NYSE DELL銘柄の基礎知識 - 企業情報の調べ方と投資判断

著者: Single Stock編集部公開日: 2025/11/17

NYSE DELL(Dell Technologies)とは?企業概要と事業内容

「NYSE DELL」で検索している方は、おそらくニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場している「DELL」というティッカーコードの銘柄情報を探しているのではないでしょうか。

Dell Technologies Inc.(ティッカー:DELL)は、世界的なIT企業として知られ、PC・サーバー・ストレージなどのハードウェアを提供しています。特に近年は、AI最適化サーバー事業が急成長しており、2025年度に約100億ドル、2026年度には150億ドルの売上が見込まれています。

この記事では、NYSE DELL株の基本情報、事業内容、株価動向、配当、日本からの投資方法を詳しく解説します。

この記事のポイント:

  • Dell Technologiesは世界トップのAIインフラプロバイダーで、AI最適化サーバー事業が急成長
  • 株価$134.30、P/E Ratio 17.98倍、時価総額904.3億ドルの大型株
  • 配当利回り1.89%(年間$2.10)で、2025年に18%増配を実施
  • 2025年度に営業利益62億ドル(15%増)、希薄化後EPS $6.38(39%増)を達成
  • 日本の主要証券会社(SBI証券、楽天証券、マネックス証券)で1株から購入可能

(1) Dell Technologies Inc.の基本情報

Dell Technologies Inc.(ティッカー:DELL)は、1984年にマイケル・デルによって設立された米国のIT企業です。本社はテキサス州ラウンドロックにあり、2018年12月28日にニューヨーク証券取引所(NYSE)で取引を開始しました。

Dellは、PC・ワークステーション・サーバー・ストレージ・ネットワーキング製品を提供し、企業向けIT市場で高いシェアを持っています。特にAI最適化サーバー市場では、世界トップのプロバイダーとして注目されています。

(2) ISG(インフラ)とCSG(クライアント)の2事業セグメント

Dell Technologiesの事業は、以下の2つのセグメントで構成されています:

1. Infrastructure Solutions Group (ISG):

  • サーバー・ストレージ・ネットワーキング製品の提供
  • AI最適化サーバー事業が急成長中
  • データセンター向けのハイエンド製品を中心に展開
  • 2025年度にAI最適化サーバー約100億ドルを販売

2. Client Solutions Group (CSG):

  • PC・ワークステーション・周辺機器の提供
  • 法人向けPCが中心で、個人向けも展開
  • ビジネスモデルの変革により、サブスクリプション型サービスも拡大

これらの事業セグメント別の業績を確認することで、Dellの成長ドライバーを深く理解できます。

(3) 世界トップのAIインフラプロバイダー

Dell Technologiesは、AI最適化ハードウェアの需要が供給を大幅に上回る中、世界トップのAIインフラプロバイダーとしての地位を確立しています。

2025年には、58億ドルのAIサーバー契約を新たに獲得し、AI市場の成長を牽引しています。AI最適化サーバーは、機械学習・深層学習に特化したハードウェアで、企業のAI導入を支えています。

Dell株の基本情報(株価・時価総額・財務指標)

Dell株への投資を検討する際、まず把握すべき基本情報を確認しましょう。

(1) 現在株価$134.30、時価総額904.3億ドル

2025年11月時点で、Dell株の株価は約134.30ドルです。時価総額は約904.3億ドル(約12.7兆円、為替レート140円/ドル換算)で、米国大型株の一つとして位置づけられています。

1株から購入可能なため、約19,000円(株価$134.30 × 為替レート140円/ドル)から投資できます。

(2) P/E Ratio 17.98倍の意味と評価

P/E Ratio(株価収益率)は、株価が1株あたり利益の何倍かを示す指標です。Dell株の場合、17.98倍とされています。

この数値は、同業他社(HP、Lenovo、Supermicro等)と比較して、適正範囲内かどうかを判断する材料となります。一般的に、P/E Ratioが低ければ割安、高ければ割高と評価されますが、成長性や収益性も含めて総合的に評価することが重要です。

Dellの17.98倍は、AI市場の成長期待を織り込んだ水準と考えられます。

(3) 52週レンジ$66.25-$168.08、1年トータルリターン3.44%

Dell株の過去1年間の株価推移は以下の通りです:

過去1年間の株価推移:

  • 52週レンジ: $66.25-$168.08
  • 最高値$168.08(2024年5月に記録)
  • 現在株価$134.30は最高値から-20.1%下落
  • 1年トータルリターン: 3.44%

この範囲を見ると、株価が2倍以上に上昇した後、調整局面に入っていることが分かります。高値圏での購入は調整リスクがあるため、決算発表後の株価動向を確認してから投資判断することが賢明です。

