S&P500

ベクトン・ディッキンソン (BDX)

Becton Dickinson and Company

0. この記事でわかること

本記事では、ベクトン・ディッキンソン(BDX)について以下の情報を提供します:

  • なぜ注目されているのか: 医療技術のグローバルリーダーで、50年以上連続増配の配当貴族銘柄。高齢化と医療需要拡大の恩恵を受けるディフェンシブ株
  • 事業内容と成長戦略: 100以上の新製品を2025年度末までに発売、ライフサイエンス事業をWaters Corporationと統合、今後5年間で米国製造能力に25億ドルを投資
  • 競合との差別化: アボット、メドトロニック、ダナハー等と競合。幅広い製品ポートフォリオ(注射器、カテーテル、診断機器)と革新パイプラインで差別化
  • 財務・配当の実績: 2025年第3四半期は売上55億ドル(前年比10.4%増)、調整後EPS 3.68ドル(予想を8.24%上回る)。年間16.4%のEPS成長予測
  • リスク要因: SEC罰金1億7500万ドル(Alaris輸液ポンプの虚偽情報)、負債水準201億ドル、関税費用9000万ドル、アクティビスト投資家の圧力など

(本記事は情報提供を目的としており、投資判断はご自身で行ってください)

1. なぜベクトン・ディッキンソン(BDX)が注目されているのか

(1) 成長戦略の3つのポイント

ベクトン・ディッキンソンは、医療技術のグローバルリーダーとして、以下の3つの成長戦略を推進しています。

100以上の新製品を2025年度末までに発売 ベクトン・ディッキンソンは革新パイプライン戦略として、100以上の新製品を2025年度末までに発売する計画です。そのうち25製品は年間5000万ドル以上の売上を目指しており、イノベーションによる成長加速が期待されています(出典: BD Q3 FY2025決算発表)。

ライフサイエンス事業をWaters Corporationと統合 2026年前半に、Biosciences and Diagnostic Solutions事業をWaters Corporationと統合し、医療技術業界初のReverse Morris Trust(RMT)取引を完了予定です。この税制優遇を受ける企業分割・合併手法により、ライフサイエンス事業を分離し、コア事業(医療機器・インターベンション)に経営資源を集中します(出典: BD Q3 FY2025決算発表)。

今後5年間で米国製造能力に25億ドルを投資 生物製剤デリバリー、スマートコネクテッドケア、インターベンション領域に注力し、今後5年間で米国製造能力に25億ドルを投資する計画です。この投資により、サプライチェーンの強化と製品供給能力の向上を図ります(出典: MedDevice Online分析)。

(2) 注目テーマ

ベクトン・ディッキンソンが投資家の注目を集める主なテーマは以下の3つです:

  • 生物製剤(Biologics)とAI・自動化技術の活用: 生物製剤デリバリーシステムとAI・自動化技術を組み合わせた革新的製品の開発
  • スマートコネクテッドケア(Smart Connected Care): デジタル医療機器とデータ分析を統合した次世代医療ソリューション
  • Edwards Lifesciences社からクリティカルケア事業の買収(2024年完了): 心臓血管領域の製品ラインナップを拡充し、インターベンション事業を強化

これらのテーマは、高齢化と慢性疾患増加のトレンドとともに、ベクトン・ディッキンソンの中長期的な成長を支えています。

(3) 投資家の関心・懸念点

関心点 ベクトン・ディッキンソンは2025年第3四半期に売上55億ドル(前年比10.4%増、オーガニック3.0%増)、調整後EPS 3.68ドル(予想3.40ドルを8.24%上回る)を達成し、株価は8.11%上昇しました。アナリストはEPSが年間16.4%、売上が年間4.4%成長すると予測し、2026年度EPSは15.33-15.69ドルに達する見込みです(出典: Simply Wall St分析、BD Q3 FY2025決算発表)。

アナリストコンセンサスは「Strong Buy」評価(14名が強気、1名がやや強気、2名が中立)を獲得しており、平均目標株価は278.07ドルです。高齢化と医療需要拡大の恩恵を受け、安定した成長が期待されています。

