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VICIプロパティーズ (VICI)

VICI Properties Inc

0. この記事でわかること

本記事では、VICIプロパティーズ(VICI)について以下の情報を提供します:

  • なぜ注目されているのか: 体験型不動産への戦略的多角化、Red Rock Resortsとの初のパートナーシップ(5.1億ドル)、高級不動産への高確信度投資(One Beverly Hillsのメザニンローン1.5億ドル増額)
  • 事業内容と成長戦略: ゲーミング特化型REITから体験型不動産REITへの進化、トリプルネットリース契約による予測可能なキャッシュフロー、2025年AFFO予想25億~25.2億ドル(前年比4.4%増)
  • 競合との差別化: Gaming and Leisure Properties (GLPI)等との比較、最高品質の体験型不動産ポートフォリオ、2022年のMGM Growth Properties買収(172億ドル)により規模を2倍以上に拡大
  • 財務・配当の実績: Q2 2025売上高10億ドル(前年比4.6%増)、EPS 0.82ドル(予想0.69ドル超)、配当利回り約5~6%、配当性向52%、5年配当成長率8%
  • リスク要因: テナント集中リスク(MGMとCaesarsで賃料の約75%)、長期リース契約(平均40年)によるインフレリスク、金利上昇による借換え課題

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1. なぜVICIプロパティーズ(VICI)が注目されているのか

(1) 成長戦略の3つのポイント

VICIプロパティーズは2025年、3つの成長戦略で投資家の注目を集めています。

ゲーミング以外の体験型不動産への戦略的多角化は、VICIの最も重要な戦略です。テーマパーク、スポーツ会場、ウェルネス施設等の新セクターへの投資を推進し、ゲーミング特化型REITから体験型不動産REITへの進化を遂げています。体験型不動産(Experiential Real Estate)とは、カジノ、テーマパーク、スポーツ施設等、顧客が実際に訪れて体験する施設を対象とする不動産投資です。

Red Rock Resortsとの初のパートナーシップは、新たな地域とパートナーへの展開を示す象徴的な案件です。North Fork Mono Casino & Resort(5.1億ドル)のプロジェクトは、VICIがこれまで取引のなかったRed Rock Resortsとの初のパートナーシップであり、地域・パートナー基盤の多様化を図っています。

One Beverly Hillsのメザニンローン投資を1.5億ドル増額する高級不動産への高確信度投資は、VICIのポートフォリオの質の高さを示しています。高級不動産への投資により、安定的な賃料収入と資産価値の向上を両立しています。

(2) 注目テーマ(体験型不動産・トリプルネットリース・配当成長)

**体験型不動産(Experiential Real Estate)**は、VICIの最大の注目テーマです。カジノ、テーマパーク、スポーツ施設等、顧客が実際に訪れて体験する施設を対象とする不動産投資であり、eコマースの影響を受けにくい独自のニッチ分野です。VICIは最高品質で最も生産的な体験型不動産ポートフォリオを構築する戦略を掲げ、2022年にMGM Growth Propertiesを172億ドルで買収し規模を2倍以上に拡大しました。

**トリプルネットリース(Triple Net Lease)**は、VICIのビジネスモデルの中核です。テナントが賃料に加えて固定資産税、保険、メンテナンス費用を負担するリース契約であり、VICIは予測可能なキャッシュフローを確保しています。長期リース契約(平均40年)により、安定的な賃料収入を得ることができます。

配当成長戦略は、VICIの魅力的な特徴です。配当利回りは約5~6%程度の魅力的な水準(2025年10月時点)であり、配当性向52%、5年配当成長率8%を維持しています。REITは利益の90%以上を配当として分配する義務があり、VICIは安定配当と配当成長を両立しています。

(3) 投資家の関心・懸念点

投資家の関心は、安定配当と配当成長を両立するインカム投資先としてのVICIにあります。2025年のAFFO(調整後営業キャッシュフロー)予想を25億~25.2億ドルに引き上げ、前年比4.4%の増加を見込んでいます。アナリスト13名のコンセンサスは「買い」、平均目標株価は36.15ドル(10.79%の上昇余地)です。

Q2 2025の業績は好調で、売上高10億ドル(前年比4.6%増)、EPS 0.82ドル(予想0.69ドルを上回る)、AFFO per share 0.60ドル(前年Q2の0.57ドルから増加)と、予想を上回る結果となりました。

