S&P500

アメテック (AME)

Ametek Inc

0. この記事でわかること

本記事では、アメテック(AME)について以下の情報を提供します:

  • なぜ注目されているのか: FARO Technologies社9.2億ドル買収、配当11%増額、12.5億ドル自社株買いプログラム承認、連続増配10年超の配当貴族候補
  • 事業内容と成長戦略: 電子機器・計測器・電気モーターの多角化産業企業、航空宇宙・防衛(売上の4割)・産業(3割)・医療向けニッチ市場、戦略的M&A(2020年以降14件買収)
  • 競合との差別化: ニッチ市場への特化、M&A戦略による事業拡大、アセットライト型ビジネスモデル、営業利益率26.3%の高収益性
  • 財務・配当の実績: 2025年Q1売上17.3億ドル、EPS 1.75ドル(予想上回る)、営業利益率26.3%、フリーキャッシュフロー転換率112%
  • リスク要因: Q1 2025売上前年並みで市場予想下回り、中国調達部品への関税懸念、R&D投資不足の指摘(Spruce Point Capital批判レポート)

アメテックは、1930年創業の産業用電子機器メーカーです。航空宇宙・防衛・医療・産業向けにニッチな計測・モーター製品を提供し、M&Aで事業拡大を継続しています。配当貴族候補(連続増配10年超)として安定成長を重視し、日本では知名度が低いですが、米国では堅実な優良企業として認識されています。

1. なぜアメテック(AME)が注目されているのか

アメテックは、1930年創業の産業用電子機器メーカーとして、航空宇宙・防衛・医療・産業向けに計測器・センサー・電気モーターなどを提供しています。日本人投資家にはあまり馴染みがありませんが、米国では堅実な産業株として認識されており、連続増配10年超の配当貴族候補として注目されています。

(1) 成長戦略の3つのポイント

アメテックは、以下の3つの成長戦略を推進しています:

FARO Technologies社を9.2億ドルで買収完了し、3D測定・イメージング技術のポートフォリオを強化
2025年にFARO Technologies社を9.2億ドル(1株44ドル現金)で買収完了しました。FARO社は3D測定・イメージング技術の大手で、製造業・建設業向けに高精度測定ソリューションを提供しています。この買収により、アメテックは3D測定・イメージング技術のポートフォリオを強化し、顧客の品質管理・検査ニーズに対応します。さらに、Kern Microtechnik社を買収し、高精度機械加工・光学検査ソリューションの事業領域を拡大しました。

配当を11%増額し、新たに12.5億ドルの自社株買いプログラムを承認
2025年に配当を11%増額しました(四半期0.28ドル→0.31ドル、年間1.24ドル)。連続増配10年超の配当貴族候補として、株主還元を重視しています。さらに、新たに12.5億ドルの自社株買いプログラムを承認し、資本配分の規律を維持しています。フリーキャッシュフロー転換率112%(2025年Q1)と高い資金創出力により、配当・自社株買いを継続できる財務基盤を持ちます。

戦略的M&A(2020年以降14件・年間売上14億ドル相当を買収)
アメテックは、戦略的M&Aにより事業拡大を継続しています。2020年初〜2024年末に14件のM&Aを完了し、年間売上約14億ドル相当を買収しました。ニッチ市場のリーディング企業を買収し、ポートフォリオを強化する戦略です。AMETEK Growth Model(成長モデル)では、オペレーショナルエクセレンス・新製品開発・グローバル市場拡大・戦略的M&Aの4戦略を推進しています。

(2) 注目テーマ(産業用電子機器・計測器市場)

投資家が注目している主要テーマは以下の通りです:

オペレーショナルエクセレンス・カイゼン活動による継続的改善
アメテックは、カイゼン活動によるビジネス改善を定期的に実施しています。製造効率化・コスト削減・品質向上により、営業利益率26.3%(2025年Q1、前年比+60bp)と業界高水準の収益性を維持しています。オペレーショナルエクセレンスは、AMETEK Growth Modelの中核であり、競合との差別化ポイントです。

戦略的M&A(2020年以降14件・年間売上14億ドル相当を買収)
アメテックは、ニッチ市場のリーディング企業を買収し、事業拡大を継続しています。2020年初〜2024年末に14件のM&Aを完了し、年間売上約14億ドル相当を買収しました。M&A統合ノウハウにより、買収企業をAMETEK Growth Modelに統合し、収益性を向上させています。

