0. この記事でわかること
本記事では、レスメド(RMD)について以下の情報を提供します:
- なぜ注目されているのか: 2024年9月に発表された「2030 Strategy」により、2030年までに5億人以上の健康改善を目指し、デジタルヘルスエコシステムへの投資とAI/ML技術の活用で成長を加速しています。AirView™プラットフォームに2800万人以上、myAir™プラットフォームに830万人以上の患者を登録し、製品重視からヘルスインフォマティクス企業へのデジタル変革を推進しています。
- 事業内容と成長戦略: 睡眠時無呼吸症候群(OSA)治療用CPAP機器で世界トップシェアを持つヘルスケア機器メーカーです。カリフォルニア州カラバサスに新工場を建設し現在の製造能力を2倍に拡大。睡眠時無呼吸症候群の中核事業に加え、不眠症(8.6億人)やCOPD(4.8億人)などの未開拓市場への拡大を図っています。
- 競合との差別化: Philips Respironics、Fisher & Paykel Healthcareとの競争において、2030戦略とデジタルヘルスプラットフォーム(AirView™、myAir™)が競合優位性となっています。特にPhilipsが2021年のリコール問題でシェアを失い、レスメドが恩恵を受けました。
- 財務・配当の実績: 2025年度第4四半期で売上高13億ドル(前年比10%増)、非GAAP EPS 2.55ドル(23%増)を達成し、粗利益率は230ベーシスポイント改善の60.8%に到達。10年以上連続増配の実績があり、配当成長株としての魅力があります。
- リスク要因: GLP-1薬剤(Ozempic、Wegovy等)による体重減少がCPAP装置の需要を減少させる可能性(2023年8月以降、株価が30%下落)、好決算でも株価下落のパターン(2025年Q2で予想を上回るも株価8.33%下落)、マクロリスク(地政学的緊張、運賃コスト)などが挙げられます。
1. なぜレスメド(RMD)が注目されているのか
(1) 成長戦略の3つのポイント
レスメドは2024年9月にニューヨークで開催したInvestor Dayで「2030 Strategy」を発表しました。この戦略には3つのコア要素があります。
第一に、2030年までに5億人以上の健康改善を目指す「2030戦略」の推進です。製品・技術革新、オペレーショナルエクセレンス、商業実行、財務力強化により収益・利益成長を加速しています。「Triple Aim」ミッション(生活の質向上、慢性疾患進行の予防、不要な医療費削減)を掲げ、患者だけでなく医療システム全体への貢献を重視しています(出典: ResMed Investor Relations、2024年)。
第二に、デジタルヘルスエコシステムへの投資です。売上の7%をR&Dに投資し、AirView™プラットフォームに2800万人以上、myAir™プラットフォームに830万人以上の患者を登録しています。製品重視からヘルスインフォマティクス企業へのデジタル変革を推進し、患者データの収集・分析により治療効果の向上とコスト削減を実現しています。
第三に、製造能力の拡大と市場開拓です。カリフォルニア州カラバサスに新工場を建設し、現在の製造能力を2倍に拡大しています。睡眠時無呼吸症候群の中核事業に加え、不眠症(8.6億人)やCOPD(慢性閉塞性肺疾患、4.8億人)などの未開拓市場への拡大を図っています。これにより、総アドレス可能市場(TAM)の拡大と収益源の多様化を実現しています。
(2) 注目テーマ(デジタルヘルスAI/ML・在宅医療リモートモニタリング・GLP-1薬剤との共存戦略)
投資家が注目しているキーワードは以下の3つです。
デジタルヘルス・AI/ML: AI/ML技術を活用した睡眠時無呼吸症候群の診断・治療のデジタル化により、患者のコンプライアンス向上と医療費削減を実現しています。AirView™プラットフォームでは、リモートモニタリングにより患者の治療状況を医療従事者がリアルタイムで把握できます。
在宅医療・リモートモニタリング: COVID-19パンデミックを契機に在宅医療の需要が拡大しました。レスメドは在宅介護ソフトウェア事業への投資を継続し、患者が自宅で治療を継続できる環境を整備しています。
GLP-1薬剤との共存戦略: 肥満は睡眠時無呼吸症候群(OSA)の主要リスク要因であり、GLP-1薬剤(Ozempic、Wegovy等)による体重減少がCPAP装置の需要を減少させる可能性が懸念されています。レスメドは主要GLP-1処方医4万人への教育プログラムを展開し、GLP-1薬剤とCPAP治療の併用による相乗効果を訴求しています。
