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アプティブ (APTV)

Aptiv PLC

0. この記事でわかること

本記事では、アプティブ(APTV)について以下の情報を提供します:

  • なぜ注目されているのか: EV・自動運転への移行により電装部品・ADAS需要が拡大する中、高利益率のソフトウェア定義車両(SDV)技術への特化戦略、中国市場での14億ドル新規契約獲得、2026年3月末のEDS事業分離計画
  • 事業内容と成長戦略: 車両の「脳」(ADAS・ソフトウェア)と「神経系」(電装システム)を提供する自動車部品サプライヤー。2017年にデルファイから分社化し先端技術に特化。EDS事業分離後は14億ドルをAI駆動ADAS・SDVに投資
  • 競合との差別化: Bosch、デンソー、Continentalとの競合において、従来のパワートレイン部品から撤退しADAS・自動運転に特化する戦略で差別化。ソフトウェア・ハードウェア統合により業界トップクラスの営業利益率12.1%を実現
  • 財務・配当の実績: 2025年Q2に売上52億ドル(前年比3.1%増)、調整後EPS 2.12ドル(前年比34.2%増)を達成。配当利回り1%未満で成長投資を優先。EDS分離後は営業利益率10%台半ばを目標
  • リスク要因: Motional合弁会社の赤字(年間0.30ドルのEPS押し下げ)、自動車市場の循環的影響(2024年Q3売上5%減で株価18%急落)、米国の対中関税、サプライチェーン混乱

アプティブは2017年にデルファイから分社化した自動車用電装部品・ADAS(先進運転支援システム)のリーディングカンパニーで、EV・自動運転への移行による電装部品需要拡大の恩恵を受ける銘柄です。配当利回りは低いものの、成長投資を重視する投資家には注目と言えるでしょう。

1. なぜアプティブ(APTV)が注目されているのか

(1) 成長戦略の3つのポイント

アプティブは2025年以降、以下3つの成長戦略を推進しています。

①EDS事業分離による高利益率事業への特化
2026年3月末までにEDS(電気配線システム)事業を分離し、高利益率のソフトウェア・先進安全技術に経営資源を集中する戦略です。分離後は研究開発に14億ドルを投資し、AI駆動ADAS(先進運転支援システム)とソフトウェア定義車両(SDV)を強化します。EDS事業は比較的利益率が低いため、分離により営業利益率を現在の12.1%から10%台半ばへ引き上げる計画です。

②中国市場での積極展開
中国市場で14億ドルの新規契約を獲得し、今後5年間で50%成長を目指しています。BYDやJAC Motorsとの提携、現地生産の活性化により、中国の電動化政策(NEV規制)の恩恵を享受する戦略です。中国は世界最大のEV市場であり、電装部品・ADAS需要の拡大が期待されます。

③非自動車市場への展開
2025年の受注目標310億ドルを設定し、非自動車市場(産業用ロボット、農業機械等)への展開も視野に入れています。自動車市場の循環的影響を受けやすい事業構造を分散し、業界逆風に対するバッファーを構築する方針です。

(2) 注目テーマ(ソフトウェア定義車両・電動化・ADAS)

投資家が注目する主要テーマは以下の3つです。

ソフトウェア定義車両(SDV)
ソフトウェアで車両機能を制御・更新可能な次世代車両アーキテクチャです。アプティブは2030年までに車両ソフトウェアコンテンツの30%を目標とし、SDV技術を強化しています。従来のハードウェア中心の自動車部品ビジネスから、高付加価値のソフトウェア・サービスビジネスへの転換が進行中です。

電動化(Electrification)
EVはガソリン車よりも電装部品が多く、配線やコネクタ、電気/電子アーキテクチャの需要が増加します。アプティブのSignal & Power Solutionsセグメントは、この電動化トレンドの直接的な恩恵を受けます。

ADAS(先進運転支援システム)とAI活用
自動ブレーキ、車線維持支援、駐車支援などのADAS技術は、自動運転への移行過程で重要な役割を果たします。アプティブはAI駆動ADASプラットフォームを開発し、競合との技術的差別化を図っています。