2025-2026年度の業績とAI事業の成長

Dell Technologiesは、AI事業の急成長により、記録的な業績を達成しています。

(1) 2025年度:営業利益62億ドル(15%増)、希薄化後EPS $6.38(39%増)

2025年度(2024年2月-2025年1月)の業績は以下の通りです:

主要指標:

  • 営業利益: 62億ドル(前年比15%増)
  • 希薄化後EPS: $6.38(前年比39%増)
  • 売上高: 記録的な水準を達成

これらの数値は、AI最適化サーバー事業の好調と、CSG事業の回復を反映しています。希薄化後EPSが39%増と大幅に伸びているのは、収益性の改善と自社株買いの効果によるものです。

(2) AI最適化サーバー事業:2025年度約100億ドル、2026年度予想150億ドル

Dellの最大の成長ドライバーは、AI最適化サーバー事業です。

AI事業の規模:

  • 2025年度: 約100億ドルの売上
  • 2026年度予想: 150億ドルの売上(50%成長)
  • 58億ドルの新規契約: 2025年に獲得

AI最適化サーバーの需要は供給を大幅に上回っており、競合他社(HP、Lenovo、Supermicro等)も市場シェア拡大を狙っています。Dellは、世界トップのAIインフラプロバイダーとしての地位を維持できるかが、今後の成長の鍵となります。

(3) 2026年度ガイダンス:売上8%成長、希薄化後EPS 23%成長

Dell Technologiesは、2026年度(2025年2月-2026年1月)の業績ガイダンスを発表しました:

2026年度ガイダンス:

  • 売上高: 前年比8%成長
  • 希薄化後EPS: 前年比23%成長
  • AI事業: 150億ドル規模に拡大

このガイダンスは、AI市場の継続的な成長と、CSG事業の安定化を見込んだものです。ただし、企業向けIT投資は景気サイクルに左右されやすく、景気後退時にはPC・サーバーの需要が急減するリスクもあります。

配当と株主還元策(配当利回り1.89%・自社株買い100億ドル)

Dell Technologiesは、配当と自社株買いの両方で株主還元を強化しています。

(1) 配当:年間$2.10(四半期$0.45)、2025年に18%増配

Dell株の配当情報は以下の通りです:

配当情報:

  • 配当利回り: 1.89%
  • 年間配当: $2.10
  • 四半期配当: $0.45(1月・4月・7月・10月に支払い)
  • 増配率: 2025年に18%増配を実施

配当利回り1.89%は高配当株ではありませんが、安定した配当があるため、インカムゲインと株価成長の両方を狙える投資戦略が可能です。

(2) 100億ドルの自社株買い承認

Dell Technologiesは、2025年に100億ドルの自社株買いを承認しました。

自社株買いの効果:

  • 発行済株式数の減少により、EPS(1株あたり利益)が向上
  • 株主還元策の強化により、株価の下支え効果
  • 配当と自社株買いの両方で、株主に利益を還元

自社株買いは、企業が自社株を市場から買い戻すことで、1株あたりの価値を高める株主還元策の一つです。Dellは、2025年度に希薄化後EPSが39%増となりましたが、この一因として自社株買いの効果があります。

(3) インカムゲインと株価成長の両方を狙える投資戦略

Dell株は、配当利回り1.89%とAI事業の成長による株価上昇の両方を狙える銘柄です。

投資戦略の例:

  • 配当再投資: 四半期配当を再投資し、複利効果で資産を拡大
  • 長期保有: AI市場の成長を見据え、長期的な株価上昇を期待
  • リバランス: 株価が高値圏に達したら一部売却し、リスク管理

配当があるため、株価下落時のクッションとして機能しますが、配当利回り1.89%は限定的です。株価変動リスクを認識し、余裕資金で投資することが重要です。

日本からNYSE DELL株を買う方法と主要証券会社

日本の投資家も、主要証券会社を通じてDell株を購入できます。

(1) SBI証券・楽天証券・マネックス証券での購入方法

以下の証券会社で、ティッカーコード「DELL」を検索すれば、Dell株の取引が可能です:

SBI証券:

  • 米国株取扱銘柄数が豊富(5,000銘柄以上)
  • 銘柄検索ツールでティッカーコード「DELL」を入力
  • 取引手数料: 約定代金の0.495%(最低0ドル、上限22ドル)

楽天証券:

  • 楽天ポイントが貯まる・使える
  • 取引ツール「iSPEED」で米国株取引可能
  • 取引手数料: 約定代金の0.495%(最低0ドル、上限22ドル)

マネックス証券:

  • 米国株情報が充実
  • 銘柄スカウター米国株で企業分析可能
  • 取引手数料: 約定代金の0.495%(最低0ドル、上限22ドル)