ニッチ市場への特化とアセットライト型ビジネスモデル
アメテックは、航空宇宙・防衛・医療・産業向けにニッチな計測・モーター製品を提供しています。ニッチ市場で高いシェアを獲得し、価格決定力を持ちます。アセットライト型ビジネスモデル(製造設備を最小限に抑え資本効率を高める)により、強固なフリーキャッシュフロー創出を実現しています。

(3) 投資家の関心・懸念点

投資家の主な関心は、配当継続と安定成長です。連続増配10年超の配当貴族候補として、2025年に配当を11%増額しました(四半期0.28ドル→0.31ドル、年間1.24ドル)。配当利回り0.68%と低めですが、長期的な増配実績が評価されています。受注残高34.7億ドルと過去最高水準で、将来需要は堅調です。

一方、懸念点としては、売上成長鈍化R&D投資不足が挙げられます。Q1 2025売上17.3億ドルは前年並みで市場予想を下回り、株価は前場で1.81%下落しました。中国調達部品への関税懸念と世界貿易動向の不確実性増大により、短期的な業績変動リスクがあります。Spruce Point Capitalの批判レポートは、成長戦略の行き詰まり・R&D投資不足・自社開発できないものを買収していると指摘しています。

アナリストの見通しは概ね前向きで、コンセンサスは「Moderate Buy」、平均目標株価は206.73ドル(13アナリスト平均)です。2025年度調整後EPS 7.06-7.20ドルにガイダンスを引き上げ(当初7.02-7.18ドル、前年比3-5%増)、今後数年で利益22-30%成長を予測しています。長期目標は事業サイクル全体でEPS 2桁成長・総資本利益率の優位性確保です。

2. アメテックの事業内容・成長戦略

(1) 主力事業(電子機器・電気モーター)

アメテックは、産業用電子機器メーカーとして、以下の主力事業を展開しています:

電子機器(Electronic Instruments)
計測器、センサー、航空宇宙・防衛向け電子機器を製造しています。航空宇宙・防衛(売上の4割)、産業(3割)、医療・分析機器(2割)など幅広い市場に製品を提供しています。FARO Technologies社買収により、3D測定・イメージング技術のポートフォリオを強化しました。高精度計測器は品質管理・検査に不可欠であり、ニッチ市場で高いシェアを獲得しています。

電気モーター(Electromechanical)
モーター、ポンプ、ファン、熱管理システムを製造しています。航空宇宙・防衛・産業向けが主力で、電動化・自動化需要に対応しています。アセットライト型ビジネスモデルにより、製造設備を最小限に抑え、資本効率を高めています。

M&Aによる事業拡大
アメテックは、ニッチ市場のリーディング企業を買収し、事業拡大を継続しています。2020年初〜2024年末に14件のM&Aを完了し、年間売上約14億ドル相当を買収しました。M&A統合ノウハウにより、買収企業をAMETEK Growth Modelに統合し、収益性を向上させています。

(2) セクター・業種の説明

アメテックは産業(Industrials)セクターの**電気機器(Electrical Equipment)**に分類されます。

産業セクターの特徴
産業セクターは、製造業・建設業・運輸業など幅広い産業を含みます。景気循環の影響を受けやすい一方、長期的なインフラ需要・自動化需要により成長が期待される産業です。アメテックは航空宇宙・防衛(売上の4割)・産業(3割)・医療(2割)と分散しており、景気循環の影響を緩和しています。

電気機器業界の収益構造
電気機器業界の収益は「出荷数量 × 単価」で決まります。出荷数量は経済活動・インフラ投資に連動し、単価は技術革新・品質により変動します。アメテックは、ニッチ市場で高付加価値製品を提供し、高単価・高マージンを確保しています。

(3) ビジネスモデルの特徴

アメテックのビジネスモデルには以下の特徴があります:

ニッチ市場への特化
アメテックは、航空宇宙・防衛・医療・産業向けにニッチな計測・モーター製品を提供しています。ニッチ市場で高いシェアを獲得し、価格決定力を持ちます。各市場で異なる競合が存在しますが、アメテックはM&A戦略でニッチ市場のリーダーを買収し、事業拡大を継続しています。

アセットライト型ビジネスモデル
製造設備を最小限に抑え、資本効率を高めるビジネスモデルです。フリーキャッシュフロー転換率112%(2025年Q1)と高い資金創出力により、配当・自社株買い・M&Aに資金を配分できます。アセットライト型により、設備投資負担を軽減し、財務柔軟性を維持しています。

