0. この記事でわかること
本記事では、コストコ・ホールセール(COST)について以下の情報を提供します:
- なぜ注目されているのか: 会員制倉庫型スーパーの世界最大手。年会費モデルで利益の大半が会員費収入(営業利益の7割超)。年間約30店舗の新規出店、Eコマース売上15%成長、会員費14%増が成長を牽引する一方、PER 47倍の高バリュエーションが懸念材料
- 事業内容と成長戦略: 年会費(米国60-120ドル/年)モデルで、商品は薄利多売だが会員の高い継続率(90%超)が収益を安定化。会員数1.3億人超、既存店売上高は年率5-7%成長。2025年度は売上高2,700億ドル弱(8%増)を見込む
- 競合との差別化: Walmart(Sam's Club)、Amazon(Prime会員)と競合するが、会員更新率90%超、「宝探し感覚」の商品構成、高品質プライベートブランド(カークランドシグネチャー)で差別化
- 財務・配当の実績: 配当利回り0.5-0.8%と低いが、特別配当を不定期実施(2020年、2024年に1株10-15ドル)。配当性向25-30%で、利益の大半を新規出店・既存店改装に再投資
- リスク要因: PER 47倍・フリーキャッシュフロー倍率52倍の高バリュエーション、Eコマース競争での後れ(オンライン売上3%未満)、会員費値上げ後の成長鈍化が懸念材料
(約330字)
1. なぜコストコ・ホールセール(COST)が注目されているのか
コストコ・ホールセールは、会員制倉庫型スーパーの世界最大手です。年会費モデルにより、商品は薄利多売でも高い収益性を実現しており、会員の高い継続率(90%超)が成長を支えています。
(1) 成長戦略の3つのポイント
① 積極的な店舗拡張
年間約30店舗の新規出店を計画しており、2025年度は27店舗、2026年度は35店舗を開設予定です。国内外両方での拡大により新市場を獲得し、2025年までに年間売上高3,000億ドルを目標としています。米国だけでなく、中国、日本、韓国、台湾などアジア市場での出店も加速しています。
② Eコマース事業の強化
オンラインプラットフォームへの投資を拡大し、物流・配送サービスを改善しています。従来の食料品以外の裁量商品(家電、家具、アパレル等)をオンライン展開し、Eコマース売上は前年比14.8%増(四半期)、16.4%増(年初来)で、2025年度通期で196億ドル超、15%成長を達成しました。
③ 会員制モデルの深化
更新率90%超を維持し、エグゼクティブ会員(年会費120ドル、2%還元特典付き)の増加を推進しています。会員費収入は前年比14%増で、有料会員数は8,100万人(前年比6.3%増)、エグゼクティブ会員は9.3%増となりました。2024年に会員費を5ドル引き上げ60ドルに設定し、収益基盤を強化しました。
(2) 注目テーマ(会員制モデル・Eコマース・カークランド)
投資家が注目しているテーマは以下の3つです:
- 会員制モデル(Membership Model): 年会費収入が利益の大半を占めるビジネスモデル。2023年度の会員費収入は約45億ドルで、営業利益の約75%に相当します。商品販売は原価率87-88%の薄利ですが、大量仕入れ・効率運営で低価格を実現し、会員を囲い込んでいます。
- Eコマース・デジタル化: オンライン売上は全体の約7%(196億ドル/2,700億ドル)ですが、15%成長と高い伸びを示しています。ただし、オンライン注文・店舗受取サービス(BOPIS)の導入には消極的で、Amazonやウォルマートと比べると遅れています。
- カークランドシグネチャー(プライベートブランド): コストコのプライベートブランドで、高品質・低価格を実現しています。売上浸透率(全体売上に占めるPB比率)を拡大中で、利益率の向上に寄与しています。
(3) 投資家の関心・懸念点
関心点:
- アナリスト平均目標株価は1,065ドル(範囲890〜1,195ドル)で、コンセンサスは「買い」です(アナリスト38名中22名が買い・強気買い評価)。
- 2026年予想1,240ドル、2030年予想1,761ドルとの長期予測も存在し、今後数十年にわたり店舗数の着実な増加が期待されています。
- 会員更新率は93%近くに達し、前年比7%の会員増加を実現。負債は17%減少し、配当は12%成長(直近)しています。
- 中国での店舗拡大により、巨大消費市場に食い込む可能性があります。
懸念点:
- PER 47倍、フリーキャッシュフロー倍率52倍と過去平均を大きく上回り、競合他社の約2倍の利益成長を市場が織り込み済みです。大手小売で最高水準のバリュエーションとなっています。
- 会員費5ドル値上げ後、来年は利益13%増予想ですが、その後は成長が鈍化する見込みです。持続的な成長鈍化は株価評価を大幅に引き下げる可能性があります。
- オンライン売上は全体の3%未満(注: Eコマース売上196億ドルは全体の約7%ですが、一部の情報源では店舗受取を除いた純オンライン配送が3%未満と指摘)で、BOPIS導入に消極的です。Amazonやウォルマートがeコマース投資を拡大する中、競争力低下のリスクがあります。
- EPS成長率は9.42%に減速(過去3年平均12.02%)しており、既存店売上成長が前四半期から減速、会員更新率も微減しています。
将来性:
2025年度は売上高2,700億ドル弱(前年比8%増)、1株利益は前年比14%増を達成見込みです。ただし、関税影響やサプライチェーン混乱が成長を左右する要因となります。グローバル調達依存度が高いため、米中貿易摩擦や関税政策の変更が業績に影響する可能性があります。
2. コストコ・ホールセールの事業内容・成長戦略
コストコは、会員制倉庫型スーパー(Membership Warehouse Club)として、年会費を支払った会員のみが購入できる仕組みを採用しています。
(1) 主力事業
① 会員制倉庫型小売事業
食料品、日用品、家電、アパレル、家具、タイヤ、ガソリンなど幅広い商品を扱っています。商品数は約3,700〜4,000SKU(在庫管理単位)に厳選されており、従来小売(数万SKU)と比べて大幅に少ない品揃えです。これにより、サプライヤーとの交渉力を強化し、低価格を実現しています。
② 会員費収入
ビジネスモデルの核は年会費収入で、2023年度の会員費収入は約45億ドル(営業利益の約75%に相当)です。会員種別は以下の通りです:
- ゴールドスター会員: 年会費60ドル(個人向け)
- ビジネス会員: 年会費60ドル(事業者向け)
- エグゼクティブ会員: 年会費120ドル(年間購入額の2%還元特典付き)
会員数は世界で1.3億人超(2025年時点で1億3,900万人との報告もあり)、有料会員は8,100万人で、継続率は90%超と極めて高い水準です。
③ Eコマース事業
2025年度通期でEコマース売上は196億ドル超(15%成長)を達成しました。オンラインでは、家電、家具、アパレルなどの裁量商品を中心に展開しています。ただし、オンライン注文・店舗受取サービス(BOPIS)の導入には消極的で、Amazonやウォルマートと比べるとデジタル化が遅れています。
④ 付帯サービス
- ガソリンスタンド: 会員向けに低価格でガソリンを提供
- フードコート: 低価格の軽食(ホットドッグ、ピザ等)を提供
- 旅行サービス: 旅行パッケージ、レンタカー予約
- 自動車保険・生命保険: 会員向け保険商品
(2) セクター・業種の説明
セクター: Consumer Staples(生活必需品)
業種: Consumer Staples Distribution & Retail(生活必需品流通・小売)
生活必需品セクターは、景気変動の影響を受けにくいディフェンシブセクターとして知られています。食料品、日用品は景気後退期でも需要が安定しており、コストコの既存店売上高は年率5-7%成長を維持しています。
(3) ビジネスモデルの特徴
① 会員費収入モデル
商品販売は原価率87-88%の薄利ですが、会員費収入により高い収益性を実現しています。粗利率は約10.48%(業界平均20〜30%)ですが、会員費収入が利益の大半を占めるため、営業利益率は約3-4%と健全な水準です。
② 厳選品揃え(約3,700〜4,000SKU)
従来小売が数万SKUを扱うのに対し、コストコは約3,700〜4,000SKUに厳選しています。これにより、サプライヤーとの交渉力を強化し、大量仕入れによる低価格を実現しています。商品マークアップ(上乗せ率)を10〜15%に制限しており、従来小売(25〜50%)と比べて大幅に低い水準です。
③ 「宝探し感覚」の商品構成
コストコは、毎回同じ商品が並ぶわけではなく、季節限定商品や数量限定商品を投入することで、「今日は何があるかな?」という宝探し感覚を演出しています。これにより、会員の来店頻度を高め、衝動買いを促進しています。
④ カークランドシグネチャー(PB)
コストコのプライベートブランド「カークランドシグネチャー」は、高品質・低価格を実現しており、売上浸透率を拡大中です。食料品、日用品、アパレル、家電など幅広いカテゴリーで展開し、利益率の向上に寄与しています。
