0. この記事でわかること
本記事では、MGMリゾーツ・インターナショナル(MGM)について以下の情報を提供します:
- なぜ注目されているのか: BetMGM黒字転換(2025年通期EBITDA 5億ドル目標)、大阪IR事業(2030年開業・総投資80.7億ドル)、運営効率化2億ドル改善計画など、デジタル・国際・オペレーションの3軸成長戦略が投資家の関心を集めています
- 事業内容と成長戦略: ラスベガス中心のカジノ・リゾート運営(Q2 2025売上44億ドル・過去最高)、マカオ市場シェア16.6%達成、オンラインゲーミング(BetMGM)の急成長が特徴です
- 競合との差別化: Wynn Resorts、Caesars Entertainment、Las Vegas Sandsと競合しながら、BetMGMの黒字転換とマカオ・大阪での国際展開で差別化しています
- 財務・配当の実績: 配当は停止中(コロナ禍以降)で自社株買いで株主還元。ただし負債資本比率11.03、ROA -1.26%と財務健全性に課題があります
- リスク要因: ラスベガス市場の短期的不透明感(工事混乱・予約減少)、高負債水準、株価過去52週で37.2%下落(S&P500は6.8%上昇)など景気敏感株特有のリスクがあります
(235字)
1. なぜMGMリゾーツ・インターナショナル(MGM)が注目されているのか
(1) 成長戦略の3つのポイント
MGMリゾーツ・インターナショナルは、世界最大級のカジノ・リゾート運営企業として、以下3つの成長戦略で投資家の注目を集めています。
1. デジタル事業の拡大(BetMGM)
BetMGMは、MGMリゾーツとEntainの合弁によるスポーツベッティング・オンラインカジノ事業です。2025年通期でEBITDA 5億ドルを目標としており、前年比約4億ドルの大幅改善が見込まれています。Q3 2024の売上は前年比23%増で推移し、親会社への配当も2億ドル超と安定的なキャッシュフロー貢献が確認されています。
さらに、ブラジル市場にも参入し、市場規模70-80億ドルの5-10%シェア(2-3億ドル)を狙っています。オンラインゲーミング市場は規制緩和が進む各国で急成長しており、MGMはこの波に乗って収益基盤を多様化しています。
2. 国際展開の加速
MGMは、大阪IR(統合型リゾート)事業で日本市場に進出します。2023年4月に整備計画が認定され、2030年開業予定で総投資額は80.7億ドルに達します。総延床面積77万m²、客室2,500室、3,500席シアターを備える日本初のゲーミングリゾートとして、長期成長の柱となることが期待されています。
マカオでも好調で、過去最高のEBITDAR(利払い・税金・減価償却・賃借料前利益)と市場シェア16.6%を達成しました。コンセッション業者の中で最大の前期比増を記録し、アジア市場での地位を確立しています。
3. 会議・団体客事業の強化
2025年予約済み団体宿泊室数は220万室超で、業界リーダーを目指しています。運営効率化で2億ドルのEBITDA改善計画を進めており、2025年中に1.5億ドル超を実施予定です。MICE(会議・報奨旅行・会議・展示会)需要の回復を捉えた戦略です。
(2) 注目テーマ(BetMGM・大阪IR・デジタル・会議団体客)
BetMGM・デジタルゲーミング
Q3 2024売上は前年比23%増で、2025年通期で正のEBITDAを見込んでいます。親会社への配当2億ドル超が実現すれば、安定的なキャッシュフロー源として評価されます。米国各州でのスポーツベッティング合法化が追い風です。
大阪IR(統合型リゾート)
2029年秋・冬開業予定で、総延床面積77万m²、客室2,500室、3,500席シアターを計画しています。マリオットブランドを導入し、カジノ・ホテル・MICE・エンタメ・ショッピングを統合した複合施設として、日本のインバウンド需要を取り込みます。
ポートフォリオ最適化
2025年10月にオハイオ州ラシノを5.46億ドルで売却し、資本をデジタル・国際事業に再配分しています。収益性の高い事業への集中投資を進める姿勢です。
(3) 投資家の関心・懸念点
関心点
- Q2 2025で市場予想を上回るEPS 0.79ドル(予想0.55ドル比+43.64%)、売上44億ドル(予想43.1億ドル超)を達成
- BetMGMの黒字転換と大阪IR事業が長期成長の柱
- アナリスト平均目標株価43.33ドル(高値50.00ドル、安値36.00ドル)、2028年売上184億ドル・利益9.06億ドル予測(年率2.3%成長)
懸念点
- 負債資本比率11.03、ROA -1.26%と財務健全性に課題
- 株価は過去52週で37.2%下落(S&P500は6.8%上昇)、1年株主リターン-19.4%