2028年までに売上43億ドル、利益28億ドルに達すると予測され、年率成長率は売上2.9%、利益2.8%、EPSは4.3%の成長が見込まれます。

投資家の懸念点は、テナント集中リスクと金利上昇による借換え課題です。MGMとCaesarsで賃料の約75%を占めており、少数のテナントから賃料の大部分を得ているため、そのテナントの経営悪化が大きな影響を及ぼすリスクがあります。

金利上昇局面では、VICIは13億ドルの投資適格シニア債を発行し、平均金利5.356%で借換えを実施しましたが、今後も金利上昇が続く場合、借換えコストが増加する懸念があります。

長期リース契約(平均40年)によるインフレリスクも懸念されています。高インフレ環境下で賃料価値が低下する可能性があり、賃料の実質的な収益性が減少するリスクがあります。

2. VICIプロパティーズの事業内容・成長戦略

(1) 主力事業

VICIプロパティーズは体験型不動産に特化したREITであり、主にゲーミング施設(カジノ)を保有し、テナントに長期リースする事業を展開しています。

主力事業は以下の通りです。

  1. ゲーミング施設のリース: カジノリゾート、カジノホテル等のゲーミング施設を保有し、MGM Resorts、Caesars Entertainment等の大手オペレーターに長期リース(平均40年)
  2. 体験型不動産への多角化: テーマパーク、スポーツ会場、ウェルネス施設等の新セクターへの投資を推進
  3. 高級不動産への投資: One Beverly Hillsのメザニンローン投資(1.5億ドル増額)等、高級不動産への高確信度投資

VICIは自らは施設を運営せず、不動産を保有してテナントに長期リースすることで、安定的な賃料収入を得るビジネスモデルです。

(2) セクター・業種の説明

VICIプロパティーズはReal Estate(不動産)セクターSpecialized REITs(特化型REIT)業種に分類されます。

Specialized REITs業種は、住宅、オフィス、商業施設以外の特定の不動産に特化したREITが含まれます。VICIは体験型不動産(カジノ、テーマパーク、スポーツ施設等)に特化しており、eコマースの影響を受けにくい独自のニッチ分野で事業を展開しています。

REIT(Real Estate Investment Trust:不動産投資信託)は、不動産を保有・運営し、賃料収入や売却益を投資家に分配する投資信託です。米国のREIT法により、利益の90%以上を配当として分配する義務があるため、高い配当利回りが期待できます。

(3) ビジネスモデルの特徴

VICIのビジネスモデルは**トリプルネットリース(Triple Net Lease)**を中核としています。

トリプルネットリースとは、テナントが賃料に加えて固定資産税、保険、メンテナンス費用を負担するリース契約です。VICIはこの契約形態により、以下のメリットを享受しています。

  1. 予測可能なキャッシュフロー: テナントが運営リスクと費用を負担するため、VICIは安定的な賃料収入を得ることができます
  2. 長期リース契約: 平均40年の長期リース契約により、長期的な収益の安定性を確保しています
  3. 運営リスクの回避: VICIは不動産を保有するのみで、カジノ等の運営はテナントが行うため、運営リスクを負いません

2022年のMGM Growth Properties買収(172億ドル)により、VICIは規模を2倍以上に拡大し、MGM Resortsとの関係を強化しました。これにより、ラスベガスの主要カジノリゾート(Bellagio、MGM Grand、Mandalay Bay等)を保有し、業界トップクラスのポートフォリオを構築しています。

収益源は主に賃料収入です。テナントとの長期リース契約により、固定賃料と変動賃料(売上連動)の両方を得ています。変動賃料は景気の影響を受けやすいですが、固定賃料により安定的なキャッシュフローを確保しています。

成長戦略は以下の通りです。

  1. ゲーミング以外の体験型不動産への多角化: テーマパーク、スポーツ会場、ウェルネス施設等の新セクターへの投資
  2. 新たな地域とパートナーへの展開: Red Rock Resortsとの初のパートナーシップ(North Fork Mono Casino & Resort、5.1億ドル)
  3. 高級不動産への高確信度投資: One Beverly Hillsのメザニンローン投資(1.5億ドル増額)

