指数とQQQ ETFの違いは何ですか?

A1ナスダック100指数は株価指数(計算上の数値)で、QQQはその指数に連動するETF(実際に売買できる金融商品)です。QQQを買えばナスダック100指数のパフォーマンスを追うことができます。

Q2米国上場のQQQと東証上場のナスダック100連動ETF、どちらを選ぶべきですか?

A2米国上場QQQは経費率0.20%で流動性が高いですが、為替手数料がかかります。東証上場ETFは円建てで税務処理が簡単ですが、経費率がやや高めです。初心者は税務面で有利な東証上場ETFが無難です。

Q3QQQとS&P500連動ETF、どちらに投資すべきですか?

A3初心者や少数の個別株しか持たない投資家はS&P500インデックスファンドを優先すべきです。QQQは過去10年でS&P500をアウトパフォームしていますが、ボラティリティも高いため、分散投資の一部として検討するのが賢明です。

Q4QQQのリスクは何ですか?

A4テクノロジー株が57%、トップ3社(Nvidia、Apple、Microsoft)が全体の約1/4以上を占めるため、セクター集中リスクと特定企業依存リスクが高いです。下落局面ではS&P500より大きな損失が出る可能性があります。

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Single Stock編集部

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