懸念点 一方で、以下の懸念点が指摘されています:

  • SEC罰金1億7500万ドル: Alaris輸液ポンプのリスクに関する虚偽情報で、2024年12月にSECから1億7500万ドルの罰金を科されました(出典: SEC Press Release)
  • 関税費用9000万ドル: 2025年度に関税費用が9000万ドルの負担となり、調整後EPSガイダンスが14.06-14.34ドルに下方修正されました(前回14.30-14.60ドル、出典: BD Q3 FY2025決算発表)
  • アクティビスト投資家Starboard Valueの圧力: ライフサイエンス事業の売却を推進しており、現在の評価額と「サム・オブ・ザ・パーツ」評価の乖離(最大30%増の可能性)が焦点となっています(出典: Yahoo!ファイナンス)
  • CFO突然の退任: 2025年12月にCFOが突然退任し、経営体制への不安が指摘されています
  • 中国市場とバイオサイエンス・ファーマ市場の低迷: 125bps(1.25%)の影響が見込まれています

2. ベクトン・ディッキンソンの事業内容・成長戦略

(1) 主力事業(注射器・カテーテル・診断機器)

ベクトン・ディッキンソンは、1897年に創業した医療技術のグローバルリーダーです。主力事業は以下の3つの事業セグメントです:

BDメディカル(BD Medical)

  • 注射器、針、カテーテル、輸液ポンプ等の医療機器
  • 糖尿病管理製品(インスリン注射器等)
  • 2022年5月に日本で糖尿病領域を分社化し、エムベクタ合同会社を設立(出典: 日本ベクトン・ディッキンソン)

BDライフサイエンス(BD Life Sciences)

  • 診断機器、試薬、細胞解析システム
  • バイオサイエンス・ファーマ市場向け製品
  • 2026年前半にWaters Corporationと統合予定(Reverse Morris Trust取引)

BDインターベンショナル(BD Interventional)

  • 心臓血管・末梢血管領域のカテーテル、ステント等
  • 2024年にEdwards Lifesciences社からクリティカルケア事業を買収し、製品ラインナップを拡充(出典: 日本ベクトン・ディッキンソン)

(2) セクター・業種の説明(Health Care - Health Care Equipment & Supplies)

ベクトン・ディッキンソンは「Health Care(ヘルスケア)」セクターの「Health Care Equipment & Supplies(医療機器・用品)」業種に分類されます。この業種は、高齢化と慢性疾患増加の恩恵を受けるディフェンシブセクターとして知られています。

医療機器業界の特徴:

  • 規制の厳格さ: FDA(米国食品医薬品局)などの規制当局による承認が必要で、開発・販売に時間とコストがかかる
  • 景気耐性: 医療需要は景気変動の影響を受けにくく、安定した収益が期待できる
  • 技術革新: 生物製剤デリバリー、AI・自動化、スマートコネクテッドケアなど、技術革新が進む成長分野

ベクトン・ディッキンソンは、幅広い製品ポートフォリオと革新パイプラインにより、この業種の中でもリーダー的な地位を築いています。

(3) ビジネスモデルの特徴(3事業セグメント・統合医療ソリューション)

ベクトン・ディッキンソンのビジネスモデルの最大の特徴は、3事業セグメント(Medical、Life Sciences、Interventional)を統合した医療ソリューション提供です。

3本柱の成長戦略「Grow, Simplify and Empower」 2020年にローンチしたBD 2025戦略では、以下の3本柱を掲げています(出典: BD 2025戦略発表):

  • Grow(成長): 強力な製品パイプライン、ソリューション型ケアへの移行、地理的拡大
  • Simplify(簡素化): 事業ポートフォリオの最適化(ライフサイエンス事業の分離等)
  • Empower(権限付与): 従業員のエンパワーメントとShared Value(利益と社会的インパクト両立)アプローチ

イノベーションパイプライン 100以上の新製品を2025年度末までに発売する計画であり、そのうち25製品は年間5000万ドル以上の売上を目指しています。生物製剤デリバリー、AI・自動化技術、スマートコネクテッドケアなど、技術シフトを活用したソリューション提供が特徴です(出典: BD Q3 FY2025決算発表)。

