米国株の決算カレンダーとは何か
「保有している米国株の決算発表日がわからない」「どの決算カレンダーを使えばいいか迷う」と感じている投資家は少なくありません。
米国株の決算カレンダーは、企業の四半期決算や年次決算の発表予定日を一覧表示するツールです。日本の証券会社や金融サイトが提供しており、無料で利用できます。
この記事では、米国株決算カレンダーの見方、主要なツールと信頼性、日本時間での確認方法、決算発表前後の投資判断について解説します。
この記事のポイント:
- 決算カレンダーは証券会社や金融サイトで無料提供されている
- 決算シーズンは年4回(1-2月、4-5月、7月、10-11月)に集中する
- Yahoo Finance、Nasdaq、TradingViewなどが主要なツール
- 日本時間では深夜・早朝に発表されることが多い
- 米国株は値幅制限がないため、決算内容次第で株価が大きく変動するリスクがある
決算カレンダーの見方と基本情報
(1) 決算シーズンの時期(年4回)
米国企業の決算発表は年4回の「決算シーズン(Earnings Season)」に集中します。一般的なスケジュールは以下の通りです:
- 1-2月: Q4決算(10-12月期)
- 4-5月: Q1決算(1-3月期)
- 7月: Q2決算(4-6月期)
- 10-11月: Q3決算(7-9月期)
各決算シーズンは、四半期終了後の数週間に集中するため、この期間は株価の変動が大きくなる傾向があります。
(出典: SMBC日興証券: 米国株の決算に注目しよう!)
(2) 決算発表のタイミング(BMO/AMC)
米国株の決算発表は、主に以下の2つのタイミングで行われます:
- BMO(Before Market Open): 市場開始前(現地時間午前9:30より前)
- AMC(After Market Close): 市場終了後(現地時間午後4:00以降)
日本時間では、冬時間(11月-3月)の場合、BMOは日本時間午後11:30前、AMCは翌朝6:00以降となり、深夜・早朝の発表となることが多いです。
(出典: Earnings Whispers Calendar)
(3) 決算で注目すべき3つのポイント(売上高・EPS・ガイダンス)
決算発表で投資家が注目すべき主要な指標は以下の3つです:
- 売上高(Revenue): 企業の売上規模を示す指標
- EPS(Earnings Per Share): 1株当たり利益。企業の収益性を示す
- ガイダンス(Guidance): 企業が示す今後の業績見通し
これらの実績値が市場予想(コンセンサス)を上回るか下回るかによって、株価が大きく変動します。
(出典: SMBC日興証券: 米国株の決算に注目しよう!)
主要な決算カレンダーツールと信頼性
(1) Yahoo Finance(最も広く使われているツール)
Yahoo Financeは、世界中で最も広く使われている米国株決算カレンダーです。EPS予想・実績・サプライズ率を表示し、銘柄検索やフィルタリング機能も充実しています。
- URL: Yahoo Finance Earnings Calendar
- 特徴: EPS予想・実績・サプライズ率を表示
- 言語: 英語(一部日本語訳機能あり)
(2) Nasdaq・TradingView(公式情報・視覚化)
Nasdaqの公式決算カレンダーは、アルゴリズムによる予測日程を提供しています。TradingViewは、売上高・EPSの推移をチャートで視覚化できる点が特徴です。
- Nasdaq: Earnings Calendar | Nasdaq
- TradingView: Earnings Calendar & Reports — TradingView
日本語版のTradingViewも利用可能で、日本時間での表示に対応しています(TradingView 日本語版)。
(3) 日本の証券会社のカレンダー(moomoo・楽天・SBI)
日本の証券会社も、米国株決算カレンダーを提供しています:
- moomoo証券: アラート機能付き(決算カレンダー - moomoo証券)
- 楽天証券: 外国株式決算カレンダー(楽天証券 決算カレンダー)
- SBI証券: 米国株決算スケジュール(SBI証券 マーケット)
日本語で使えるため、初心者には使いやすいツールです。
(4) Earnings Whispersと確定日の確認
Earnings Whispersは、「最も正確な決算カレンダー」と評価されているツールです。確定日程と予測日程を区別して表示し、企業からの正式発表をもとに更新されます。
決算発表日が近づいたら、Earnings Whispersや企業のIRサイトで最終確認することをおすすめします。
日本時間での決算確認方法とサマータイム対応
(1) 米国市場の取引時間と日本時間の換算
米国株の通常取引時間は現地時間9:30 AM - 4:00 PM(東部時間)です。日本時間では以下の通りです:
- 冬時間(11月-3月): 日本時間 23:30 - 翌朝6:00
- 夏時間(3月-11月): 日本時間 22:30 - 翌朝5:00
決算発表はBMO(市場前)またはAMC(市場後)に行われるため、日本時間では深夜・早朝になることが多いです。
(2) サマータイム適用時の注意点
米国では3月-11月の間、サマータイム(夏時間)が適用されます。この期間は、米国市場の取引時間が日本時間で1時間早まります。
決算カレンダーの時刻表示は現地時間(東部時間)で表示されることが多いため、日本時間への換算には注意が必要です。
(3) 決算発表が日本の深夜・早朝になる理由
米国企業の多くは、市場開始前(BMO)または市場終了後(AMC)に決算を発表します。これは、市場が開いている時間に発表すると、株価が急変動して混乱を招くためです。
日本人投資家にとっては、リアルタイムで決算発表を確認するのは難しい時間帯ですが、翌朝には結果と株価の反応を確認できます。
決算発表前後の投資判断と注意点
(1) 値幅制限がないことのリスク
米国株は、日本株と異なり値幅制限(ストップ高・ストップ安)がありません。そのため、決算内容が市場予想を大きく上回る(または下回る)場合、1日で株価が10-30%変動することもあります。
決算発表前後は、指値注文を活用し、想定外の価格で約定しないよう注意が必要です。
(出典: SMBC日興証券: 米国株の決算に注目しよう!)
(2) 市場予想(コンセンサス)との比較の重要性
決算発表では、売上高やEPSの絶対値だけでなく、市場予想(コンセンサス)との比較が重要です。市場予想を上回れば「決算サプライズ(Earnings Surprise)」として株価が上昇し、下回れば下落する傾向があります。
市場予想は随時更新されるため、決算発表直前に確認することが重要です。
(3) 決算スケジュール変更の可能性
決算カレンダーに表示される日程は、企業の過去の発表日やアルゴリズムによる予測です。企業の判断で発表日が変更される可能性があるため、必ず最新情報を確認してください。
企業のIRサイトやプレスリリースで正式な発表日を確認することをおすすめします。
決算カレンダーを活用する際のポイント
米国株の決算カレンダーは、投資判断に役立つ重要なツールです。無料で利用できるツールが多数あり、日本語対応のサービスも充実しています。
決算カレンダーを活用する際のポイント:
- Yahoo Finance、Nasdaq、TradingViewなど信頼性の高いツールを使う
- 日本の証券会社のカレンダーは日本語で使いやすい
- 決算発表日が近づいたら、企業のIRサイトで最終確認する
- サマータイム適用時は日本時間への換算に注意する
- 米国株は値幅制限がないため、決算前後は慎重に判断する
次のアクション:
- 保有銘柄の決算発表日をカレンダーツールで確認する
- 決算カレンダーのアラート機能を設定する
- 決算発表前は、売上高・EPS・ガイダンスの市場予想を確認する
決算発表は株価が大きく動くタイミングです。カレンダーツールを活用し、計画的に投資判断を行いましょう。
