Robinhood(HOOD)株の特徴と投資ポイント - 米国フィンテック銘柄を理解する

著者: Single Stock編集部公開日: 2025/11/17

Robinhood(HOOD)とは何か

Robinhood(ロビンフッド)は、米国の手数料無料投資アプリを提供する企業です。ティッカーシンボルはHOOD、NASDAQ上場。若年層を中心に2710万人(2025年10月時点)のユーザーを獲得し、米国の投資アプリ市場をリードしています。

この記事では、Robinhoodの企業概要、ビジネスモデル、2024-2025年の業績、投資のポイントとリスクまで詳しく解説します。

この記事のポイント:

  • Robinhoodは手数料無料の投資アプリで、株式・ETF・オプション・暗号資産を取引可能
  • 2024年から黒字転換し、売上+45%、純利益+105%と急成長中
  • 2025年は株価が年初から+272%急騰、過去12ヶ月で+470%上昇
  • 主な収益源は純金利収入(+70%成長)、暗号資産取引手数料、Goldサブスクリプション
  • 規制リスク(SEC監視)、高ボラティリティ(ベータ値2.37)、暗号資産依存のリスクあり

(1) 企業概要(NASDAQ上場・手数料無料投資アプリ)

Robinhoodは、2013年に設立され、2021年7月にNASDAQに上場しました(ティッカー: HOOD)。手数料無料の投資アプリとして米国の若者に人気があり、「投資の民主化」をミッションに掲げています。

企業情報:

  • 本社: カリフォルニア州メンロパーク
  • CEO: Vlad Tenev
  • 上場: 2021年7月(NASDAQ: HOOD)
  • 顧客数: 2710万人(2025年10月)
  • 時価総額: $116.8B(2025年11月14日時点)

(出典: NASDAQ「Robinhood Markets, Inc. Class A Common Stock (HOOD)」https://www.nasdaq.com/market-activity/stocks/hood)

(2) 主要サービス(株式・ETF・オプション・暗号資産)

Robinhoodは、以下のサービスを提供しています:

  • 株式・ETF取引: 米国株式市場の主要銘柄とETF
  • オプション取引: コールオプション・プットオプション
  • 暗号資産取引: Bitcoin、Ethereum等の主要暗号資産
  • Goldサブスクリプション: 有料会員制度(マージン取引、詳細データ等)
  • 端株取引(Fractional shares): 1株未満の取引が可能

(出典: Yahoo Finance「Robinhood Markets, Inc. (HOOD) Stock Price」https://finance.yahoo.com/quote/HOOD/)

Robinhoodのビジネスモデルと収益構造

(1) 手数料無料モデルの仕組み

Robinhoodは「手数料無料取引」を掲げていますが、収益源は別にあります。主な収益源は以下の通りです:

  1. 純金利収入(Net Interest Income): 顧客の預金と貸出の利息差による収益(+70%成長)
  2. 暗号資産取引手数料: 暗号資産取引のスプレッド収益
  3. Goldサブスクリプション: 有料会員制度の月額料金
  4. Payment for Order Flow(PFOF): 注文フローを市場メーカーに販売する収益(規制の対象)

(2) 収益源(純金利収入・暗号資産取引・Goldサブスク)

2024年の収益源の内訳:

  • 純金利収入: +70%成長(金利上昇の恩恵)
  • 暗号資産取引: 暗号資産市場の活況により増加
  • Goldサブスクリプション: 有料会員の拡大

(出典: WickWatcher「Robinhood Markets (HOOD) Stock: Complete 2025 Investment Analysis」https://wickwatcher.com/stock-analysis/fundamental-analysis/earnings-call-summaries/nasdaq-hood/)

(3) 規制リスクと競争環境

Robinhoodは、SEC(米証券取引委員会)の監視が厳しく、規制変更のリスクがあります。特に、PFOF(Payment for Order Flow)は規制の対象となっており、将来的に禁止される可能性があります。

また、Charles Schwab、Fidelity、Interactive Brokers等の大手証券会社も手数料無料取引を提供しており、競争が激化しています。

株価動向と2024-2025年の業績

(1) 2025年の株価急騰(年初から+272%)

2025年は株価が年初から+272%急騰し、過去12ヶ月で+470%上昇しました。52週レンジは$29.66-$153.86で、現在価格は$129.93(2025年11月14日)です。

(出典: NASDAQ「Robinhood Markets, Inc. Class A Common Stock (HOOD)」https://www.nasdaq.com/market-activity/stocks/hood)

(2) 2024年の黒字転換(売上+45%、純利益+105%)

2024年にRobinhoodは黒字転換を達成しました:

  • 売上: +45%成長
  • 純利益: +105%成長
  • 主な成長ドライバー: 金利収入+70%、暗号資産取引の増加、Goldサブスクリプション拡大

(出典: WickWatcher「Robinhood Markets (HOOD) Stock: Complete 2025 Investment Analysis」https://wickwatcher.com/stock-analysis/fundamental-analysis/earnings-call-summaries/nasdaq-hood/)

(3) アナリスト評価と目標株価

21名のアナリストの平均目標株価は$112.43で、コンセンサス評価は「Buy」です。株探(かぶたん)のアナリスト目標株価は$151.13で、上昇余地があると評価されています。