AMETEK Growth Model(成長モデル)
アメテックは、AMETEK Growth Modelを推進しています。4つの戦略柱は以下の通りです:

  1. オペレーショナルエクセレンス: カイゼン活動による継続的改善
  2. 新製品開発: 技術革新・顧客ニーズ対応
  3. グローバル市場拡大: 世界30ヶ国で事業展開
  4. 戦略的M&A: ニッチ市場のリーディング企業を買収

3. 競合との差別化

(1) 主要競合企業

アメテックの競合は、各ニッチ市場で異なります。主要な競合分野は以下の通りです:

航空宇宙・防衛向け電子機器
Honeywell(ハネウェル)、Raytheon(レイセオン)などが競合です。航空宇宙・防衛市場は規制が厳しく、高い品質・信頼性が求められます。アメテックは長年の実績と技術力で、航空宇宙・防衛向け電子機器市場でシェアを獲得しています。

産業計測器
Emerson Electric(エマソン・エレクトリック)、ABB(エービービー)などが競合です。産業計測器市場は、品質管理・検査需要により成長しています。アメテックはFARO Technologies買収により、3D測定・イメージング技術を強化し、競合との差別化を図っています。

電気モーター
Regal Rexnord(リーガル・レックスノード)、Nidec(日本電産)などが競合です。電気モーター市場は、電動化・自動化需要により成長しています。アメテックは航空宇宙・防衛向けに特化し、高付加価値製品で差別化しています。

(2) 競合優位性

アメテックの競合優位性は以下の通りです:

ニッチ市場での高いシェアと価格決定力
アメテックは、航空宇宙・防衛・医療・産業向けにニッチな計測・モーター製品を提供しています。ニッチ市場で高いシェアを獲得し、価格決定力を持ちます。競合が少ない市場で事業を展開し、高マージンを確保しています。

M&A統合ノウハウ
アメテックは、2020年初〜2024年末に14件のM&Aを完了し、年間売上約14億ドル相当を買収しました。M&A統合ノウハウにより、買収企業をAMETEK Growth Modelに統合し、収益性を向上させています。買収企業のオペレーショナルエクセレンス改善により、営業利益率を業界高水準に引き上げています。

アセットライト型ビジネスモデルと高い資金創出力
製造設備を最小限に抑え、資本効率を高めるビジネスモデルです。フリーキャッシュフロー転換率112%(2025年Q1)と高い資金創出力により、配当・自社株買い・M&Aに資金を配分できます。競合と比較して、資本効率が高く、財務柔軟性を維持しています。

(3) 市場でのポジショニング

アメテックは、ニッチ市場の安定成長株として、配当貴族候補としてのポジショニングを確立しています。

ニッチ市場の安定成長株
アメテックは、航空宇宙・防衛・医療・産業向けにニッチな計測・モーター製品を提供しています。ニッチ市場で高いシェアを獲得し、安定した収益を確保しています。受注残高34.7億ドルと過去最高水準で、将来需要は堅調です。

配当貴族候補(連続増配10年超)
アメテックは連続増配10年超の配当貴族候補として、株主還元を重視しています。2025年に配当を11%増額しました(四半期0.28ドル→0.31ドル、年間1.24ドル)。配当利回り0.68%と低めですが、長期的な増配実績が評価されています。

M&A戦略による事業拡大
アメテックは、ニッチ市場のリーディング企業を買収し、事業拡大を継続しています。2020年初〜2024年末に14件のM&Aを完了し、年間売上約14億ドル相当を買収しました。M&A統合ノウハウにより、買収企業をAMETEK Growth Modelに統合し、収益性を向上させています。

4. 財務・配当の実績

(1) 売上高・利益の推移

アメテックの財務実績は以下の通りです(2025年10月時点のデータ):

2025年Q1(2025年3月期)の業績

  • 売上高: 17.3億ドル(前年並み、市場予想下回り)
  • 営業利益: 4.55億ドル(前年比2%増)
  • 営業利益率: 26.3%(前年比+60bp)
  • EPS: 1.75ドル(予想1.67-1.69ドルを上回る、前年比7%増)
  • 受注: 8%増(オーガニック3%増)
  • 受注残高: 34.7億ドル(過去最高水準)
  • フリーキャッシュフロー: 3.94億ドル(転換率112%)