3. 競合との差別化

(1) 主要競合企業

VICIプロパティーズの主要競合企業は以下の通りです。

  1. Gaming and Leisure Properties (GLPI): ゲーミング特化型REITで、Penn Entertainment等の大手オペレーターとリース契約を締結しています。VICIと同様にトリプルネットリース契約を中核としたビジネスモデルです。
  2. MGM Growth Properties(2022年にVICIが買収): かつてのMGM Resortsの不動産部門。VICIによる買収により、VICIは規模を2倍以上に拡大しました。
  3. EPR Properties: 体験型不動産REITで、映画館、テーマパーク、スキーリゾート等に投資しています。VICIと同様に体験型不動産に特化していますが、ゲーミング施設への投資は限定的です。

(2) 競合優位性

VICIの競合優位性は以下の通りです。

最高品質の体験型不動産ポートフォリオ: VICIは2022年にMGM Growth Propertiesを172億ドルで買収し、ラスベガスの主要カジノリゾート(Bellagio、MGM Grand、Mandalay Bay等)を保有しています。これらの資産は、高い賃料収入と資産価値の安定性を提供します。

トリプルネットリース契約による予測可能なキャッシュフロー: テナントが賃料に加えて固定資産税、保険、メンテナンス費用を負担するため、VICIは安定的な賃料収入を得ることができます。長期リース契約(平均40年)により、長期的な収益の安定性を確保しています。

体験型不動産への戦略的多角化: ゲーミング以外のテーマパーク、スポーツ会場、ウェルネス施設等の新セクターへの投資を推進し、ゲーミング特化型REITから体験型不動産REITへの進化を遂げています。Red Rock Resortsとの初のパートナーシップ(North Fork Mono Casino & Resort、5.1億ドル)により、地域・パートナー基盤の多様化を図っています。

高級不動産への高確信度投資: One Beverly Hillsのメザニンローン投資を1.5億ドル増額するなど、高級不動産への投資により、安定的な賃料収入と資産価値の向上を両立しています。

(3) 市場でのポジショニング

VICIは体験型不動産REITのリーディングカンパニーです。2022年のMGM Growth Properties買収により規模を2倍以上に拡大し、業界トップクラスのポートフォリオを構築しています。

ゲーミング施設への集中は、VICIの強みであると同時にリスクでもあります。MGMとCaesarsで賃料の約75%を占めており、テナント集中リスクがあります。一方で、ラスベガスの主要カジノリゾートを保有することで、高い賃料収入と資産価値の安定性を確保しています。

体験型不動産への多角化により、ゲーミング以外のセクターへの投資を推進し、テナント集中リスクの軽減とポートフォリオの多様化を図っています。テーマパーク、スポーツ会場、ウェルネス施設等は、eコマースの影響を受けにくい独自のニッチ分野であり、長期的な成長が期待されています。

4. 財務・配当の実績

(1) 売上高・利益の推移

VICIプロパティーズの財務実績は以下の通りです(2025年10月時点の最新情報)。

Q2 2025決算(2025年6月期第2四半期):

  • 売上高: 10億ドル(前年比4.6%増)
  • EPS: 0.82ドル(予想0.69ドルを上回る)
  • AFFO per share: 0.60ドル(前年Q2の0.57ドルから増加)

予想を上回る好決算となり、安定的な成長を見せています。

2025年通期見通し:

  • AFFO予想: 25億~25.2億ドル(前年比4.4%増)

2028年までの予測:

  • 売上: 43億ドル
  • 利益: 28億ドル
  • 年率成長率: 売上2.9%、利益2.8%、EPS 4.3%

過去の推移(概算):

年度 売上高(億ドル) AFFO(億ドル)
2020 22 14
2021 24 16
2022 32(買収後) 22
2023 38 24
2024 40 24

(※上記は概算値。詳細は四半期報告書を参照してください)

2022年のMGM Growth Properties買収により売上が大幅に増加し、その後も安定的な成長を続けています。

※2025年10月時点のデータです。最新情報はVICI Properties公式IRページをご確認ください。 (出典: VICI Properties Inc. Second Quarter 2025 Results)

(2) 配当履歴

配当利回り: 約5~6%(2025年10月時点)

配当性向: 52%

5年配当成長率: 8%

連続増配年数: 5年以上(2018年上場以来、安定的な増配を継続)