(出典: Stock Analysis「Robinhood Markets (HOOD) Stock Forecast & Analyst Price Targets」https://stockanalysis.com/stocks/hood/forecast/)

投資のポイントと注意点

(1) 成長性(若年層ユーザー・暗号資産事業拡大)

Robinhoodの成長性は以下の点で評価されています:

  • 若年層ユーザーの獲得: 20-30代の若者を中心に2710万人のユーザーを獲得
  • 暗号資産事業の拡大: 暗号資産市場の活況により収益が増加
  • 新規事業: 予測市場ビジネスが「史上最速成長」とCEOが発言
  • 欧州展開: 2025年に欧州でトークン化された米国株の取引を開始

(2) リスク(規制リスク・高ボラティリティ・暗号資産依存)

Robinhood株への投資には以下のリスクがあります:

  • 規制リスク: SEC(米証券取引委員会)の監視が厳しく、規制変更のリスクがある
  • 高ボラティリティ: ベータ値2.37と高く、市場変動に敏感で株価変動が大きい
  • 暗号資産依存: 暗号資産市場の変動がRobinhoodの収益に直接影響する

(3) 競合他社との比較

Robinhoodの競合他社には、Charles Schwab、Fidelity、Interactive Brokers等があります。

Robinhoodの強み:

  • 手数料無料取引の先駆者
  • 若年層ユーザー獲得と暗号資産取引に強み

Robinhoodの弱点:

  • 規制リスクと収益モデルへの批判
  • 大手証券会社との競争激化

日本からRobinhood株に投資する方法

(1) Robinhoodアプリは日本では利用不可

Robinhoodのアプリは、日本居住者は利用できません(2020年8月時点)。日本からRobinhoodのサービスを直接利用することはできません。

(出典: Wikipedia「ロビンフッド (企業)」https://ja.wikipedia.org/wiki/ロビンフッド_(企業))

(2) 日本の証券会社(SBI証券・楽天証券等)でHOOD株を購入

ただし、日本の証券会社(SBI証券、楽天証券、マネックス証券、PayPay証券等)でRobinhood株(HOOD)を購入することは可能です。

米国株対応の証券会社で、ティッカーシンボル「HOOD」を検索して購入できます。

(出典: PayPay証券「ロビンフッド取扱い開始!」https://www.paypay-sec.co.jp/campaign/hood/index.html)

まとめ:Robinhood株の投資判断

Robinhood株は、2024年の黒字転換と2025年の株価急騰により、投資家から注目されています。成長性(若年層ユーザー・暗号資産事業拡大)がある一方で、規制リスク・高ボラティリティ・暗号資産依存のリスクもあります。

この記事のまとめ:

  • Robinhoodは手数料無料の投資アプリで、株式・ETF・オプション・暗号資産を取引可能
  • 2024年から黒字転換し、売上+45%、純利益+105%と急成長中
  • 2025年は株価が年初から+272%急騰、過去12ヶ月で+470%上昇
  • 主な収益源は純金利収入(+70%成長)、暗号資産取引手数料、Goldサブスクリプション
  • 規制リスク(SEC監視)、高ボラティリティ(ベータ値2.37)、暗号資産依存のリスクあり

次のアクション:

  • 日本の証券会社でHOOD株の購入を検討する
  • Robinhoodの最新決算発表をチェックする
  • 規制リスクとボラティリティを理解する
  • 暗号資産市場の動向を追う

Robinhood株への投資は、成長性とリスクを理解した上で、自己責任で判断しましょう。

よくある質問

Q1Robinhoodの主な収益源は?

A1純金利収入(+70%成長)、暗号資産取引手数料、Goldサブスクリプション(有料会員制度)が3大収益源です。手数料無料取引を掲げていますが、顧客の預金と貸出の利息差、暗号資産取引のスプレッド収益、有料会員の月額料金で収益を上げています。

Q2HOOD株が変動しやすい理由は?

A2ベータ値2.37と高く、市場変動に敏感です。暗号資産市場の影響を受けやすいため、株価変動が大きくなります。暗号資産市場が活況の時期はHOOD株も上昇し、暗号資産市場が低迷するとHOOD株も下落する傾向があります。

Q3日本からRobinhoodのアプリは使える?

A3日本居住者は利用できません(2020年8月時点)。ただし、日本の証券会社(SBI証券、楽天証券、マネックス証券、PayPay証券等)でHOOD株を購入することは可能です。米国株対応の証券会社でティッカーシンボル「HOOD」を検索して購入できます。

Q42025年のRobinhood株の見通しは?

A4アナリスト平均目標株価$145で上昇余地があります。黒字転換・暗号資産事業拡大が好材料ですが、規制リスク(SEC監視)、高ボラティリティ、暗号資産依存のリスクに注意が必要です。投資判断は自己責任で行いましょう。

Q5競合他社との違いは?

A5手数料無料取引の先駆者で、若年層ユーザー獲得と暗号資産取引に強みがあります。一方、規制リスクと収益モデルへの批判が弱点です。Charles Schwab、Fidelity、Interactive Brokers等の大手証券会社も手数料無料取引を提供しており、競争が激化しています。

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