2025年度の見通し
アメテックは2025年度売上を前年比中位一桁成長見込みとし、調整後EPS 7.06-7.20ドルにガイダンスを引き上げました(当初7.02-7.18ドル、前年比3-5%増)。今後数年で利益22-30%成長を予測し、長期目標は事業サイクル全体でEPS 2桁成長・総資本利益率の優位性確保です。

※2025年10月時点のデータです。最新情報はAMETEK Inc.公式IRページをご確認ください。
(出典: AMETEK Inc. 2024 Form 10-K, AMETEK Q1 2025 Earnings Release)

(2) 配当履歴

アメテックは連続増配10年超の配当貴族候補として、株主還元を重視しています。

配当利回り
約0.68%です(2025年10月時点)。四半期配当0.31ドル、年間配当1.24ドルを実施しています。配当利回りは低めですが、長期的な増配実績が評価されています。

連続増配実績
連続増配10年超を達成しています。2025年に配当を11%増額しました(四半期0.28ドル→0.31ドル)。配当貴族候補(25年以上連続増配)として注目されており、今後も増配が継続すると見込まれています。

配当性向
配当性向は20%前後と低めです。フリーキャッシュフロー転換率112%(2025年Q1)と高い資金創出力により、配当・自社株買い・M&Aに資金を配分できる財務基盤を持ちます。

(3) 財務健全性

アメテックの財務健全性は以下の通りです:

高い収益性
営業利益率26.3%(2025年Q1、前年比+60bp)と業界高水準の収益性を維持しています。オペレーショナルエクセレンス・カイゼン活動により、製造効率化・コスト削減を実現しています。

強固なフリーキャッシュフロー創出
フリーキャッシュフロー転換率112%(2025年Q1)と高い資金創出力を持ちます。アセットライト型ビジネスモデルにより、設備投資負担を軽減し、財務柔軟性を維持しています。

自社株買いプログラム
新たに12.5億ドルの自社株買いプログラムを承認しました。資本配分の規律を維持し、株主還元を重視しています。

5. リスク要因

(1) 事業リスク(売上成長鈍化)

アメテックの主な事業リスクは以下の通りです:

Q1 2025売上前年並みで市場予想下回り
Q1 2025売上17.3億ドルは前年並みで市場予想を下回り、株価は前場で1.81%下落しました。売上成長鈍化により、短期的な業績変動リスクがあります。受注残高34.7億ドルと過去最高水準ですが、売上への転換には時間がかかります。

R&D投資不足の指摘(Spruce Point Capital批判レポート)
Spruce Point Capitalの批判レポートは、成長戦略の行き詰まり・R&D投資不足・自社開発できないものを買収していると指摘しています。M&A戦略への依存度が高く、自社開発力が不足していると懸念されています。

M&A統合リスク
2020年初〜2024年末に14件のM&Aを完了し、年間売上約14億ドル相当を買収しました。M&A統合には時間とコストがかかり、統合が計画通りに進まなければ、収益性が低下するリスクがあります。

(2) 市場環境リスク(関税・貿易懸念)

アメテックは以下の市場環境リスクに直面しています:

中国調達部品への関税懸念
高級計測機器部品の中国調達への関税懸念があります。関税政策・貿易動向の変化により、中国調達部品のコスト上昇リスクがあります。グローバルサプライチェーンへの依存度が高く、関税政策の変更が収益性に影響します。

景気循環の影響
産業セクターは景気循環の影響を受けやすい産業です。景気後退により、産業・建設業向け需要が減少すれば、アメテックの売上が減少するリスクがあります。ただし、航空宇宙・防衛(売上の4割)は比較的安定しています。

為替リスク(日本人投資家向け)
日本人投資家にとって、為替レートの変動により円ベースでの投資リターンが大きく影響を受ける可能性があります。円高局面では米ドル建て資産の円換算価値が減少し、円安局面では増加します。

(3) 規制・競争リスク

アメテックは以下の規制・競争リスクに直面しています:

航空宇宙・防衛市場の規制
航空宇宙・防衛市場は規制が厳しく、高い品質・信頼性が求められます。規制変更により、製品開発コスト・認証コストが増加するリスクがあります。

競合との競争激化
各ニッチ市場で異なる競合が存在します。競合との競争激化により、市場シェア・利益率が低下するリスクがあります。M&A戦略により事業拡大を継続していますが、競合もM&Aを活用しており、競争は激化しています。