VICIはREITとして利益の90%以上を配当として分配する義務があり、高い配当利回りを維持しています。配当性向52%は適度な水準であり、成長投資と配当のバランスを取っています。

配当の税金:

  • 米国で10%源泉徴収(ただしREITの配当は源泉徴収税率が異なる場合あり)
  • 日本で20.315%課税(特定口座の場合)
  • 外国税額控除により二重課税の一部を軽減可能(詳細はマネックス証券「米国株の配当でかかる税金と二重課税」、楽天証券「外国税額控除」を参照)

NISA口座での配当:

  • 米国での10%源泉徴収は免除されない
  • 日本での20.315%課税は非課税となる(詳細は東海東京証券「NISAで米国株は買える?知っておきたいこと」を参照)

(3) 財務健全性

自己資本比率: 約40%(2025年Q2時点)

有利子負債: 約150億ドル(2025年Q2時点)

借換えの状況: 2025年Q2に13億ドルの投資適格シニア債を発行し、平均金利5.356%で借換えを実施しました。金利上昇局面での借換えにより、今後の金利負担が増加する可能性があります。

AFFO(調整後営業キャッシュフロー): 2025年予想25億~25.2億ドル(前年比4.4%増)

VICIは長期リース契約により予測可能なキャッシュフローを確保しており、財務健全性は比較的良好です。ただし、有利子負債が約150億ドルと大きく、金利上昇局面では借換えコストが増加するリスクがあります。

※2025年10月時点のデータです。最新情報はVICI Properties公式IRページをご確認ください。 (出典: VICI Properties Inc. Second Quarter 2025 Results)

5. リスク要因

(1) 事業リスク

テナント集中リスク: MGMとCaesarsで賃料の約75%を占めており、少数のテナントから賃料の大部分を得ています。これらのテナントの経営悪化や破綻があった場合、VICIの収益が大きく影響を受けるリスクがあります。

特にカジノ業界は景気の影響を受けやすく、景気後退時には消費者の娯楽支出が減少し、テナントの賃料支払い能力が低下する可能性があります。

長期リース契約(平均40年)によるインフレリスク: 高インフレ環境下で賃料価値が低下する可能性があります。長期リース契約の賃料は通常、固定賃料と物価連動賃料の組み合わせですが、物価連動部分が不十分な場合、賃料の実質的な収益性が減少するリスクがあります。

ゲーミング規制の変化: カジノ業界は各州・各国で厳しい規制があり、規制の強化や変更により、テナントの事業が制約を受ける可能性があります。オンラインギャンブルの規制緩和により、実店舗のカジノの集客が減少するリスクもあります。

(2) 市場環境リスク

金利上昇: REITは金利上昇局面で株価が下落する傾向があります。VICIは2025年Q2に13億ドルの投資適格シニア債を発行し、平均金利5.356%で借換えを実施しましたが、今後も金利上昇が続く場合、借換えコストが増加し、収益性が低下する懸念があります。

為替リスク: VICIの事業は主に米国内で展開されており、国際的な為替リスクは限定的です。ただし、日本人投資家にとっては、円高・円安により円ベースのリターンが大きく変動する可能性があります。為替ヘッジを行っていない投資家は、為替リスクを十分に理解する必要があります。

為替手数料: 円をドルに両替する際にかかる手数料は証券会社により異なります。SBI証券、楽天証券、マネックス証券などで比較し、低コストの証券会社を選ぶことが重要です(詳細はSBI証券「米国株式委託手数料」を参照)。

不動産市況の変動: カジノリゾートの不動産価値は、観光需要、地域経済、競合施設の開業等の影響を受けます。不動産市況が悪化した場合、保有資産の価値が低下するリスクがあります。

(3) 規制・競争リスク

REITの税制変更: 米国のREIT法により、利益の90%以上を配当として分配する義務がありますが、税制が変更された場合、REITの税制上の優遇措置が失われるリスクがあります。

競合施設の開業: カジノ業界は競争が激しく、近隣地域に新たな競合施設が開業した場合、既存施設の集客が減少し、テナントの賃料支払い能力が低下する可能性があります。

オンラインギャンブルの台頭: オンラインギャンブルの規制緩和により、実店舗のカジノの集客が減少するリスクがあります。VICIの保有する体験型不動産(カジノリゾート)は、宿泊、食事、エンターテイメント等の複合的な体験を提供することで差別化していますが、オンラインギャンブルの普及により長期的な影響を受ける可能性があります。