(3) 投資家の関心・懸念点
2025年度第4四半期決算は好調な業績を達成しましたが、投資家の主要な懸念はGLP-1薬剤の影響です。2023年8月のFY23決算発表以降、株価が30%下落し、従来のPE比28倍から21倍未満へ低下しました(出典: Airlie Funds Management、2025年)。
また、2025年1月30日発表の第2四半期決算では調整後EPS 2.43ドル、売上高13億ドルと予想を上回ったにもかかわらず、発表翌日に株価が8.33%下落しました。株価下落要因として、将来成長への懸念、GLP-1リスク、バリュエーション懸念、マクロリスク(地政学的緊張、運賃コスト)が挙げられています(出典: Investing.com Earnings call transcript、2025年)。
アナリストの平均目標株価は264.44ドル(Moderate Buy評価:9買い、6保留、0売り)で、EPS年率8.9%成長、売上年率7.1%成長が予想されています。3年後のROE 22.6%と高水準の収益性が期待されており、2030年戦略の実行力が鍵となります(出典: Simply Wall St、2025年)。
2. レスメドの事業内容・成長戦略
(1) 主力事業(CPAP機器・消耗品・デジタルヘルス)
レスメドは睡眠時無呼吸症候群(OSA)治療用CPAP(持続陽圧呼吸療法)機器で世界トップシェアを持つヘルスケア機器メーカーです。以下の3つの主力事業を展開しています。
CPAP機器: 睡眠時に鼻マスクを装着し気道に陽圧をかけて呼吸を補助する医療機器です。世界140ヶ国以上で事業を展開し、約9,980名の従業員を擁しています(出典: みんかぶ、2025年)。
消耗品(マスク・フィルター等): CPAP機器の定期的な交換部品であるマスク、フィルター、チューブなどの消耗品はサブスクリプション型の収益モデルとなっており、安定したキャッシュフローを生んでいます。
デジタルヘルス: AirView™プラットフォーム(リモートモニタリング、2800万人以上登録)とmyAir™プラットフォーム(患者向けアプリ、830万人以上登録)により、患者のコンプライアンス向上と医療費削減を実現しています。
(2) セクター・業種の説明(医療機器)
レスメドはHealth Care(ヘルスケア)セクター、Health Care Equipment & Supplies(医療機器・消耗品)業種に属しています。
医療機器業界は、高齢化社会の進展とともに長期的な需要成長が見込まれる業界です。特に睡眠時無呼吸症候群(OSA)は肥満が主要リスク要因であり、世界的な肥満率の上昇とともに患者数が増加しています。米国ではOSA患者の約80%が未診断とされており、診断率の向上により市場が拡大する余地があります。
(3) ビジネスモデルの特徴(サブスクリプション型収益・デジタルエコシステム)
レスメドのビジネスモデルはサブスクリプション型収益とデジタルエコシステムの2つの特徴があります。
サブスクリプション型収益: CPAP機器の販売に加え、マスク・フィルター等の消耗品の定期的な交換により、継続的な収益が発生します。これにより、景気変動の影響を受けにくい安定したキャッシュフローを確保しています。
デジタルエコシステム: AirView™とmyAir™により、患者データの収集・分析が可能となり、治療効果の向上とコスト削減を実現しています。患者のコンプライアンス向上により、CPAP機器の継続使用率が高まり、消耗品の販売も増加します。また、医療従事者向けのリモートモニタリング機能により、医療機関の業務効率化にも貢献しています。
7つのビジネス戦略として、呼吸器・睡眠障害に特化し、自社R&DをベースにヘルスケアIT技術を取り入れて製品・サービスを高度化しています(出典: 企業分析note、2025年)。資本戦略としては、自社R&Dと多数のM&Aにより在宅療法・ヘルスケアIT技術を取り込んでいます。
3. 競合との差別化
(1) 主要競合企業
医療機器業界では、以下の企業が主要競合です。
Philips Respironics: 睡眠時無呼吸治療機器で長年シェアを争ってきた競合ですが、2021年に発泡フォームの健康リスクによる大規模リコール問題が発生し、シェアを失いました。レスメドはこのリコール問題により恩恵を受け、市場シェアを拡大しました。
Fisher & Paykel Healthcare: ニュージーランドを拠点とする呼吸器機器メーカーで、加温加湿器や鼻マスクなどの製品で競合しています。
これらの競合企業は、いずれも医療機器の品質と技術力を武器に世界市場で競争しています。