(2) ティッカーコード「DELL」で1株から購入可能

米国株は1株から購入できるため、Dell株なら約19,000円から投資可能です(株価$134.30 × 為替レート140円/ドル)。

主なコスト:

  • 取引手数料: 約定代金の約0.495%(主要証券会社)
  • 為替手数料: 片道20-25銭程度(日本円→米ドル両替時)
  • SEC Fee: 売却時に米国証券取引委員会手数料が発生

証券会社により手数料体系が異なるため、口座開設前に各社の手数料を比較することをおすすめします。

(3) 米国株取引口座の開設と取引手数料

米国株を取引するには、まず米国株取引口座を開設する必要があります。

手順:

  1. 証券会社で米国株取引口座を開設(本人確認書類・マイナンバーカード等が必要)
  2. 日本円を米ドルに両替(為替手数料が発生)
  3. ティッカーコード「DELL」で銘柄を検索
  4. 購入株数・価格を指定して注文
  5. 約定後、米国株が口座に反映される

特定口座(源泉徴収あり)を選べば、税金の計算が自動で行われ、確定申告が原則不要になります(一定条件下)。

まとめ:DELL株への投資を検討する前に

NYSE DELL(Dell Technologies Inc.)は、世界トップのAIインフラプロバイダーとして、AI最適化サーバー事業が急成長している米国のIT企業です。

投資判断のポイント:

  • 株価$134.30、P/E Ratio 17.98倍、時価総額904.3億ドルの大型株
  • 2025年度に営業利益62億ドル(15%増)、希薄化後EPS $6.38(39%増)を達成
  • AI最適化サーバー事業が2025年度約100億ドル、2026年度予想150億ドルに成長
  • 配当利回り1.89%(年間$2.10)で、2025年に18%増配、100億ドルの自社株買いを承認
  • アナリスト20人が買い推奨(売り推奨0)、平均目標株価$164で現在価格から22.5%上昇余地

リスク:

  • AI最適化サーバー市場の競争激化(HP、Lenovo、Supermicro等)
  • 企業向けIT投資は景気サイクルに左右されやすく、景気後退時に需要急減のリスク
  • 株価は2024年5月に史上最高値$179.70を記録したが、現在は$133.76(-25.6%下落)、高値圏での購入は調整リスクがある

次のアクション:

  • 証券会社の口座を開設し、銘柄検索ツールでティッカーコード「DELL」を検索
  • Dell Technologies公式IR(investors.delltechnologies.com)で最新の決算資料を確認
  • Yahoo!ファイナンスやみんかぶで株価チャート・アナリスト評価をチェック
  • リスク許容度を確認し、余裕資金の範囲で投資を検討

Dell株は、配当と株価成長の両方を狙える銘柄として注目されています。ただし、AI市場の競争激化や景気サイクルの影響を受けるため、決算発表ごとに業績成長を確認することが重要です。投資判断は必ず自己責任で行ってください。

※この記事の情報は執筆時点(2025年11月)のものです。株価や企業情報は変化する可能性があるため、最新情報は証券会社や企業の公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q1Dell(DELL)は配当を支払うか?

A1はい、Dell Technologiesは配当を支払っています。配当利回りは1.89%で、年間$2.10を四半期$0.45で支払います(1月・4月・7月・10月)。2025年には配当を18%増額し、株主還元を強化しています。配当は安定していますが、配当利回り1.89%は高配当株ではないため、配当と株価成長の両方を狙う投資スタイルが適切です。

Q2DellのAI事業はどのくらいの規模か?

A2Dell TechnologiesのAI最適化サーバー事業は、2025年度に約100億ドルの売上を達成し、2026年度には150億ドルに成長すると予想されています。2025年には58億ドルのAIサーバー契約を新たに獲得しており、AI最適化ハードウェアの需要が供給を大幅に上回っています。世界トップのAIインフラプロバイダーとして、AI市場の成長が業績を牽引しています。

Q3アナリストのDELL株評価は?

A320人のアナリストが買い推奨を出しており、売り推奨は0です。平均目標株価は$164で、現在価格から22.5%の上昇余地があると予想されています。AI事業の成長と株主還元策の強化が評価されていますが、競争激化や景気サイクルのリスクも認識されています。アナリストの評価は将来の株価を保証するものではなく、あくまで参考情報として活用してください。

Q4DELL株のリスクは何か?

A4主なリスクは3つです。1つ目は、AI最適化サーバー市場の競争激化(HP、Lenovo、Supermicro等)により、利益率が低下する可能性があること。2つ目は、企業向けIT投資が景気サイクルに左右されやすく、景気後退時にPC・サーバー需要が急減すること。3つ目は、株価が2024年5月に史上最高値$179.70を記録したが、現在は$133.76(-25.6%下落)しており、高値圏での購入は調整リスクがあることです。

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Single Stock編集部

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