1. 米国株の取引時間を日本時間で知ろう
米国株に投資を始めたばかりの方の多くが「いつ注文すればいいの?」「日本時間で何時から取引できる?」と戸惑います。米国市場は日本とは時差があり、さらにサマータイムの影響で取引時間が変動するため、正確な理解が欠かせません。
この記事では、米国株式市場の取引時間を日本時間で詳しく解説します。通常取引時間だけでなく、プレマーケット・アフターマーケットといった時間外取引についても説明し、日本の主要証券会社での対応状況も整理します。
この記事のポイント:
- 米国株の通常取引時間は日本時間で標準時間23:30〜翌6:00、サマータイム22:30〜翌5:00
- プレマーケット・アフターマーケットで時間外取引が可能だが、流動性が低くリスクが高い
- サマータイム期間(3月第2日曜〜11月第1日曜)は取引時間が1時間前倒しになる
- 日本の証券会社では24時間注文受付可能だが、約定は米国市場が開いている時間のみ
- 米国市場の祝日は日本と異なるため、事前に休場日カレンダーの確認が必要
2. 米国株式市場の通常取引時間
(1) NYSEとNASDAQの取引時間(米国東部時間)
米国の主要株式市場であるニューヨーク証券取引所(NYSE)とNASDAQは、どちらも同じ取引時間で運営されています。通常取引時間(Regular Trading Hours)は、米国東部時間(Eastern Time, ET)で午前9時30分から午後4時までです。
この時間帯は、最も取引量が多く流動性が高いため、株式の売買が円滑に行われます。また、日本株市場のような昼休みがないため、連続して取引が可能です。
出典: NYSE: Holidays and Trading Hours
(2) 日本時間での取引時間(標準時間・サマータイム)
米国東部時間と日本時間の時差は、標準時間で14時間、サマータイム期間で13時間です。そのため、日本時間での取引時間は以下のようになります。
標準時間(11月第1日曜〜3月第2日曜):
- 午後11時30分〜翌朝6時00分
サマータイム(3月第2日曜〜11月第1日曜):
- 午後10時30分〜翌朝5時00分
日本では深夜から早朝にかけての取引となるため、日中に働いている投資家にとっては注文のタイミングに注意が必要です。ただし、多くの証券会社では24時間注文受付が可能なため、事前に注文を出しておくことができます。
出典: 取引時間/注文受付時間|楽天証券、米国株式の取引時間は日本時間でいつ?|SMBC日興証券
(3) 日本株との違い(昼休みなし)
日本株市場では前場(午前)と後場(午後)の間に昼休みがありますが、米国市場には昼休みがありません。午前9時30分から午後4時まで連続して取引が行われるため、重要な経済指標の発表や企業の決算発表があった際には、即座に株価に反映されます。
出典: 米国株の取引時間と祝日を徹底解説!日本株との違いは?|サクソバンク証券
3. プレマーケット・アフターマーケットとは
(1) プレマーケット取引の時間と特徴
プレマーケット取引(Pre-Market Trading)とは、通常取引時間の開始前に行われる時間外取引のことです。米国東部時間で午前4時から午前9時30分までが一般的です。
日本時間では、以下のようになります。
- 標準時間: 午後6時00分〜午後11時30分
- サマータイム: 午後5時00分〜午後10時30分
プレマーケットでは、主に機関投資家や経験豊富な個人投資家が取引を行います。企業の決算発表や重要なニュースが市場開始前に発表されることが多いため、それに対する反応を見るために利用されます。
出典: Extended Hours Trading: Pre-Market & After-Hours Trading|Charles Schwab
(2) アフターマーケット取引の時間と特徴
アフターマーケット取引(After-Hours Trading)とは、通常取引時間の終了後に行われる時間外取引のことです。米国東部時間で午後4時から午後8時までが一般的です。
日本時間では、以下のようになります。
- 標準時間: 翌朝6時00分〜翌朝10時00分
- サマータイム: 翌朝5時00分〜翌朝9時00分
アフターマーケットでは、決算発表後の反応を取引に反映させたい投資家が利用することが多いです。