環境・社会・ガバナンス(ESG)リスク: カジノ業界はギャンブル依存症等の社会問題と関連しており、ESG投資の観点から投資対象外とされる場合があります。VICIは不動産を保有するのみで運営は行いませんが、間接的にカジノ業界のリスクを負う可能性があります。

6. まとめ:投資判断のポイント

(1) この銘柄の強み

最高品質の体験型不動産ポートフォリオ: VICIは2022年にMGM Growth Propertiesを172億ドルで買収し、ラスベガスの主要カジノリゾート(Bellagio、MGM Grand、Mandalay Bay等)を保有しています。これらの資産は、高い賃料収入と資産価値の安定性を提供します。

トリプルネットリース契約による予測可能なキャッシュフロー: テナントが賃料に加えて固定資産税、保険、メンテナンス費用を負担するため、VICIは安定的な賃料収入を得ることができます。長期リース契約(平均40年)により、長期的な収益の安定性を確保しています。

魅力的な配当利回りと配当成長: 配当利回りは約5~6%(2025年10月時点)であり、配当性向52%、5年配当成長率8%を維持しています。REITとして利益の90%以上を配当として分配する義務があり、安定配当と配当成長を両立しています。アナリスト13名のコンセンサスは「買い」、平均目標株価は36.15ドル(10.79%の上昇余地)であり、2028年までに売上43億ドル、利益28億ドルに達すると予測されています。

(2) リスク要因(再掲)

テナント集中リスク: MGMとCaesarsで賃料の約75%を占めており、少数のテナントから賃料の大部分を得ています。これらのテナントの経営悪化や破綻があった場合、VICIの収益が大きく影響を受けるリスクがあります。

長期リース契約(平均40年)によるインフレリスク: 高インフレ環境下で賃料価値が低下する可能性があります。賃料の実質的な収益性が減少するリスクがあります。

金利上昇による借換え課題: 2025年Q2に13億ドルの投資適格シニア債を発行し、平均金利5.356%で借換えを実施しましたが、今後も金利上昇が続く場合、借換えコストが増加し、収益性が低下する懸念があります。REITは金利上昇局面で株価が下落する傾向があり、市場環境の変化に注意が必要です。

(3) 向いている投資家

Real Estateセクターに関心があり、安定配当と配当成長を重視するインカム投資家: 配当利回りは約5~6%と魅力的な水準であり、5年配当成長率8%を維持しています。REITとして利益の90%以上を配当として分配する義務があり、安定配当と配当成長を両立しています。

体験型不動産という独自のニッチ分野で、予測可能なキャッシュフローを評価できる投資家: トリプルネットリース契約により、テナントが賃料に加えて固定資産税、保険、メンテナンス費用を負担するため、VICIは安定的な賃料収入を得ることができます。eコマースの影響を受けにくい独自のニッチ分野であり、長期的な成長が期待されています。

テナント集中リスクと金利上昇リスクを理解し、長期投資を前提とする投資家: MGMとCaesarsで賃料の約75%を占めるテナント集中リスク、長期リース契約によるインフレリスク、金利上昇による借換え課題を理解し、長期的な視点で投資判断を行うことが重要です。

免責事項: 本記事は情報提供を目的としており、個別銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。最新の財務データ、株価、税率は変動する可能性があるため、VICI Properties公式IRページや国税庁の最新情報をご確認ください。

Q: VICIプロパティーズの配当利回りは?

A: 配当利回りは約5~6%程度の魅力的な水準(2025年10月時点)です。配当性向52%、5年配当成長率8%を維持しており、REITとして利益の90%以上を配当として分配する義務があります。ただしREITの配当は米国で10%源泉徴収されるため、外国税額控除の活用が重要です。詳細は財務・配当の実績セクション、マネックス証券「米国株の配当でかかる税金と二重課税」、楽天証券「外国税額控除」を参照してください。

Q: VICIプロパティーズの主な競合は?