M&A価格の上昇
ニッチ市場のリーディング企業の買収価格が上昇しており、買収ROIが低下するリスクがあります。M&A戦略への依存度が高く、買収価格の上昇が収益性に影響します。

6. まとめ:投資判断のポイント

(1) この銘柄の強み

アメテックの主な強みは以下の通りです:

ニッチ市場での高いシェアと高収益性
航空宇宙・防衛・医療・産業向けにニッチな計測・モーター製品を提供し、ニッチ市場で高いシェアを獲得しています。営業利益率26.3%(2025年Q1)と業界高水準の収益性を維持しています。

M&A戦略と連続増配実績
2020年初〜2024年末に14件のM&Aを完了し、年間売上約14億ドル相当を買収しました。連続増配10年超の配当貴族候補として、2025年に配当を11%増額しました。

アセットライト型ビジネスモデルと強固なフリーキャッシュフロー創出
フリーキャッシュフロー転換率112%(2025年Q1)と高い資金創出力により、配当・自社株買い・M&Aに資金を配分できます。

(2) リスク要因(再掲)

アメテックの主なリスク要因は以下の通りです:

売上成長鈍化とR&D投資不足
Q1 2025売上17.3億ドルは前年並みで市場予想を下回りました。Spruce Point Capitalの批判レポートは、成長戦略の行き詰まり・R&D投資不足を指摘しています。

関税・貿易懸念とM&A統合リスク
中国調達部品への関税懸念があり、コスト上昇リスクがあります。M&A統合には時間とコストがかかり、統合が計画通りに進まなければ収益性が低下するリスクがあります。

(3) 向いている投資家

アメテックは以下のような投資家に向いています:

ニッチ市場での安定成長を求める投資家
航空宇宙・防衛・医療・産業向けにニッチな計測・モーター製品を提供し、受注残高34.7億ドルと過去最高水準で将来需要は堅調です。

配当継続を重視する投資家
連続増配10年超の配当貴族候補として、2025年に配当を11%増額しました。配当利回り0.68%と低めですが、長期的な増配実績が評価されています。

景気循環に耐えられる長期投資家
景気循環の影響を受けますが、航空宇宙・防衛(売上の4割)は比較的安定しています。長期的な成長を信じ、短期的な業績変動に耐えられる投資家に向いています。

免責事項
本記事は情報提供を目的としており、個別銘柄の推奨を行うものではありません。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。米国株投資には為替リスク、税金(米国源泉徴収10%、日本での課税)、規制リスクなどが伴います。NISA口座では外国税額控除が適用できず米国10%源泉徴収が取り戻せません。最新の財務データ・税率は公式IRページ・国税庁ウェブサイトをご確認ください。

よくある質問

Q1アメテックの配当利回りは?

A1約0.68%です(2025年10月時点)。配当貴族候補として連続増配10年超を達成しており、2025年には配当を11%増額しました(四半期0.28ドル→0.31ドル、年間1.24ドル)。配当利回りは低めですが、長期的な増配実績が評価されています。フリーキャッシュフロー転換率112%(2025年Q1)と高い資金創出力により、今後も増配が継続すると見込まれています。

Q2アメテックの主な競合は?

A2各ニッチ市場で異なりますが、航空宇宙・防衛向け電子機器ではHoneywell(ハネウェル)・Raytheon(レイセオン)、産業計測器ではEmerson Electric(エマソン・エレクトリック)・ABB(エービービー)、電気モーターではRegal Rexnord(リーガル・レックスノード)・Nidec(日本電産)などが競合です。アメテックはM&A戦略でニッチ市場のリーダーを買収して事業拡大する点が特徴です(2020年以降14件・年間売上14億ドル相当を買収)。

Q3アメテックのリスク要因は?

A3主なリスク要因は、売上成長鈍化(Q1 2025は前年並みで市場予想下回り、株価1.81%下落)、中国調達部品への関税懸念、R&D投資不足の指摘(Spruce Point Capital批判レポート)、M&A統合リスクです。受注残高34.7億ドルと過去最高水準ですが、売上への転換には時間がかかります。詳細は本文「5. リスク要因」をご参照ください。

Q4アメテックは長期投資に向いている?

A4ニッチ市場での安定成長と配当継続を求める投資家、景気循環に耐えられる長期投資家に向いています。航空宇宙・防衛(売上の4割)は比較的安定しており、連続増配10年超の配当貴族候補として株主還元を重視しています。営業利益率26.3%、フリーキャッシュフロー転換率112%と高収益性を維持しています。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。