⑤ 販管費率の極限抑制
販管費率を約10%に抑制しており、業界平均(20-30%)と比べて大幅に低い水準です。店舗はシンプルな倉庫型で、内装・装飾を最小限にし、大量陳列により人件費を削減しています。
3. 競合との差別化
(1) 主要競合企業
会員制倉庫型小売の主要競合は以下の通りです:
① Walmart(Sam's Club): ウォルマート傘下の会員制倉庫型小売。米国内で約600店舗を展開。年会費50ドル(Sam's Club Plus 110ドル)で、コストコより低価格。ただし、会員更新率はコストコより低いと言われています。
② Amazon(Prime会員): 年会費139ドルのPrime会員向けにオンライン配送、動画・音楽ストリーミング、電子書籍などを提供。Eコマースでは圧倒的な優位性を持ちます。
③ BJ's Wholesale Club: 米国東海岸中心の会員制倉庫型小売。店舗数は約240店舗で、コストコ(約880店舗)、Sam's Club(約600店舗)より小規模。
一般小売との競合としては、Walmart、Target、Krogerなどが挙げられます。
(2) 競合優位性
① 極めて高い会員更新率(90%超)
コストコの会員更新率は90%超(直近93%近く)で、Sam's Club(約80-85%)を大きく上回ります。一度会員になると継続する傾向が強く、安定した収益基盤となっています。
② 「宝探し感覚」の商品構成
コストコは、毎回同じ商品が並ぶわけではなく、季節限定商品や数量限定商品を投入することで、会員の来店頻度を高めています。Sam's Clubやウォルマートと比べ、エンターテインメント性が高いと評価されています。
③ 高品質プライベートブランド(カークランドシグネチャー)
カークランドシグネチャーは、品質評価が高く、ナショナルブランドと遜色ないと評価されています。売上浸透率を拡大中で、利益率の向上に寄与しています。
④ 低価格戦略
商品マークアップを10〜15%に制限し、従来小売(25〜50%)と比べて大幅に低価格を実現しています。ガソリンスタンドも会員向けに低価格で提供しており、ガソリン販売が来店動機となっています。
⑤ 厳選品揃え(約3,700〜4,000SKU)
従来小売(数万SKU)と比べて大幅に少ない品揃えですが、これがサプライヤーとの交渉力を強化し、低価格を実現しています。選択肢が少ない分、購買決定が早く、衝動買いを促進する効果もあります。
(3) 市場でのポジショニング
会員制倉庫型小売市場: 米国ではコストコ(約600店舗)、Sam's Club(約600店舗)、BJ's Wholesale Club(約240店舗)が3強です。コストコは売上高で最大(2,700億ドル弱)で、Sam's Club(約850億ドル)を大きく引き離しています。
グローバル展開: コストコは米国、カナダ、メキシコ、日本、韓国、台湾、中国、オーストラリア、スペイン、フランス、アイスランド、英国など世界約15か国で約880店舗を展開しています。中国市場での店舗拡大により、巨大消費市場に食い込む可能性があります。
株価パフォーマンス: 過去10年で株価は年率平均20%超上昇しましたが、PER 47倍は大手小売で最高水準のバリュエーションとなっています。
4. 財務・配当の実績
(1) 売上高・利益の推移
過去5年間の財務データは以下の通りです(単位: 10億ドル、会計年度は8月期):
会計年度 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 | EPS | 配当/株 |
---|---|---|---|---|---|
2020 | 166.8 | 5.4 | 4.0 | 9.02 | 2.90 |
2021 | 195.9 | 6.7 | 5.0 | 11.27 | 3.57 |
2022 | 226.9 | 7.5 | 5.8 | 13.14 | 3.64 |
2023 | 242.3 | 7.8 | 6.3 | 14.16 | 4.48 |
2024 | 254.5 | 8.1 | 6.7 | 15.23 | 4.68 |
(出典: Costco Wholesale Corporation 10-K 2024, SEC EDGAR)
2025年度ガイダンス:
- 売上高: 約2,700億ドル(前年比8%増)
- 1株利益: 前年比14%増
- Eコマース売上: 196億ドル超(15%成長)