(3) 投資家の関心・懸念点

関心点
アナリスト平均目標株価は77.10ドル(現在価格から21.5%上昇)で「買い」推奨が多数を占めます。2025年Q2の調整後EPS 2.12ドルは予想比18.4%超過し、前年比34.2%増と記録的な業績を達成しました。EDS分離後は中〜高い一桁台の売上成長率と10%台半ばの営業利益率を目標とし、業界トップクラスの利益成長とキャッシュフロー創出が期待されています。

懸念点
一方で、Motional(自動運転合弁会社)の赤字が年間0.30ドルのEPS押し下げ効果として継続しており、投資家は収益性への影響を懸念しています。また、2024年Q3決算では売上49億ドル(前年比5%減)により株価が18%急落する事態が発生しました。顧客の生産調整と自動車生産課題が影響し、マクロ経済逆風(米国の対中関税、サプライチェーンのボトルネック、欧州・アジアの地政学的緊張)が短期的なリスク要因となっています。

2. アプティブの事業内容・成長戦略

(1) 主力事業(Signal & Power Solutions、Advanced Safety & User Experience)

アプティブの事業は以下の2つのセグメントで構成されています。

①Signal & Power Solutions(電装システム)
車両電気システム全体(配線、コネクタ、電気/電子アーキテクチャ)を提供します。車両の「神経系」に相当する事業で、EVの電動化により需要が拡大しています。2025年Q2時点で売上の約60%を占める主力事業です。このセグメントの一部であるEDS(電気配線システム)事業は、2026年3月末までに分離される予定です。

②Advanced Safety & User Experience(先進安全・ユーザー体験)
ADAS(先進運転支援システム)、インフォテインメント、自動運転技術を提供します。車両の「脳」に相当する事業で、ソフトウェア定義車両(SDV)の中核技術です。2025年Q2時点で売上の約40%を占め、高利益率セグメントとして位置づけられています。

アプティブは、車両の「脳」と「神経系」の両方を提供する唯一の企業として、ソフトウェア・ハードウェア・電気/電子アーキテクチャ全体のソリューションを展開しています。

(2) セクター・業種の説明(Consumer Discretionary - Automobile Components)

アプティブはConsumer Discretionary(一般消費財)セクターのAutomobile Components(自動車部品)業界に属します。

自動車部品業界は、完成車メーカー(OEM)に部品を供給するサプライヤーで構成されます。アプティブは、特に電装部品・ADAS分野で強みを持つTier 1サプライヤー(完成車メーカーに直接納入する一次サプライヤー)です。

自動車部品業界は景気循環の影響を受けやすく、自動車販売台数の増減に連動します。しかし、EV・自動運転への移行により、電装部品・ADAS需要は構造的に拡大する見込みです。従来のガソリン車部品(エンジン、変速機等)の需要が減少する一方、電装システム・センサー・ソフトウェアの需要が増加し、アプティブは後者の成長トレンドの恩恵を受ける位置にあります。

(3) ビジネスモデルの特徴(車両の「脳」と「神経系」)

アプティブのビジネスモデルには3つの特徴があります。

①ソフトウェア・ハードウェア統合
車両の「脳」(ADAS・ソフトウェア)と「神経系」(電装システム)の両方を提供することで、完成車メーカーに包括的なソリューションを提供できます。競合の多くはハードウェアまたはソフトウェアのいずれかに特化しているため、この統合アプローチが差別化要因となっています。

②EDS分離による高収益化
2026年3月末までにEDS(電気配線システム)事業を分離し、高利益率のソフトウェア・ADAS事業に特化します。EDS事業は安定収益を生むものの利益率が低いため、分離後は営業利益率10%台半ばへの改善が見込まれます。

③AI駆動ADAS技術
14億ドルの研究開発投資により、AI駆動ADASプラットフォームを強化します。機械学習により、自動ブレーキ・車線維持支援などのADAS機能を最適化し、競合との技術的差別化を図る戦略です。

3. 競合との差別化

(1) 主要競合企業(Bosch、デンソー、Continental)

アプティブの主要競合は以下の3社です。

Bosch(ボッシュ、ドイツ)
世界最大の自動車部品サプライヤーで、エンジン制御システム、ブレーキシステム、ADAS等幅広い製品を提供します。売上規模はアプティブの約10倍(年間約500億ユーロ)で、圧倒的な市場シェアを持ちます。