(2) 競合優位性(2030戦略・デジタルヘルスプラットフォーム・Philipsリコール恩恵)
レスメドの競合優位性は以下の3点です。
2030戦略: 2030年までに5億人以上の健康改善を目指す明確な戦略により、長期的な成長ドライバーを示しています。3つの重点分野(睡眠健康、呼吸器健康、在宅介護ソフトウェア)により、総アドレス可能市場(TAM)の拡大を図っています。
デジタルヘルスプラットフォーム: AirView™プラットフォームに2800万人以上、myAir™プラットフォームに830万人以上の患者を登録しており、競合と比較して圧倒的な患者データベースを構築しています。これにより、AI/ML技術を活用した診断・治療の高度化が可能となっています。
Philipsリコール恩恵: Philipsの2021年リコール問題により、競合のシェアを獲得しました。この市場シェア拡大により、2025年度第4四半期で売上高13億ドル(前年比10%増)と好調な業績を達成しています。
(3) 市場でのポジショニング
レスメドは睡眠時無呼吸症候群(OSA)治療機器の世界トップシェア企業として、サブスクリプション型収益とデジタルエコシステムによる競合優位性を確立しています。
また、2030年までに毎年2桁ベーシスポイントの粗利益率改善を目標としており、収益性の向上にも注力しています(出典: ResMed at Bank of America Conference、2025年)。カリフォルニア州カラバサスに新工場を建設し、製造能力を2倍に拡大することで、需要増加に対応する体制を整えています。
4. 財務・配当の実績
(1) 売上高・利益の推移(粗利益率・EPS成長)
2025年度第4四半期(2025年6月30日終了)の業績は以下の通りです(出典: ResMed Inc. 決算発表、2025年):
- 売上高: 13億ドル(前年比10%増、恒常通貨ベース9%増)
- 粗利益率: 60.8%(前年同期比230ベーシスポイント改善)
- 非GAAP EPS: 2.55ドル(前年比23%増)
2025年度通年の業績は以下の通りです:
- 売上高: 51億ドル(前年比10%増)
- 粗利益率: 59.4%(前年比270ベーシスポイント改善)
- 営業キャッシュフロー: 18億ドル
特筆すべきは、粗利益率の大幅な改善です。2030年までに毎年2桁ベーシスポイントの粗利益率改善を目標としており、製造効率化とデジタル化により収益性の向上を実現しています。
アナリスト予測では、EPS年率8.9%成長、売上年率7.1%成長が見込まれており、3年後のROE 22.6%と高水準の収益性が期待されています(出典: Simply Wall St、2025年)。
(2) 配当履歴(10年以上連続増配)
レスメドは10年以上連続増配の実績があり、配当成長株としての魅力があります。配当利回りは約1%程度(2025年時点)と低めですが、安定的な増配により長期投資家に支持されています。
2025年度第4四半期には配当7800万ドルを実施し、同四半期には自社株買い1億ドルも実施しました(出典: ResMed Inc. 決算発表、2025年)。配当と自社株買いの両方を通じて、株主還元に積極的な姿勢を示しています。
配当性向や配当履歴の詳細は、最新の10-Kレポート(https://www.sec.gov/cgi-bin/browse-edgar?action=getcompany&CIK=0000913144&type=10-K)で確認できます。
(3) 財務健全性(営業キャッシュフロー18億ドル)
2025年度通年の営業キャッシュフロー18億ドルは、安定したキャッシュ創出力を示しています。サブスクリプション型の消耗品収益により、景気変動の影響を受けにくい事業モデルが財務健全性を支えています。
2025年度第4四半期にはVirtuOx買収(睡眠・呼吸器・心臓疾患の独立診断検査施設大手)を実施し、診断から治療まで一貫したサービス提供体制を強化しました。
財務健全性の詳細(自己資本比率、有利子負債等)は、最新の10-Kレポートで確認することが推奨されます。
※2025年10月時点のデータです。最新情報はResMed公式IRページ(https://investor.resmed.com/)をご確認ください。
5. リスク要因
(1) 事業リスク(GLP-1薬剤の影響・好決算でも株価下落)
GLP-1薬剤の影響が最大のリスク要因です。肥満は睡眠時無呼吸症候群(OSA)の主要リスク要因であり、GLP-1薬剤(Ozempic、Wegovy等)による大幅な体重減少がCPAP装置の需要を減少させる可能性があります。2023年8月のFY23決算発表以降、株価が30%下落し、従来のPE比28倍から21倍未満へ低下しました(出典: Airlie Funds Management、2025年)。
