VOO(バンガードS&P500 ETF)とは:特徴・手数料・投資方法を徹底解説

著者: Single Stock編集部公開日: 2025/11/13

VOOとは何か(バンガードS&P500 ETFの基礎知識)

「VOOとは何か?」「VOOとSPYの違いは?」「日本からVOOを買う方法は?」と疑問を持っている米国株投資家の方は多いのではないでしょうか。

VOO(Vanguard S&P 500 ETF)は、バンガード社が運用するS&P 500指数連動型のETFです。経費率0.03%と業界最低水準のコストで、2025年には世界最大のETF(資産7,700億ドル)となりました。長期投資に最適なETFとして、米国の個人投資家から圧倒的な支持を得ています。

この記事では、VOOの特徴、経費率、他ETFとの比較、日本からの投資方法を初心者向けに解説します。

この記事のポイント:

  • VOOは経費率0.03%で業界最低水準(SPYの3分の1以下)
  • 2025年、資産7,700億ドルでSPYを抜いて世界最大のETFに
  • 2024年に1,161億ドルの資金流入で「ETF・オブ・ザ・イヤー」を受賞
  • 長期投資(バイアンドホールド)に最適、短期トレードにはSPYが有利
  • 配当利回りは約1.13%と低く、値上がり益を狙うETF
  • 日本ではSBI証券、楽天証券、マネックス証券で購入可能

VOOの特徴と経費率

(1) バンガード・S&P 500 ETF(正式名称)

VOO(Vanguard S&P 500 ETF)は、バンガード社が2010年9月7日に設定したETFです。S&P 500指数に連動する運用を目指し、S&P 500を構成する500銘柄に分散投資します。

投資対象:

  • Apple、Microsoft、NVIDIA、Amazon、Alphabet、Meta等の米国大型株500銘柄
  • S&P 500指数と同じ比率で保有(インデックス複製方式)

(2) 経費率0.03%(業界最低水準)

VOOの最大の特徴は、経費率0.03%という超低コストです。

経費率の比較:

  • VOO: 0.03%
  • SPY(SPDR S&P 500 ETF): 0.0945%(VOOの3倍以上)
  • IVV(iシェアーズ・コアS&P 500 ETF): 0.03%(VOOと同水準)

例えば、100万円を投資した場合:

  • VOOの年間コスト: 300円
  • SPYの年間コスト: 945円

長期保有(10年・20年)では、この差が複利効果で大きな差となります。

(3) 資産規模7,700億ドル(世界最大のETF)

2025年、VOOは資産総額7,700億ドルに到達し、長年トップだったSPYを抜いて世界最大のETFとなりました。

資金流入の推移:

  • 2024年: 1,161億ドルの流入(全ETF中1位)
  • 2025年(9月まで): 1,244億ドルの流入(史上初の1,000億ドル超を達成)

この記録的な資金流入は、コスト重視のバイアンドホールド型個人投資家が増えたことを示しています。

(4) 設定日(2010年9月7日)

VOOは2010年9月7日に設定されました。SPY(1993年設定)より約17年遅いスタートでしたが、低コストを武器に急速に成長し、2025年にSPYを追い抜きました。

VOOとSPY・VTIの比較

(1) VOO vs SPY(経費率、流動性、税効率)

VOOとSPYはどちらもS&P 500指数に連動するETFですが、経費率、流動性、税効率に違いがあります。

経費率:

  • VOO: 0.03%
  • SPY: 0.0945%(VOOの3倍以上)

流動性(取引量):

  • SPY: 約8,000万株/日(デイトレーダーに人気)
  • VOO: 約600万株/日(長期投資家に人気)

税効率:

  • VOO: オープンエンド型ファンド構造。配当再投資や証券貸出が可能で、税効率が高い
  • SPY: ユニット型投資信託(UIT)構造。配当再投資や証券貸出ができない制約があり、税効率がやや低い

モーニングスター評価:

  • VOO: Gold(最高評価)
  • SPY: Silver(2番目の評価)

(2) VOO vs VTI(S&P 500 vs 全米市場)

VOOとVTI(Vanguard Total Stock Market ETF)は、対象指数が異なります。

対象指数:

  • VOO: S&P 500(大型株500銘柄)
  • VTI: CRSP US Total Market Index(米国株式市場全体、約4,000銘柄)

経費率:

  • VOO: 0.03%
  • VTI: 0.03%(同水準)

VTIは中小型株も含むため、より広範な分散投資が可能ですが、パフォーマンスはVOOとほぼ同じです(S&P 500が米国株式市場の約80%をカバーするため)。

(3) 長期投資ならVOO、短期トレードならSPY

長期投資(10年以上):

  • VOOが有利(経費率が低く、複利効果で差が拡大)
  • バイアンドホールド型投資家向け

短期トレード(デイトレード・スイングトレード):

  • SPYが有利(流動性が高く、売買スプレッドが狭い)
  • アクティブトレーダー向け

VOOの配当利回りと配当スケジュール

(1) 配当利回り約1.13%(低い)

VOOの配当利回りは約1.13-1.14%と低めです。これはS&P 500を構成する企業の多くが、配当よりも自社株買いや成長投資を優先しているためです。

配当額(2024年):