- ラスベガス事業の不安定性:Q2 2025でMGMグランドの工事混乱・平日の低価格物件不振により調整後EBITDARが減少。5月から9週間予約減少(直近4週中3週で回復傾向も短期的不透明感)
- アナリスト4名が来期業績を下方修正し、純利益減少予想
MGMは景気敏感株(一般消費財セクター)のため、景気回復期待と景気後退リスクの両面で評価が分かれています。CEOは「ラスベガスは根本的に堅調」と表明し、2026年の改善見通しを示していますが、短期的には慎重な姿勢が必要です。
2. MGMリゾーツ・インターナショナルの事業内容・成長戦略
(1) 主力事業(ラスベガス・地域物件・MGMチャイナ・デジタル)
MGMリゾーツ・インターナショナルは、4つの事業セグメントで構成されています。
1. ラスベガス・ストリップ
MGMグランド、ベラージオ、マンダレイ・ベイなどの高級リゾートを運営しています。Q2 2025では、MGMグランドの工事混乱や平日の低価格物件不振で調整後EBITDARが減少しましたが、地域物件は過去最高売上を達成しており、全体としては過去最高の統合売上44億ドルを記録しました。
2. 地域物件
米国各地のカジノ・リゾートを運営し、Q2 2025で過去最高売上を達成しました。ゲーミング・ホテル・飲食全セグメントで好調です。会議・団体客事業の強化により、2025年予約済み団体宿泊室数は220万室超で業界リーダーを目指しています。
3. MGMチャイナ
マカオで過去最高調整後EBITDAR・市場シェア16.6%を達成しました。コンセッション業者中最大の前期比増を記録し、アジア市場での地位を確立しています。
4. MGMデジタル(BetMGM)
スポーツベッティング・オンラインカジノ事業で、2025年通期売上24-25億ドル・正のEBITDAを見込んでいます。Q3 2024売上は前年比23%増で、親会社への配当2億ドル超が実現しています。
(2) セクター・業種の説明(一般消費財・ホテル・レストラン・レジャー)
MGMは一般消費財(Consumer Discretionary)セクターのホテル・レストラン・レジャー(Hotels, Restaurants & Leisure)業種に分類されます。
一般消費財セクターは、景気回復局面で消費者の裁量支出が増加すると業績が伸びる一方、景気後退局面では消費が減少するため業績が悪化しやすい景気敏感株です。カジノ・リゾート事業は特にレジャー支出に依存するため、景気サイクルの影響を強く受けます。
MGMの事業モデルは、不動産・ホテル運営とカジノ・ゲーミングの組み合わせです。不動産は長期的な減損リスクを抱える一方、カジノは高収益率で安定的なキャッシュフローを生み出します。
(3) ビジネスモデルの特徴(景気敏感株・カジノ・リゾート運営)
MGMのビジネスモデルには以下の特徴があります。
1. 景気敏感株としての特性
景気回復期には旅行・レジャー需要が急増し、業績が大きく伸びます。一方、景気後退期には消費者が裁量支出を削減するため、売上が減少します。コロナ禍では大幅減収・配当停止を経験し、現在は回復フェーズにあります。
2. カジノ・リゾート運営の高収益性
カジノ事業は高収益率で、安定的なキャッシュフローを生み出します。MGMは、ラスベガスを中心に高級リゾートを展開し、富裕層・ビジネス客をターゲットにしています。
3. デジタル事業の拡大
BetMGMのオンラインゲーミング事業は、物理的な施設投資が不要で高成長が期待できます。規制緩和が進む各国市場で、収益基盤を多様化しています。
4. 国際展開
マカオ・大阪など、アジア市場でのIR事業展開により、米国市場依存度を下げています。大阪IR事業は2030年開業で長期的な成長ドライバーとなる見込みです。
5. 組織統合と運営効率化
CEO自身が語る戦略転換として、各物件が個別運営から全社統一フレームワークへ移行し、財務・人事・価格設定を中央集権化しました。運営効率化で2億ドルのEBITDA改善計画を進めています。
3. 競合との差別化
(1) 主要競合企業(Wynn Resorts・Caesars Entertainment・Las Vegas Sands)
MGMリゾーツ・インターナショナルの主要競合は以下の3社です。
1. Wynn Resorts(ウィン・リゾーツ)
ラスベガス・マカオで高級リゾートを運営し、富裕層をターゲットにしています。MGMと同様に、マカオ市場で競争しています。
2. Caesars Entertainment(シーザーズ・エンターテインメント)
ラスベガス・米国各地でカジノ・リゾートを展開し、地域物件でMGMと競合します。オンラインゲーミング事業にも参入していますが、MGMのBetMGMほどの規模はありません。