レスメドは主要GLP-1処方医4万人への教育プログラムを展開し、GLP-1薬剤とCPAP治療の併用による相乗効果を訴求していますが、投資家の懸念は完全には払拭されていません。
また、好決算でも株価下落のパターンが見られます。2025年1月30日発表の第2四半期決算では調整後EPS 2.43ドル、売上高13億ドルと予想を上回ったにもかかわらず、発表翌日に株価が8.33%下落しました。将来成長への懸念、GLP-1リスク、バリュエーション懸念が影響しています(出典: Investing.com Earnings call transcript、2025年)。
(2) 市場環境リスク(為替変動・マクロリスク・地政学的緊張)
為替変動: レスメドは世界140ヶ国以上で事業を展開しているため、為替レート(USD/JPY、USD/EUR、USD/AUD等)の変動により、円建てでの投資収益が大きく影響を受けます。日本人投資家にとっては、円高時には為替差損が発生するリスクがあります。
マクロリスク: 地政学的緊張、運賃コストの上昇などのマクロ経済要因が業績に影響を与えるリスクがあります。2025年第2四半期決算では、これらのマクロリスクが株価下落の要因の一つとして挙げられました。
(3) 規制・競争リスク(FDA承認・医療保険償還)
FDA承認リスク: 新製品の開発にはFDA(米国食品医薬品局)の承認が必要であり、承認プロセスの遅延や却下により、事業計画に影響が出るリスクがあります。
医療保険償還リスク: CPAP治療は医療保険の償還対象ですが、償還政策の変更により、患者の自己負担額が増加するとCPAP装置の需要が減少するリスクがあります。米国のメディケア・メディケイド政策の変更や、各国の医療保険制度の改正に注意が必要です。
競争リスク: Philipsのリコール問題により市場シェアを拡大しましたが、Philipsが問題を解決しシェアを回復する可能性があります。また、新規参入企業や代替療法(口腔内装置、外科手術等)との競争も考慮する必要があります。
6. まとめ:投資判断のポイント
(1) この銘柄の強み
2030戦略とデジタルエコシステム: 2030年までに5億人以上の健康改善を目指す明確な成長戦略と、AirView™プラットフォーム(2800万人以上登録)、myAir™プラットフォーム(830万人以上登録)による圧倒的な患者データベースが長期的な競争力を支えています。
収益性改善: 粗利益率60.8%(230bp改善)と高い収益性を実現しています。2030年まで毎年2桁ベーシスポイントの粗利益率改善を目標としており、製造効率化とデジタル化により収益性の向上が期待されます。
株主還元: 10年以上連続増配の実績があり、配当成長株としての魅力があります。2025年度第4四半期には配当7800万ドル、自社株買い1億ドルを実施し、株主還元に積極的です。
(2) リスク要因(再掲)
GLP-1薬剤リスク: 肥満治療薬(Ozempic、Wegovy等)による体重減少がCPAP装置の需要を減少させる可能性があります。2023年8月以降、株価が30%下落し、従来のPE比28倍から21倍未満へ低下しました。
好決算でも株価下落: 2025年Q2で予想を上回る業績にもかかわらず株価が8.33%下落するなど、将来成長への懸念やバリュエーション懸念が影響しています。
(3) 向いている投資家
ヘルスケア業界の成長性を重視する投資家: 高齢化社会の進展とともに、睡眠時無呼吸症候群(OSA)の診断率向上により市場が拡大する余地があります。米国ではOSA患者の約80%が未診断とされており、診断率の向上により長期的な需要成長が見込まれます。
配当成長株を求める投資家: 配当利回りは約1%程度と低めですが、10年以上連続増配の実績があり、安定的な増配により長期投資家に支持されています。
デジタルヘルス・AI/MLに関心がある投資家: AI/ML技術を活用した診断・治療のデジタル化により、患者のコンプライアンス向上と医療費削減を実現しています。デジタルヘルスエコシステムの成長戦略に期待する投資家に向いています。
免責事項: 本記事は情報提供を目的としており、個別銘柄の購入を推奨するものではありません。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。米国株投資には為替リスク、価格変動リスクがあります。最新の財務データや市場動向は公式IRページやSEC EDGARで確認することを推奨します。
Q: レスメドの配当利回りは?