デンソー(日本)
トヨタグループの自動車部品サプライヤーで、エアコン、エンジン制御、電動化部品に強みを持ちます。売上規模はアプティブの約3倍(年間約6兆円)で、日本・アジア市場で強固な地位を確立しています。

Continental(コンチネンタル、ドイツ)
タイヤとADAS・電装部品を手掛ける複合企業です。ADAS・自動運転技術に注力しており、アプティブと競合する領域が多い企業です。

(2) 競合優位性(ADAS・自動運転への特化)

アプティブは以下3点で競合と差別化しています。

①ADAS・自動運転への特化戦略
アプティブは2017年にデルファイから分社化した際、従来のパワートレイン部品(エンジン、変速機等)事業を切り離し、ADAS・電装部品に特化する戦略を採用しました。Boschやデンソーが幅広い製品ラインナップを持つのに対し、アプティブは成長領域に経営資源を集中することで高収益を実現しています。

②ソフトウェア・ハードウェア統合の優位性
車両の「脳」と「神経系」の両方を提供できる唯一の企業として、完成車メーカーに統合ソリューションを提供できます。競合の多くは単一の製品カテゴリに強みを持つものの、アプティブのような統合アプローチは稀です。

③業界トップクラスの収益性
2025年Q2の営業利益率12.1%は、自動車部品業界でトップクラスの水準です。Boschは非上場のため詳細不明ですが、デンソーの営業利益率は約8%(2024年3月期)であり、アプティブの高収益体質が際立ちます。EDS分離後は営業利益率10%台半ばへの改善が見込まれ、さらなる収益性向上が期待されます。

(3) 市場でのポジショニング(先端技術リーダー)

アプティブは、ADAS・自動運転技術分野において、Bosch、Continentalと並ぶ主要プレイヤーの地位を確立しています。市場シェアは全体で約5-7%と推定され、Bosch(約15-20%)、デンソー(約10-12%)に次ぐ規模です。

しかし、ADAS・自動運転技術に限定すると、アプティブのシェアはより高く、特にソフトウェア定義車両(SDV)分野ではリーダー的存在と評価されています。Motional合弁会社を通じてSAE レベル4-5の自動運転技術を開発中であり、将来的な自動運転市場でのシェア拡大が期待されます。

4. 財務・配当の実績

(1) 売上高・利益の推移(2025年Q2実績)

アプティブの財務実績は以下の通りです(2025年Q2決算)。

項目 2025年Q2 2024年Q2 前年比
売上高 52.1億ドル 50.5億ドル +3.1%
調整後営業利益 6.28億ドル 6.06億ドル +3.6%
調整後営業利益率 12.1% 12.0% +0.1pt
調整後EPS(1株当たり利益) 2.12ドル 1.58ドル +34.2%

(出典: Aptiv PLC Q2 2025 Earnings Report, SEC EDGAR)

過去5年の売上推移

  • 2020年: 129億ドル(コロナ影響で減収)
  • 2021年: 159億ドル(前年比23%増、回復期)
  • 2022年: 177億ドル(前年比11%増)
  • 2023年: 196億ドル(前年比11%増)
  • 2024年: 201億ドル(前年比3%増)

2024年Q3に一時的な売上減少(前年比5%減)があったものの、2025年Q2には回復基調を示しています。

2025年通期見通し
売上200-203億ドル、調整後営業利益率12.1%を予想しています。

(2) 配当履歴(配当利回り1%未満)

アプティブの配当利回りは1%未満です(2025年時点)。配当を求める投資家には魅力が低い銘柄と言えます。

配当政策の背景
同社は成長投資を重視しており、配当よりも研究開発(年間約14億ドル)や事業拡大に資金を優先配分しています。自動車部品業界では、成長期の企業は配当を抑えて事業投資に回すケースが一般的です。アプティブもEV・自動運転への移行期において、配当よりもキャピタルゲイン(株価上昇益)による投資収益を重視する方針です。

(3) 財務健全性(営業利益率12.1%、EDS分離後の見通し)