- 新規出店: 27店舗(2026年度は35店舗予定)
Q4 2025決算ハイライト(2025年8月期):
- 売上高: 844.3億ドル(前年比8%増)
- 純利益: 26.1億ドル(1株5.87ドル、前年比11%増)
- 会員費収入: 前年比14%増
- 有料会員数: 8,100万人(前年比6.3%増)
- エグゼクティブ会員: 前年比9.3%増
(2) 配当履歴
配当利回り: 約0.5-0.8%(2025年10月時点)
配当推移:
- 2020年: 2.90ドル/株
- 2021年: 3.57ドル/株(23.1%増)
- 2022年: 3.64ドル/株(2.0%増)
- 2023年: 4.48ドル/株(23.1%増)
- 2024年: 4.68ドル/株(4.5%増)
配当は年率約10%で成長していますが、配当利回りは0.5-0.8%と低い水準です。配当性向は25-30%で、利益の大半を新規出店・既存店改装に再投資しています。
特別配当:
- 2020年: 1株10ドルの特別配当を実施
- 2024年: 1株15ドルの特別配当を実施
特別配当は不定期実施ですが、現金が蓄積された際に株主還元として実施されることがあります。
(3) 財務健全性
フリーキャッシュフロー: 2024年度は約70億ドル超のフリーキャッシュフローを創出しており、新規出店・配当・自社株買いを賄える水準です。
自己資本比率: 約40-45%(推定)で、財務健全性は良好です。負債は直近17%減少しており、財務体質が改善しています。
ROE(自己資本利益率): 約30%前後と極めて高い水準で、資本効率の高い経営を実現しています。
営業キャッシュフロー: 2024年度は約180億ドル超のキャッシュフローを創出し、安定した現金創出能力を持っています。
※2025年10月時点のデータです。最新情報はCostco公式IRページ(https://investor.costco.com/)をご確認ください。
5. リスク要因
(1) 事業リスク
① 高バリュエーション
PER 47倍、フリーキャッシュフロー倍率52倍と過去平均を大きく上回り、競合他社の約2倍の利益成長を市場が織り込み済みです。大手小売で最高水準のバリュエーションとなっており、成長が鈍化すると株価が大幅に下落するリスクがあります。
② 会員費値上げ後の成長鈍化
2024年に会員費を5ドル引き上げ60ドルに設定しましたが、来年は利益13%増予想で、その後は成長が鈍化する見込みです。持続的な成長鈍化は株価評価を大幅に引き下げる可能性があります。
③ Eコマース競争での後れ
オンライン売上は全体の約7%(196億ドル)ですが、純オンライン配送は3%未満との指摘もあり、オンライン注文・店舗受取サービス(BOPIS)の導入には消極的です。Amazonやウォルマートがeコマース投資を拡大する中、競争力低下のリスクがあります。
④ 既存店売上成長の減速
既存店売上成長が前四半期から減速しており、会員更新率も微減しています。EPS成長率は9.42%に減速(過去3年平均12.02%)しており、成長鈍化の兆候が見られます。
(2) 市場環境リスク
① 関税・サプライチェーン混乱
グローバル調達依存度が高いため、米中貿易摩擦や関税政策の変更が業績に影響する可能性があります。2025年度ガイダンスでも、関税影響が成長を左右する要因と指摘されています。
② 為替リスク
海外売上比率(カナダ、メキシコ、日本、中国等)が約30%を占めるため、為替変動の影響を受けます。円高・ドル安が進むと、円ベースの日本人投資家にとってはプラスですが、同社の米ドル建て売上はマイナスの影響を受けます。
③ 景気後退リスク
生活必需品セクターはディフェンシブですが、景気後退期には裁量商品(家電、家具、アパレル等)の売上が減少する可能性があります。コストコは食料品以外の裁量商品比率が高いため、景気後退の影響を受ける可能性があります。
(3) 規制・競争リスク
① Amazon・ウォルマートとの競争激化
AmazonはPrime会員(年会費139ドル)向けにオンライン配送、動画・音楽ストリーミング、電子書籍などを提供し、Eコマースで圧倒的な優位性を持ちます。ウォルマートもオムニチャネル戦略(オンライン注文・店舗受取)を強化しており、競争が激化しています。
② Sam's Clubとの価格競争
Sam's Clubは年会費50ドル(コストコより10ドル低価格)で、価格競争が激化する可能性があります。ただし、会員更新率はコストコが大幅に高く、ブランド力では優位です。