A: 約1%程度です(2025年時点)。配当利回りは低めですが、10年以上連続増配の実績があり、配当成長株として魅力があります。2025年度第4四半期には配当7800万ドルを実施し、同四半期には自社株買い1億ドルも実施しました。配当性向や配当履歴の詳細は、最新の10-Kレポート(https://www.sec.gov/cgi-bin/browse-edgar?action=getcompany&CIK=0000913144&type=10-K)で確認できます。投資判断はご自身で行ってください。
Q: レスメドの主な競合は?
A: 医療機器業界では、Philips Respironics(睡眠時無呼吸治療機器)、Fisher & Paykel Healthcare(呼吸器機器)などが競合です。Philipsは2021年の発泡フォームの健康リスクによる大規模リコール問題でシェアを失い、レスメドが恩恵を受けました。競合との差別化ポイントは、2030戦略とデジタルヘルスプラットフォーム(AirView™に2800万人以上、myAir™に830万人以上の患者を登録)です。詳細は「競合との差別化」セクションを参照してください。
Q: レスメドのリスク要因は?
A: 主なリスク要因は、①GLP-1薬剤(Ozempic、Wegovy等)による体重減少がCPAP装置の需要を減少させる可能性(2023年8月以降、株価が30%下落、PE比が28倍から21倍未満へ低下)、②好決算でも株価下落のパターン(2025年Q2で予想を上回るも株価8.33%下落)、③マクロリスク(地政学的緊張、運賃コスト)、④FDA承認リスク、⑤医療保険償還リスクです。レスメドは主要GLP-1処方医4万人への教育プログラムでGLP-1薬剤とCPAP治療の併用を訴求していますが、投資家の懸念は完全には払拭されていません。詳細は「リスク要因」セクションを参照してください。
Q: レスメドは長期投資に向いている?
A: ヘルスケア業界の成長性を重視する投資家や高齢化社会の恩恵を受ける銘柄を探している投資家に向いています。2030戦略で5億人以上の健康改善を目指し、粗利益率60.8%(230bp改善)の収益性が魅力ですが、GLP-1薬剤リスクや規制リスクを考慮する必要があります。米国ではOSA患者の約80%が未診断とされており、診断率の向上により長期的な需要成長が見込まれます。配当利回りは約1%程度と低めですが、10年以上連続増配の実績があります。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。
Q: レスメドの成長戦略は?
A: 「2030戦略」の推進(2030年までに5億人以上の健康改善を目指し、製品・技術革新、オペレーショナルエクセレンス、商業実行、財務力強化)、デジタルヘルスエコシステムへの投資(売上の7%をR&Dに投資、AirView™プラットフォームに2800万人以上、myAir™プラットフォームに830万人以上の患者を登録)、製造能力の拡大と市場開拓(カリフォルニア州カラバサスに新工場建設、製造能力を2倍に拡大、不眠症8.6億人・COPD 4.8億人の未開拓市場への拡大)の3本柱です。アナリストはEPS年率8.9%成長、売上年率7.1%成長を予測しています。詳細は「事業内容・成長戦略」セクションを参照してください。