3. Las Vegas Sands(ラスベガス・サンズ)
シンガポール・マカオでIR事業を展開し、アジア市場でMGMと競合します。ラスベガス事業は売却済みで、アジア特化型です。
(2) 競合優位性(BetMGM黒字転換・マカオ市場シェア16.6%・大阪IR)
MGMは以下の点で競合と差別化しています。
1. BetMGMの黒字転換
2025年通期でEBITDA 5億ドルを目標とし、前年比約4億ドルの改善が見込まれています。親会社への配当2億ドル超が実現すれば、安定的なキャッシュフロー源として評価されます。競合のCaesarsもオンラインゲーミング事業を展開していますが、MGMのBetMGMは規模・収益性で優位です。
2. マカオ市場シェア16.6%
MGMチャイナは過去最高調整後EBITDAR・市場シェア16.6%を達成し、コンセッション業者中最大の前期比増を記録しました。マカオ市場での地位を確立しています。
3. 大阪IR事業
日本初のゲーミングリゾートとして、2030年開業予定の大阪IR事業は、競合にはない成長ドライバーです。総投資80.7億ドル、総延床面積77万m²、客室2,500室、3,500席シアターを計画しています。
4. 組織統合と運営効率化
CEO自身が語る戦略転換として、各物件が個別運営から全社統一フレームワークへ移行し、財務・人事・価格設定を中央集権化しました。運営効率化で2億ドルのEBITDA改善計画を進めており、2025年中に1.5億ドル超を実施予定です。
(3) 市場でのポジショニング(世界最大級カジノ・リゾート運営企業)
MGMは、世界最大級のカジノ・リゾート運営企業として、以下のポジショニングを確立しています。
- ラスベガスでの主導的地位: MGMグランド、ベラージオ、マンダレイ・ベイなど、高級リゾートを多数運営
- マカオでの市場シェア16.6%: コンセッション業者中最大の前期比増
- デジタルゲーミングでのリーダーシップ: BetMGMの黒字転換と規模拡大
- 国際展開の先駆者: 大阪IR事業で日本市場に進出
MGMは、伝統的なカジノ・リゾート運営とデジタル・国際事業の組み合わせで、競合との差別化を図っています。
4. 財務・配当の実績
(1) 売上高・利益の推移(Q2 2025売上44億ドル・過去最高)
MGMリゾーツ・インターナショナルの財務状況は以下の通りです(2025年10月時点)。
Q2 2025業績ハイライト
- 売上: 44億ドル(過去最高統合売上、前年同期比増)
- 調整後EBITDA: 約7.5億ドル
- EPS: 0.79ドル(市場予想0.55ドル比+43.64%)
- 地域物件: 過去最高売上達成(ゲーミング・ホテル・飲食全セグメントで好調)
- MGMチャイナ: 過去最高調整後EBITDAR・市場シェア16.6%達成
- BetMGM: Q3 2024売上前年比23%増、親会社への配当2億ドル超
売上高推移(推定)
年度 | 売上高(億ドル) | 備考 |
---|---|---|
2024 | 約160 | Q2 2025時点の通期推定 |
2025 | 約170 | ガイダンス上方修正後 |
2028 | 184 | アナリスト予測(年率2.3%成長) |
利益推移(推定)
年度 | 純利益(億ドル) | 備考 |
---|---|---|
2024 | 約7 | 来期は減少予想(アナリスト4名下方修正) |
2028 | 9.06 | アナリスト予測 |
※2025年10月時点のデータです。最新情報はMGM Resorts International公式IRページをご確認ください。 (出典: MGM Resorts International Q2 2025 Earnings, SEC EDGAR)
(2) 配当履歴(配当停止中・自社株買いで株主還元)
MGMリゾーツ・インターナショナルは、現在配当を停止しています。コロナ禍で大幅減収を経験し、配当停止を余儀なくされました。
配当履歴
- 配当利回り: 0%(配当停止中)
- 配当性向: -(配当停止中)
- 連続増配年数: 0年(コロナ禍以降配当停止)
株主還元方針
MGMは、配当の代わりに自社株買いで株主還元を実施しています。経営陣の積極的自社株買いと高株主利回りがある一方、アナリスト4名が来期業績を下方修正し、純利益減少予想となっています。
配当再開の見通しは明示されていませんが、BetMGMの黒字転換と大阪IR事業の進展により、長期的には配当再開の可能性があります。
(3) 財務健全性(負債資本比率11.03・ROA -1.26%・財務圧迫)
MGMの財務健全性には課題があります。
財務指標(2025年10月時点)