出典: Extended Hours Trading: Pre-Market & After-Hours Trading|Charles Schwab
(3) 時間外取引のリスクと注意点
時間外取引には以下のリスクがあります。
流動性の低さ: 通常取引時間に比べて取引量が少ないため、注文が約定しない可能性や、希望する価格で取引できない可能性があります。
価格変動の大きさ: 取引参加者が少ないため、少量の注文でも価格が大きく動くことがあります。
スプレッドの拡大: 買値と売値の差(スプレッド)が広がりやすく、不利な価格での取引になる可能性があります。
これらのリスクから、初心者には通常取引時間での取引が推奨されます。
出典: Extended Hours Trading: Pre-Market & After-Hours Trading|Charles Schwab
4. サマータイムが取引時間に与える影響
(1) サマータイム期間と日本時間への影響
米国では、3月第2日曜日から11月第1日曜日までサマータイム(Daylight Saving Time)が適用されます。この期間中は時計を1時間進めるため、日本との時差が13時間になります。
サマータイムの影響で、米国市場の取引時間が日本時間で1時間前倒しになります。
- 標準時間: 午後11時30分〜翌朝6時00分
- サマータイム: 午後10時30分〜翌朝5時00分
サマータイム期間中は、日本で夜10時30分から取引が開始されるため、仕事が終わった後に取引状況を確認しやすくなります。
出典: 米国株式の取引時間は日本時間でいつ?|SMBC日興証券、米国株式の取引時間|DMM株
(2) サマータイム切り替え時の注意点
サマータイムの切り替え日を見逃すと、意図しない時間に注文が執行される可能性があります。特に成行注文や指値注文を事前に出している場合、切り替え後の取引時間を考慮していないと、予想外のタイミングで約定してしまうことがあります。
毎年の切り替えスケジュールを確認し、取引時間の変更に注意してください。
出典: 米国株式の取引時間|DMM株
5. 日本の証券会社での取引時間対応
(1) 主要証券会社の注文受付時間
日本の主要証券会社では、米国株取引の注文を24時間受け付けていることが一般的です。
- SBI証券: 24時間注文受付
- 楽天証券: 24時間注文受付
- マネックス証券: 24時間注文受付
- SMBC日興証券: 24時間注文受付
ただし、システムメンテナンス時間帯は注文受付が停止される場合があるため、各証券会社の公式サイトで最新情報を確認してください。
出典: 取引時間/注文受付時間|楽天証券、米国株 時間外取引|マネックス証券
(2) 24時間注文受付と実際の約定時間の違い
「24時間注文受付」といっても、実際に注文が市場で執行される(約定する)のは、米国市場が開いている時間のみです。
たとえば、日本時間の午前10時に注文を出した場合、その注文は証券会社のシステムに登録されますが、実際に市場で執行されるのは、その日の夜(標準時間なら午後11時30分以降)になります。
この仕組みを理解しておかないと、「注文を出したのに約定していない」と混乱することがあります。
出典: 取引時間/注文受付時間|楽天証券
6. まとめ:米国株取引時間の3つのポイント
米国株式市場の取引時間を正しく理解することは、効率的な投資活動に欠かせません。
押さえておくべき3つのポイント:
通常取引時間は日本時間で深夜から早朝
- 標準時間: 午後11時30分〜翌朝6時00分
- サマータイム: 午後10時30分〜翌朝5時00分
時間外取引は初心者には推奨しない
- プレマーケット・アフターマーケットは流動性が低く、価格変動が大きい
- 通常取引時間での取引が安全
サマータイムの切り替えに注意
- 3月第2日曜〜11月第1日曜は取引時間が1時間前倒しになる
- 切り替え時期を見逃すと意図しない時間に注文が執行される可能性がある
日本の証券会社では24時間注文受付が可能ですが、実際の約定は米国市場が開いている時間のみです。また、米国市場の祝日は日本とは異なるため、事前に休場日カレンダーを確認しておくことが大切です。
米国株投資を始める前に、取引時間の仕組みをしっかりと理解し、自分の生活スタイルに合った投資計画を立てましょう。