3. 競合との差別化

(1) 主要競合企業(アボット、メドトロニック、ダナハー等)

ベクトン・ディッキンソンの主な競合企業は以下の3社です:

  • アボット(Abbott Laboratories): 医療機器・診断の世界的大手。心臓血管、糖尿病管理、栄養製品に強み
  • メドトロニック(Medtronic): 医療機器の世界最大手。心臓血管、神経、糖尿病管理、手術ロボット等、幅広い製品ラインナップを持つ
  • ダナハー(Danaher Corporation): 診断・ライフサイエンスの大手。Beckman Coulter、Cepheid等の診断機器ブランドを保有

これらの競合と比較して、ベクトン・ディッキンソンは幅広い製品ポートフォリオと100新製品パイプラインで差別化しています。

(2) 競合優位性(幅広い製品ポートフォリオ・100新製品パイプライン)

ベクトン・ディッキンソンの競合優位性は以下の3点にまとめられます:

幅広い製品ポートフォリオ 注射器、カテーテル、診断機器、糖尿病管理製品など、幅広い製品ポートフォリオを持ち、病院の包括的な医療ニーズに対応しています。病院にとっては、複数の製品を一括で調達できるため、調達コスト削減と業務効率化につながります。

100新製品パイプライン 100以上の新製品を2025年度末までに発売する計画であり、そのうち25製品は年間5000万ドル以上の売上を目指しています。生物製剤デリバリー、AI・自動化技術、スマートコネクテッドケアなど、革新的な製品開発により競合との差別化を図っています(出典: BD Q3 FY2025決算発表)。

グローバル製造ネットワーク 今後5年間で米国製造能力に25億ドルを投資し、サプライチェーンの強化と製品供給能力の向上を図ります。グローバル製造ネットワークにより、各地域の医療需要に迅速に対応できる体制を構築しています(出典: MedDevice Online分析)。

(3) 市場でのポジショニング(医療技術グローバルリーダー)

ベクトン・ディッキンソンは、医療技術のグローバルリーダーとして、以下の市場でポジショニングを確立しています:

  • 先進国市場: 米国、欧州、日本で高い市場シェアを占める。特に注射器・カテーテル分野では世界トップクラス
  • 新興国市場: 中国、インド、東南アジアで医療インフラ整備が進む中、現地生産・販売網を拡大中
  • 専門医療機器: 心臓血管・末梢血管領域では、Edwards Lifesciences社からクリティカルケア事業を買収(2024年)し、製品ラインナップを強化

2017年にバード社(C.R. Bard)を約240億ドルで買収し、規模を大幅に拡大しました。統合コストと負債管理が課題となっていますが、規模の優位性を活かした成長が期待されています。

4. 財務・配当の実績

(1) 売上高・利益の推移(2025年第3四半期55億ドル、前年比10.4%増)

最新四半期業績 2025年第3四半期の業績は以下の通りです(出典: BD Q3 FY2025決算発表):

  • 売上高:55億ドル(前年比10.4%増、オーガニック3.0%増)
  • 調整後EPS:3.68ドル(予想3.40ドルを8.24%上回る)
  • 調整後粗利率:54.9%(前年比190bps改善)

通期ガイダンス(2025年度)

  • 売上高:219-221億ドル
  • 調整後EPS:14.06-14.34ドル(前回14.30-14.60ドルから下方修正)
  • オーガニック売上成長:3.0-3.5%(前回4.0-4.5%から下方修正)

下方修正の主因は、関税費用9000万ドルの負担と中国市場・バイオサイエンス市場の低迷(125bps影響)です。

将来予想 アナリストはEPSが年間16.4%、売上が年間4.4%成長すると予測し、2026年度EPSは15.33-15.69ドルに達する見込みです(出典: Simply Wall St分析)。

※2025年10月時点のデータです。最新情報はBecton Dickinson公式IRページをご確認ください。

(2) 配当履歴(50年以上連続増配・配当貴族)