A: Gaming and Leisure Properties (GLPI)、MGM Growth Properties(2022年にVICIが買収)などのゲーミングREIT、その他の体験型不動産REITです。VICIは最高品質の体験型不動産ポートフォリオ(ラスベガスの主要カジノリゾート:Bellagio、MGM Grand、Mandalay Bay等)とトリプルネットリース契約により差別化しています。2022年のMGM Growth Properties買収(172億ドル)により規模を2倍以上に拡大しました。

Q: VICIプロパティーズのリスク要因は?

A: テナント集中リスク(MGMとCaesarsで賃料の約75%)、長期リース契約(平均40年)によるインフレリスク(高インフレ環境下で賃料価値が低下)、金利上昇による借換え課題(2025年Q2に13億ドルの投資適格シニア債を平均金利5.356%で発行)、不動産市況の変動が主なリスクです。詳細は本文のリスク要因セクションを参照してください。

Q: VICIプロパティーズは長期投資に向いている?

A: Real Estateセクターに関心があり、安定配当と配当成長を重視するインカム投資家に向いています。配当利回りは約5~6%と魅力的な水準であり、5年配当成長率8%を維持しています。体験型不動産という独自のニッチ分野で、予測可能なキャッシュフロー(トリプルネットリース契約)を評価できる投資家に適しています。ただし、テナント集中リスクと金利上昇リスクを理解し、長期投資を前提とすることが重要です。投資判断はご自身で行ってください。

Q: トリプルネットリースとは?

A: テナントが賃料に加えて固定資産税、保険、メンテナンス費用を負担するリース契約です。VICIはこの契約形態により、予測可能で安定的なキャッシュフローを確保しています。長期リース契約(平均40年)により、長期的な収益の安定性を確保し、運営リスクを回避(VICIは不動産を保有するのみで、カジノ等の運営はテナントが行う)しています。詳細は本文のビジネスモデルセクションを参照してください。

よくある質問

Q1VICIプロパティーズの配当利回りは?

A1配当利回りは約5~6%程度の魅力的な水準(2025年10月時点)です。配当性向52%、5年配当成長率8%を維持しており、REITとして利益の90%以上を配当として分配する義務があります。ただしREITの配当は米国で10%源泉徴収されるため、外国税額控除の活用が重要です。詳細は財務・配当の実績セクション、マネックス証券「米国株の配当でかかる税金と二重課税」、楽天証券「外国税額控除」を参照してください。

Q2VICIプロパティーズの主な競合は?

A2Gaming and Leisure Properties (GLPI)、MGM Growth Properties(2022年にVICIが買収)などのゲーミングREIT、その他の体験型不動産REITです。VICIは最高品質の体験型不動産ポートフォリオ(ラスベガスの主要カジノリゾート:Bellagio、MGM Grand、Mandalay Bay等)とトリプルネットリース契約により差別化しています。2022年のMGM Growth Properties買収(172億ドル)により規模を2倍以上に拡大しました。

Q3VICIプロパティーズのリスク要因は?

A3テナント集中リスク(MGMとCaesarsで賃料の約75%)、長期リース契約(平均40年)によるインフレリスク(高インフレ環境下で賃料価値が低下)、金利上昇による借換え課題(2025年Q2に13億ドルの投資適格シニア債を平均金利5.356%で発行)、不動産市況の変動が主なリスクです。詳細は本文のリスク要因セクションを参照してください。

Q4VICIプロパティーズは長期投資に向いている?

A4Real Estateセクターに関心があり、安定配当と配当成長を重視するインカム投資家に向いています。配当利回りは約5~6%と魅力的な水準であり、5年配当成長率8%を維持しています。体験型不動産という独自のニッチ分野で、予測可能なキャッシュフロー(トリプルネットリース契約)を評価できる投資家に適しています。ただし、テナント集中リスクと金利上昇リスクを理解し、長期投資を前提とすることが重要です。投資判断はご自身で行ってください。

Q5トリプルネットリースとは?

A5テナントが賃料に加えて固定資産税、保険、メンテナンス費用を負担するリース契約です。VICIはこの契約形態により、予測可能で安定的なキャッシュフローを確保しています。長期リース契約(平均40年)により、長期的な収益の安定性を確保し、運営リスクを回避(VICIは不動産を保有するのみで、カジノ等の運営はテナントが行う)しています。詳細は本文のビジネスモデルセクションを参照してください。