アプティブの財務健全性は以下の指標で評価できます。

①調整後営業利益率12.1%
自動車部品業界でトップクラスの収益性を誇ります。デンソー(約8%)、Continental(約7%)を上回る水準です。

②EDS分離後の見通し
2026年3月末までにEDS事業を分離後、営業利益率10%台半ばへの改善を目標としています。分離により、高利益率のソフトウェア・ADAS事業の比率が高まり、さらなる収益性向上が期待されます。

③キャッシュフロー
2025年Q2のフリーキャッシュフローは公表されていませんが、通期で強力なキャッシュフロー創出を見込んでいます。EDS分離により、資本効率が改善されると予想されます。

※2025年10月時点のデータです。最新情報はAptiv公式IRページをご確認ください。

5. リスク要因

(1) 事業リスク(Motional合弁会社の赤字、自動車生産調整)

アプティブには以下の事業リスクが存在します。

①Motional合弁会社の赤字
Aptivと現代自動車グループの自動運転合弁会社Motionalは、SAE レベル4-5の自動運転技術を開発中ですが、現時点では赤字が続いています。年間0.30ドルのEPS押し下げ効果が継続しており、投資家は収益性への影響を懸念しています。自動運転技術の商業化には時間がかかるため、短期的には収益性への逆風となります。

②自動車生産調整
2024年Q3決算では、顧客の生産調整と自動車生産課題により売上が前年比5%減少し、株価が18%急落しました。自動車部品業界は完成車メーカーの生産台数に連動するため、マクロ経済の影響を受けやすい構造です。

③サプライチェーン混乱
半導体不足やサプライチェーンのボトルネックにより、生産が遅延するリスクがあります。特にADAS・電装部品は半導体への依存度が高く、供給不安が業績に影響します。

(2) 市場環境リスク(景気後退、為替変動、対中関税)

①景気後退リスク
自動車市場は景気循環の影響を強く受けます。景気後退時には自動車販売台数が減少し、部品需要も連動して減少します。アプティブはEDS分離により高利益率事業に特化しますが、売上規模は自動車生産台数に依存するため、景気後退は短期的な逆風となります。

②為替変動リスク
日本人投資家にとって、為替レート変動により実質的な投資リターンが変動するリスクがあります。アプティブは米国企業ですが、欧州・アジアでも事業を展開しており、ドル・ユーロ・円の為替変動が業績に影響します。

③米国の対中関税
米国の対中関税政策により、中国市場での事業コストが上昇するリスクがあります。アプティブは中国市場で14億ドルの新規契約を獲得し、今後5年間で50%成長を目指していますが、関税引き上げは収益性の悪化要因となります。

(3) 規制・競争リスク(サプライチェーン混乱、地政学的緊張)

①地政学的リスク
欧州・アジアの地政学的緊張(ウクライナ情勢、台湾海峡問題等)により、サプライチェーンが寸断されるリスクがあります。アプティブはグローバルに事業を展開しているため、地政学的リスクの影響を受けやすい企業です。

②競争激化リスク
Bosch、デンソー、Continentalなど大手競合との競争が激化する可能性があります。特にソフトウェア定義車両(SDV)分野では、Tesla、Googleなど異業種からの参入もあり、競争環境が厳しくなる可能性があります。

③EDS分離の不確実性
2026年3月末予定のEDS事業分離は、計画通りに完了しない可能性があります。分離が遅延した場合、高収益化戦略の実現が後ずれするリスクがあります。

6. まとめ:投資判断のポイント

(1) この銘柄の強み(EV・自動運転トレンドの追い風、EDS分離による高収益化)

アプティブの強みは以下3点です。

①EV・自動運転トレンドの追い風
EVはガソリン車よりも電装部品が多く、自動運転への移行によりADAS需要が拡大します。アプティブは、この構造的成長トレンドの恩恵を受ける位置にあります。2025年Q2の調整後EPS 2.12ドルは前年比34.2%増と、高成長を実現しています。

②EDS分離による高収益化
2026年3月末までにEDS事業を分離し、営業利益率10%台半ばへの改善を目標としています。高利益率のソフトウェア・ADAS事業に特化することで、業界トップクラスの収益性をさらに向上できます。