ベクトン・ディッキンソンは50年以上連続増配を続ける配当貴族銘柄です。配当利回りは2025年時点で約1.5-2%程度と、ヘルスケア株の中では標準的な水準です。

配当の特徴

  • 連続増配年数:50年以上
  • 配当利回り:約1.5-2%(2025年10月時点)
  • 配当性向:安定しており、持続可能な水準

配当貴族銘柄として、景気後退期でも配当を維持する方針を堅持しています。配当利回りは高くありませんが、安定した配当成長が魅力です。

(3) 財務健全性(調整後粗利率54.9%・負債水準への懸念)

調整後粗利率54.9% 2025年第3四半期の調整後粗利率は54.9%(前年比190bps改善)と高水準です。製品ミックスの改善と効率化により、利益率の向上が進んでいます(出典: BD Q3 FY2025決算発表)。

負債水準への懸念 一方で、2017年のバード社買収により総負債が201億ドルに急増し、負債資本比率は75.93%と高水準です(出典: SEC Press Release)。負債削減と増配のバランスが課題となっています。

ライフサイエンス事業をWaters Corporationと統合(2026年前半)することで、負債削減と財務健全性の改善が見込まれます。

5. リスク要因

(1) 事業リスク(SEC罰金1億7500万ドル・CFO突然の退任)

SEC罰金1億7500万ドル 2024年12月、ベクトン・ディッキンソンはAlaris輸液ポンプのリスクに関する虚偽情報で、SECから1億7500万ドルの罰金を科されました。2020年2月の出荷停止発表で株価が12%下落しており、規制リスクが顕在化しています(出典: SEC Press Release)。

CFO突然の退任 2025年12月にCFOが突然退任し、経営体制への不安が指摘されています。後任CFOの人事と経営の安定性が注目されています。

(2) 市場環境リスク(関税費用9000万ドル・中国市場低迷)

関税費用9000万ドル 2025年度に関税費用が9000万ドルの負担となり、調整後EPSガイダンスが14.06-14.34ドルに下方修正されました(前回14.30-14.60ドル)。関税政策の変更により、原材料コストが上昇するリスクがあります(出典: BD Q3 FY2025決算発表)。

中国市場とバイオサイエンス・ファーマ市場の低迷 中国市場の経済減速とバイオサイエンス・ファーマ市場の低迷により、125bps(1.25%)の影響が見込まれています。新興国市場での成長が期待される一方、短期的には逆風となっています。

為替リスク 日本人投資家にとって、為替リスクは重要な考慮事項です。円高局面では、ドル建て資産の円換算価値が減少します。為替ヘッジを検討する場合は、証券会社の為替手数料(片道0.25円程度)も考慮してください。

(3) 規制・競争リスク(FDA規制・アクティビスト投資家の圧力)

FDA規制 医療機器業界は厳格な規制環境にあり、FDA承認の遅延や製品リコールは業績に大きな影響を与えます。Alaris輸液ポンプのSEC罰金1億7500万ドルは、規制リスクの顕在化の一例です。

アクティビスト投資家Starboard Valueの圧力 アクティビスト投資家Starboard Valueがライフサイエンス事業の売却を推進しており、現在の評価額と「サム・オブ・ザ・パーツ」評価の乖離(最大30%増の可能性)が焦点となっています(出典: Yahoo!ファイナンス)。

ベクトン・ディッキンソンは2026年前半にライフサイエンス事業をWaters Corporationと統合する計画ですが、アクティビスト投資家の圧力により、更なる事業再編の可能性もあります。

6. まとめ:投資判断のポイント

(1) この銘柄の強み(配当貴族ステータス・高齢化トレンド・革新パイプライン)

ベクトン・ディッキンソンの強みは以下の3点にまとめられます:

配当貴族ステータス 50年以上連続増配の配当貴族銘柄として、配当重視の投資家に人気があります。配当利回り約1.5-2%は高くありませんが、安定した配当成長が魅力です。

高齢化トレンド 世界的な高齢化と慢性疾患増加のトレンドにより、注射器、カテーテル、診断機器、糖尿病管理製品への需要が拡大しています。特に新興国市場での成長が期待されています。

