NYSE PMとは?フィリップモリス株の基本情報を知りたい
「NYSE PM」と検索している方の多くは、フィリップモリス・インターナショナル(Philip Morris International Inc.)への投資を検討されているのではないでしょうか。高配当株として注目されるPM株ですが、「どこで買えるのか」「配当利回りは実際どのくらいか」「リスクはないのか」といった疑問をお持ちの方も多いはずです。
この記事では、NYSE上場のフィリップモリス株(ティッカー:PM)の基本情報、事業内容、配当利回り、日本からの投資方法、そしてメリット・リスクまで、日本人投資家の視点から詳しく解説します。
この記事のポイント:
- PMはPhilip Morris Internationalのティッカーで、世界最大級のタバコ企業
- 配当利回り5.4%(年間配当$5.88)と高配当が魅力
- 無煙製品(IQOS、ZYN)への転換が進行中で、売上の38%を占める
- 日本の証券会社(SBI証券、楽天証券等)で購入可能、NISA口座にも対応
- 配当性向100%超の減配リスクや規制強化に注意が必要
NYSE PMとは?フィリップモリス株の基本情報
(1) PMはフィリップモリス・インターナショナルのティッカーシンボル
「PM」は、フィリップモリス・インターナショナル(Philip Morris International Inc.)のNYSE(ニューヨーク証券取引所)でのティッカーシンボルです。世界最大級のタバコ企業で、180以上の国・地域でタバコ製品を販売しています。
2025年11月時点の株価は$154~157のレンジで取引されており、52週レンジは$116.12~$186.69です(出典:Yahoo Finance)。時価総額は約$2,400億で、S&P500構成銘柄にも含まれています。
(2) NYSE上場企業としての基本データ
フィリップモリス・インターナショナルは2008年にアルトリア・グループ(Altria Group)からスピンオフして設立されました。本社はニューヨーク州に置き、世界中で約7万人の従業員を抱えています。
NYSEでの取引時間は、米国東部時間の午前9:30~午後4:00(日本時間では夏時間で22:30~翌5:00、冬時間で23:30~翌6:00)です。日本の証券会社を通じて取引する場合、リアルタイム取引または翌営業日の成行注文が可能です。
フィリップモリスの事業内容と無煙製品への転換
(1) 主要ブランド(Marlboro、IQOS、ZYN)
フィリップモリスの主力ブランドは以下の通りです:
- Marlboro(マルボロ):世界で最も知られているタバコブランド。従来型の紙巻きタバコとして長年トップシェアを維持
- IQOS(アイコス):加熱式タバコ製品。タバコ葉を燃やさずに加熱して蒸気を発生させる
- ZYN(ジン):ニコチンパウチ製品。タバコ葉を含まない口腔用ニコチン製品で、米国を中心に急成長中
(2) 無煙製品が売上の38%に到達した転換戦略
フィリップモリスは「煙のない未来(Smoke-Free Future)」をビジョンに掲げ、従来型のタバコから無煙製品への転換を進めています。2025年時点で、無煙製品の売上が総売上の38%に達しており、今後も比率の拡大が見込まれています(出典:Ad Hoc News)。
この転換戦略は、世界的なタバコ規制の強化と健康意識の高まりに対応するものです。IQOSやZYNは、従来型タバコよりも有害物質の削減が期待される製品として位置づけられています。
(3) IQOSの加熱式タバコ市場での77%シェア
IQOSは加熱式タバコ市場で圧倒的なシェアを誇り、グローバル市場で約77%のシェアを獲得しています(出典:Ad Hoc News)。特に日本では大きな成功を収めており、西ヨーロッパ市場でも拡大が続いています。
2025年10月には、米国ノースカロライナ州の工場に$3,700万を投資し、IQOS ILUMA生産ラインを拡張することを発表しました(出典:Yahoo Finance)。米国市場での本格展開に向けた動きと言えます。
PM株の株価パフォーマンスと配当利回り
(1) 現在の株価と52週レンジ
2025年11月時点、PM株は$154~157のレンジで取引されています。52週レンジは$116.12~$186.69で、年初来では約30%程度の上昇を記録しています(出典:Yahoo Finance)。
アナリストの評価は「Strong Buy」で、目標株価は$195.44と設定されており、現在価格から約24.6%の上昇余地があるとされています(出典:Ad Hoc News)。ただし、これはあくまでアナリストの予測であり、投資判断は自己責任で行う必要があります。
(2) 配当利回り5.4%と年間配当$5.88