③ 労働コスト上昇
米国での最低賃金引き上げ、人手不足により、労働コストが上昇する可能性があります。コストコは従業員の待遇が良いことで知られていますが、労働コスト上昇が利益率を圧迫するリスクがあります。
6. まとめ:投資判断のポイント
(1) この銘柄の強み
① 会員制モデルによる安定収益
年会費収入が利益の大半を占め、会員更新率90%超により安定した収益基盤を実現しています。商品販売は薄利ですが、会員費収入により高い収益性を維持しています。
② 高い会員ロイヤルティ
会員更新率93%近く、「宝探し感覚」の商品構成、高品質プライベートブランド(カークランドシグネチャー)により、会員のロイヤルティが極めて高い水準です。
③ 着実な店舗拡張
年間約30店舗の新規出店により、売上高は年率5-8%成長しています。米国だけでなく、中国、日本、韓国などアジア市場での出店も加速しており、今後数十年にわたり成長が期待されます。
(2) リスク要因(再掲)
① 高バリュエーション
PER 47倍、フリーキャッシュフロー倍率52倍と大手小売で最高水準のバリュエーションです。成長が鈍化すると株価が大幅に下落するリスクがあります。
② Eコマース競争での後れ
オンライン売上は全体の約7%で、BOPIS導入に消極的です。Amazonやウォルマートがeコマース投資を拡大する中、競争力低下のリスクがあります。
(3) 向いている投資家
① ディフェンシブ成長株を長期保有したい投資家
生活必需品セクターで景気変動の影響を受けにくく、年率5-8%の安定成長が見込まれます。配当利回りは低いですが、株価上昇による値上がり益を期待する投資家に向いています。
② コストコ会員として企業を理解している投資家
コストコ会員として店舗を利用しており、企業への信頼感がある投資家に向いています。会員体験が良好であれば、事業の持続可能性を実感できます。
③ 高バリュエーションを許容できる投資家
PER 47倍の高バリュエーションを許容し、長期的な成長を信じる投資家に向いています。短期的には株価変動が大きい可能性がありますが、今後数十年にわたり店舗拡張が期待されます。投資判断はご自身で慎重に行ってください。
免責事項: 本記事は情報提供を目的としており、個別銘柄の推奨や投資助言ではありません。投資判断は自己責任で行ってください。最新の財務データ、決算発表は公式IRページ(https://investor.costco.com/)およびSEC EDGAR(https://www.sec.gov/)でご確認ください。
Q: コストコ・ホールセールの配当利回りは?
A: 約0.5-0.8%と低いですが、特別配当を不定期実施しています(2020年に1株10ドル、2024年に1株15ドル)。配当性向は25-30%で、利益の大半を新規出店・既存店改装に再投資しています。配当は年率約10%で成長していますが、配当利回りは低い水準です。
Q: コストコ・ホールセールの主な競合は?
A: Walmart(Sam's Club)、Amazon(Prime会員)、BJ's Wholesale Clubが主要競合です。コストコは会員更新率90%超(直近93%近く)で、Sam's Club(約80-85%)を大きく上回ります。「宝探し感覚」の商品構成、高品質プライベートブランド(カークランドシグネチャー)で差別化しています。
Q: コストコ・ホールセールのリスク要因は?
A: 主なリスク要因は以下の通りです:
- PER 47倍・フリーキャッシュフロー倍率52倍の高バリュエーション(大手小売で最高水準)
- Eコマース競争での後れ(オンライン売上約7%、BOPIS導入に消極的)
- 会員費値上げ後の成長鈍化(来年は利益13%増予想だが、その後は鈍化見込み)
- 関税・サプライチェーン混乱(グローバル調達依存度が高い)
詳細は本文の「5. リスク要因」を参照してください。
Q: コストコ・ホールセールは長期投資に向いている?
A: ディフェンシブ成長株として長期保有向けです。年間約30店舗の新規出店、2025年度売上高2,700億ドル弱(8%増)、アナリスト平均目標株価1,065ドル(コンセンサス「買い」)で、今後数十年にわたり店舗拡張が期待されます。ただし、PER 47倍の高バリュエーションに注意が必要で、成長が鈍化すると株価が大幅に下落するリスクがあります。配当利回りは0.5-0.8%と低いですが、株価上昇による値上がり益を期待する投資家に向いています。投資判断はご自身で慎重に行ってください。