革新パイプライン 100以上の新製品を2025年度末までに発売する計画であり、そのうち25製品は年間5000万ドル以上の売上を目指しています。生物製剤デリバリー、AI・自動化技術、スマートコネクテッドケアなど、革新的な製品開発により成長が期待されています。

(2) リスク要因(再掲)

一方で、以下のリスク要因には注意が必要です:

  • SEC罰金1億7500万ドル: Alaris輸液ポンプの虚偽情報で規制リスクが顕在化
  • 負債水準201億ドル: バード社買収により負債資本比率75.93%と高水準
  • 関税費用9000万ドル: 2025年度に関税費用が業績に影響
  • 中国市場・バイオサイエンス市場の低迷: 125bps(1.25%)の影響
  • アクティビスト投資家の圧力: ライフサイエンス事業の売却を推進
  • 為替リスク: 日本人投資家は円高局面での円換算価値減少に注意

(3) 向いている投資家(ヘルスケア株志向・配当成長重視・ディフェンシブ投資家)

ベクトン・ディッキンソンは以下のような投資家に向いています:

  • ヘルスケア株志向の投資家: 高齢化と医療需要拡大のトレンド恩恵を受けたい投資家
  • 配当成長重視の投資家: 50年以上連続増配の実績を重視する長期保有投資家
  • ディフェンシブ投資家: 景気変動の影響を受けにくい医療機器業界に投資したい投資家

一方で、負債水準の高さやSEC罰金1億7500万ドルなどのリスク要因があるため、投資判断は慎重に行う必要があります。ライフサイエンス事業の分離(2026年前半)により、財務健全性の改善が見込まれる点は注目です。

免責事項 本記事は情報提供を目的としており、個別銘柄の推奨や投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。為替リスク、税制変更リスク、最新の財務データは公式IRページをご確認ください。

よくある質問

Q1ベクトン・ディッキンソンの配当利回りは?

A12025年10月時点で約1.5-2%程度です。50年以上連続増配を続ける配当貴族銘柄で、安定した配当成長が特徴です。配当利回りは高くありませんが、配当性向は持続可能な水準であり、景気後退期でも配当を維持する方針を堅持しています。年間16.4%のEPS成長が予測されており、今後の増配も期待されています。

Q2ベクトン・ディッキンソンの主な競合は?

A2アボット(医療機器・診断の世界的大手)、メドトロニック(医療機器の世界最大手)、ダナハー(診断・ライフサイエンスの大手)などです。ベクトン・ディッキンソンは幅広い製品ポートフォリオ(注射器、カテーテル、診断機器、糖尿病管理製品)と100新製品パイプラインで差別化しています。2025年度末までに100以上の新製品を発売し、そのうち25製品は年間5000万ドル以上の売上を目指しています。

Q3ベクトン・ディッキンソンのリスク要因は?

A3主なリスクは以下の6点です:(1)SEC罰金1億7500万ドル(Alaris輸液ポンプの虚偽情報、2024年12月)、(2)負債水準201億ドル(バード社買収により負債資本比率75.93%)、(3)関税費用9000万ドル(2025年度に業績に影響)、(4)中国市場・バイオサイエンス市場の低迷(125bps影響)、(5)アクティビスト投資家Starboard Valueの圧力(ライフサイエンス事業の売却を推進)、(6)CFO突然の退任(2025年12月)。詳細は本文の「5. リスク要因」セクションを参照してください。

Q4ベクトン・ディッキンソンは長期投資に向いている?

A4ヘルスケア株と配当成長株に関心がある投資家、高齢化と医療需要拡大のトレンド恩恵を受けたいディフェンシブ投資家に向いています。50年以上連続増配の実績があり、100新製品パイプラインにより年間16.4%のEPS成長が予測されています。ただし、負債水準の高さやSEC罰金1億7500万ドルなどのリスク要因があるため、投資判断は慎重に行う必要があります。ライフサイエンス事業の分離(2026年前半)により財務健全性の改善が見込まれる点は注目です。投資判断はご自身で行ってください。