PM株の大きな魅力の一つが高い配当利回りです。2025年時点の配当利回りは5.4%で、年間配当は$5.88です(四半期配当$1.47×4回)。2025年には年間配当を8.9%増配することを発表しており、株主還元に積極的な姿勢を示しています(出典:Ad Hoc News)。
過去10年間で、フィリップモリスは$740億を株主還元(配当+自社株買い)に充てており、安定したキャッシュフロー創出能力を持つ企業として評価されています(出典:Ad Hoc News)。
(3) 過去5年間の株主リターン157.6%
過去5年間の株主リターンは157.6%と、S&P500平均を上回るパフォーマンスを示しています(出典:Simply Wall St)。これは配当再投資を含めた総リターンであり、長期保有による資産形成の観点から魅力的な実績と言えます。
日本からPM株を購入する方法と証券会社
(1) 日本の証券会社での米国株取引
PM株は、日本の主要証券会社で購入可能です:
- SBI証券:米国株取引手数料0.495%(最低0ドル、上限22ドル)、為替手数料片道25銭
- 楽天証券:米国株取引手数料0.495%(最低0ドル、上限22ドル)、為替手数料片道25銭、楽天ポイントが貯まる
- マネックス証券:米国株取引手数料0.495%(最低0ドル、上限22ドル)、為替手数料片道25銭、情報ツールが充実
いずれの証券会社でも、米国株取引口座を開設すればPM株の購入が可能です。
(2) NISA口座での購入メリット
PM株はNISA口座での購入にも対応しています。米国株の配当には、通常、米国で10%、日本で20.315%の税金がかかり、合計で約30%が課税されます(出典:楽天証券)。
NISA口座で購入すれば、日本の20.315%が非課税になります。ただし、米国の10%は源泉徴収されるため、完全非課税にはなりません。それでも、課税口座と比べると税負担は大幅に軽減されます。
(3) 取引時間と為替手数料
米国株の取引時間は、米国東部時間の午前9:30~午後4:00です。日本からの取引では、リアルタイム取引(夏時間22:30~翌5:00、冬時間23:30~翌6:00)のほか、日本時間の日中に注文を出して翌営業日の成行で約定させることも可能です。
為替手数料は、主要証券会社で片道25銭程度が一般的です。大口の投資をする場合、為替手数料の差が積み重なるため、比較検討することをおすすめします。
PM株投資のメリットとリスク
(1) メリット:高配当利回り5.4%、無煙製品の成長
PM株投資の主なメリットは以下の通りです:
- 高配当利回り5.4%:年間配当$5.88で、インカムゲイン重視の投資家に魅力的
- 無煙製品の成長:IQOSやZYNが売上の38%を占め、今後の成長ドライバーとして期待
- 安定したキャッシュフロー:過去10年間で$740億の株主還元実績
- グローバル展開:180以上の国・地域で事業を展開し、地域分散が効いている
(2) リスク:配当性向100%超、従来型タバコ市場の縮小、規制強化
一方で、以下のようなリスクにも注意が必要です:
- 配当性向100%超:利益以上の配当を支払っている状態で、将来的な減配リスクがあります(出典:投資の森)
- 従来型タバコ市場の縮小:規制強化と健康意識の高まりにより、従来型タバコの需要は減少傾向にあります
- 規制リスク:各国でタバコ規制が強化されており、無煙製品も規制対象になる可能性があります
- 為替リスク:ドル建て資産のため、円高・円安の影響を受けます
(3) ESGリスク(タバコ業界の社会的責任問題)
タバコ業界は、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資の観点から、社会的責任が問われる業種です。一部の機関投資家やESGファンドは、タバコ関連企業への投資を避ける方針を取っています。
無煙製品への転換を進めているとはいえ、ニコチン依存性のある製品を販売していることに変わりはありません。ESGを重視する投資家にとっては、投資対象から除外される可能性がある点を理解しておく必要があります。
まとめ:PM株への投資判断のポイント
NYSE PM株(フィリップモリス・インターナショナル)は、配当利回り5.4%と高配当が魅力の銘柄です。無煙製品への転換戦略も進行中で、IQOSやZYNが売上の38%を占めるまでに成長しています。
一方で、配当性向100%超の減配リスク、従来型タバコ市場の縮小、規制強化、ESGリスクなど、注意すべきポイントも存在します。
投資判断のポイント:
- 高配当株として長期保有を前提に検討する
- 配当性向100%超のため、減配リスクを理解しておく
- 無煙製品の成長が今後の業績を左右する
- NISA口座での購入で税負担を軽減できる
- 為替リスクと規制リスクも考慮する
投資判断は自己責任で行い、ポートフォリオ全体のバランスを考慮して検討することをおすすめします。