③中国市場での成長余地
中国市場で14億ドルの新規契約を獲得し、今後5年間で50%成長を目指しています。世界最大のEV市場である中国での事業拡大は、長期的な成長ドライバーとなります。

(2) リスク要因(再掲)(Motional赤字、マクロ経済逆風)

一方で、以下2点のリスクに注意が必要です。

①Motional赤字と短期的な収益性への影響
Motional合弁会社の赤字(年間0.30ドルのEPS押し下げ)が継続しており、自動運転技術の商業化には時間がかかります。短期的には収益性への逆風となります。

②マクロ経済逆風
米国の対中関税、サプライチェーン混乱、地政学的緊張により、業績が変動するリスクがあります。2024年Q3には売上が前年比5%減少し、株価が18%急落しました。

(3) 向いている投資家(成長投資重視、自動車テクノロジーに関心)

アプティブは以下のような投資家に向いています。

①EV・自動運転の長期トレンドに投資したい投資家
EV・自動運転への移行は10-20年の長期トレンドであり、電装部品・ADAS需要は構造的に拡大します。長期的な成長を期待する投資家に適しています。

②成長性を重視し配当利回りよりキャピタルゲインを期待する投資家
配当利回りは1%未満ですが、2025年Q2の調整後EPS 2.12ドルは前年比34.2%増と高成長を実現しています。キャピタルゲイン(株価上昇益)を狙う投資家に向いています。

③自動車テクノロジーに関心があり、リスク許容度が高い投資家
ADAS・自動運転技術の理解があり、Motional赤字やマクロ経済逆風などのリスクを織り込んだ上で投資判断できる方向けです。短期的な株価変動に耐えられるリスク許容度が求められます。

免責事項
本記事は情報提供を目的としており、個別銘柄の推奨を行うものではありません。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。最新の財務データや事業動向はAptiv公式IRページ、SEC EDGAR等でご確認ください。

※2025年10月時点のデータです。税率、為替レート、規制内容、EDS分離計画は変更される可能性があります。

よくある質問

Q1アプティブの配当利回りは?

A1アプティブの配当利回りは1%未満です(2025年時点)。成長投資を重視しており、配当よりも研究開発(年間約14億ドル)や事業拡大に資金を優先配分しています。配当を求める投資家には魅力が低いですが、キャピタルゲイン(株価上昇益)を期待する成長投資家には適しています。

Q2アプティブの主な競合は?

A2主要競合はBosch(ドイツ、世界最大の自動車部品サプライヤー)、デンソー(日本、トヨタグループ)、Continental(ドイツ、タイヤ・ADAS)です。アプティブはADAS・自動運転に特化し、従来のパワートレイン部品から撤退した点が差別化要因です。ソフトウェア・ハードウェア統合により営業利益率12.1%を実現し、業界トップクラスの収益性を誇ります。

Q3アプティブのリスク要因は?

A3主なリスクは①Motional合弁会社の赤字(年間0.30ドルのEPS押し下げ)、②自動車市場の循環的影響(2024年Q3売上5%減で株価18%急落)、③米国の対中関税、④サプライチェーン混乱、⑤地政学的緊張です。自動車部品業界は景気循環の影響を受けやすく、短期的な株価変動に注意が必要です。詳細は本文のリスク要因セクションをご確認ください。

Q4アプティブは長期投資に向いている?

A4EV・自動運転の長期トレンド(10-20年)に投資したい投資家、成長性を重視し配当利回りよりキャピタルゲインを期待する投資家に向いています。2025年Q2の調整後EPS 2.12ドルは前年比34.2%増と高成長を実現しており、長期的な成長余地があります。ただし、Motional赤字やマクロ経済逆風などのリスクを理解し、短期的な株価変動に耐えられるリスク許容度が必要です。投資判断はご自身の責任で行ってください。

Q5アプティブのEDS事業分離の影響は?

A52026年3月末までにEDS(電気配線システム)事業を分離し、高利益率のソフトウェア・ADAS事業に特化します。分離後は営業利益率10%台半ばを目標とし(現在12.1%から改善)、中〜高い一桁台の売上成長率を見込んでいます。14億ドルの研究開発投資によりAI駆動ADASとソフトウェア定義車両を強化し、業界トップクラスの利益成長とキャッシュフロー創出を目指します。