  • 年間配当: 6.7034ドル/株
  • 株価約500ドルの場合、配当利回り約1.13%

高配当ETF(VYM、HDV等)と比べると配当利回りは低いですが、VOOは値上がり益(キャピタルゲイン)を狙うETFです。

(2) 配当スケジュール(年4回:3月・6月・9月・12月)

VOOの配当は年4回支払われます:

  • 3月
  • 6月
  • 9月
  • 12月

2025年9月の配当例:

  • 1株あたり1.74ドル

(3) キャピタルゲイン狙いのETF(配当収入には不向き)

VOOは配当収入(インカムゲイン)よりも、値上がり益(キャピタルゲイン)を狙うETFです。

向いている人:

  • 長期的な資産成長を目指す投資家
  • 配当よりも株価上昇を重視する投資家

向いていない人:

  • 定期的な配当収入を重視する投資家(高配当ETFのVYM、HDV等が適している)

日本からVOOを購入する方法

(1) 取扱証券会社(SBI証券・楽天証券・マネックス証券)

日本からVOOを購入するには、米国株取引に対応したネット証券の口座を開設します。

主要なネット証券:

  • SBI証券: 米国株取扱数が多い、手数料が低い
  • 楽天証券: 楽天ポイントが貯まる、UI/UXが優れている
  • マネックス証券: 米国株情報が充実、時間外取引も可能

購入手順:

  1. ネット証券の口座を開設
  2. 日本円を入金
  3. 円→ドルに両替(為替手数料が発生)
  4. 「VOO」で検索して注文
  5. 購入完了

(2) 為替手数料(25銭/ドル程度)

日本円でVOOを買う場合、円→ドルへの両替時に為替手数料が発生します。

主要証券会社の為替手数料(片道):

  • SBI証券: 25銭/ドル
  • 楽天証券: 25銭/ドル
  • マネックス証券: 25銭/ドル(買付時無料キャンペーンあり)

例: 1ドル=150円の場合、1万ドル分を両替すると2,500円の為替手数料が発生(25銭 × 10,000ドル)。

(3) 円貨決済の利用

円貨決済を利用すると、円のまま注文でき、証券会社が自動的に円をドルに交換してくれます。

メリット:

  • ドル口座を開設する必要がない
  • 為替レートを気にせず注文できる

デメリット:

  • 為替手数料が発生する

まとめ:VOOに投資すべき人は?

VOO(バンガードS&P500 ETF)は、経費率0.03%で世界最大のETF(資産7,700億ドル)です。長期投資(バイアンドホールド)に最適で、米国の個人投資家から圧倒的な支持を得ています。

VOOに投資すべき人:

  • 米国株式市場全体に長期投資したい人
  • コスト(経費率)を重視する人
  • 配当よりも値上がり益を狙いたい人
  • バイアンドホールド戦略を取る人

VOOに向いていない人:

  • 短期売買(デイトレード)を頻繁にする人(SPYの方が流動性が高い)
  • 高配当収入を重視する人(VYM、HDV等の高配当ETFが適している)

まとめのポイント:

  • VOOは経費率0.03%で業界最低水準
  • 2025年、世界最大のETFに(資産7,700億ドル)
  • 長期投資に最適、短期トレードにはSPYが有利
  • 配当利回りは約1.13%と低く、値上がり益を狙うETF
  • 日本ではSBI証券、楽天証券、マネックス証券で購入可能

次のアクション:

  • ネット証券の口座を開設する
  • VOOとSPY・VTIを比較検討する
  • 少額から始めて長期保有する

投資判断は自己責任で行ってください。VOOは長期投資に適したETFですが、米国株式市場の低迷時には大きく下落する可能性があります。

よくある質問

Q1VOOとSPYの違いは何か?どちらを買うべきか?

A1VOOは経費率0.03%(SPYは0.0945%)で長期投資向けです。SPYは流動性が高く短期トレード向けです。長期保有(10年以上)ならVOOが有利で、複利効果でコスト差が拡大します。デイトレード・スイングトレードならSPYが適しています。

Q2VOOの経費率はいくらか?他のS&P 500 ETFと比べて本当に安いのか?

A2VOOの経費率は0.03%で業界最低水準です。SPYの0.0945%と比べて3分の1以下です。IVV(iシェアーズ・コアS&P 500 ETF)も0.03%で同水準ですが、VOOの方が資産規模が大きく、2025年に世界最大のETFとなりました。

Q3日本でVOOを買う方法は?どの証券会社が良いか?

A3SBI証券、楽天証券、マネックス証券で購入可能です。為替手数料は25銭/ドル程度(片道)です。円貨決済を利用すれば、円のまま注文でき、証券会社が自動的に円をドルに交換してくれます。手数料の安さならSBI証券、楽天ポイントを貯めたいなら楽天証券がおすすめです。

Q4VOOの配当利回りはいくらか?配当はいつもらえるのか?

A4配当利回りは約1.13%と低めです。配当は年4回(3月、6月、9月、12月)支払われます。VOOは配当収入よりも値上がり益を狙うETFで、高配当を重視する投資家には向いていません。配当収入を重視する場合は、VYM、HDV等の高配当ETFが適しています。

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