- 負債資本比率(Debt-to-Equity Ratio): 11.03(負債÷株主資本)
- ROA(資産利益率): -1.26%(純利益÷総資産)
- 負債比率: 50.32%(負債÷総資産)
- 自己資本比率: 推定4.5%(負債資本比率11.03から逆算)
負債資本比率11.03は非常に高く、株主資本に対して11倍以上の負債を抱えていることを意味します。ROA -1.26%は、資産を使って利益を生み出せていない状態です。
キャッシュフロー
- 営業キャッシュフロー: Q2 2025は調整後EBITDA 7.5億ドルで堅調
- BetMGM配当: 親会社への配当2億ドル超で安定的キャッシュフロー貢献
- ポートフォリオ最適化: 2025年10月にオハイオ州ラシノを5.46億ドルで売却し、資本をデジタル・国際事業に再配分
高負債水準は財務リスクとなりますが、BetMGMの黒字転換と大阪IR事業の進展により、長期的には財務健全性の改善が期待されます。
5. リスク要因
(1) 事業リスク(ラスベガス工事混乱・予約減少・負債水準高)
MGMリゾーツ・インターナショナルには、以下の事業リスクがあります。
1. ラスベガス市場の短期的不透明感
Q2 2025では、MGMグランドの工事混乱や平日の低価格物件不振により調整後EBITDARが減少しました。5月から9週間予約減少が続き(直近4週中3週で回復傾向も短期的不透明感あり)、アナリスト4名が来期業績を下方修正し、純利益減少予想となっています。
CEOは「ラスベガスは根本的に堅調」と表明し、2026年の改善見通しを示していますが、短期的には慎重な姿勢が必要です。
2. 高負債水準
負債資本比率11.03、ROA -1.26%と財務健全性に課題があります。高負債は金利上昇時に利払い負担を増加させ、収益を圧迫します。
3. 不動産の減損リスク
カジノ・リゾート事業は不動産依存度が高く、景気後退時には資産価値が減損するリスクがあります。コロナ禍では大幅減収を経験しました。
4. オンライン賭博の規制リスク
BetMGMは各国・各州の規制に依存しています。規制強化や合法化の遅延は、成長を阻害する可能性があります。
(2) 市場環境リスク(景気後退・株価52週で37.2%下落・RSI過熱指標)
1. 景気後退リスク
MGMは一般消費財セクターの景気敏感株です。景気後退局面では、消費者が裁量支出を削減するため、売上が減少します。
2. 株価下落
株価は過去52週で37.2%下落しています(S&P500は6.8%上昇)。1年株主リターンは-19.4%で、市場全体を大幅に下回っています。
3. テクニカル指標の過熱感
RSI(相対力指数)/Williams %R過熱指標が1.0スコアで、強い下落リスクを示唆しています。歴史的データでは、WR過熱時平均リターン-0.95%(勝率34.78%)、RSI過熱時-2.69%(勝率9.09%)となっています。
4. 為替リスク
MGMはドル建て資産のため、円高時に円換算価値が減少します。日本人投資家は為替リスクを考慮する必要があります。
(3) 規制・競争リスク(オンライン賭博規制・競合激化・不動産減損)
1. オンライン賭博規制
BetMGMは各国・各州の規制に依存しています。ブラジル市場では市場規模70-80億ドルの5-10%シェア(2-3億ドル)を狙っていますが、規制強化や合法化の遅延は成長を阻害する可能性があります。
2. 競合激化
Wynn Resorts、Caesars Entertainment、Las Vegas Sandsなどの競合が、ラスベガス・マカオ・オンラインゲーミング市場で激しく競争しています。市場シェア維持には継続的な投資が必要です。
3. 大阪IR事業のリスク
大阪IR事業は2030年開業予定で長期投資リスクがあります。規制・建設・市場需要の変動に注意が必要です。総投資80.7億ドルの回収には、インバウンド需要の持続的な成長が前提となります。
4. 機関投資家の慎重姿勢
アナリスト4名が来期業績を下方修正し、純利益減少予想となっています。機関投資家の慎重姿勢が株価の重石となる可能性があります。
6. まとめ:投資判断のポイント
(1) この銘柄の強み(BetMGM EBITDA 5億ドル目標・大阪IR 2030年開業・運営効率化2億ドル)
MGMリゾーツ・インターナショナルの強みは以下の3点です。
1. BetMGMの黒字転換
2025年通期でEBITDA 5億ドルを目標とし、前年比約4億ドルの改善が見込まれています。Q3 2024売上は前年比23%増で、親会社への配当2億ドル超が実現しています。オンラインゲーミング市場の成長を捉えた戦略です。
2. 大阪IR事業
2030年開業予定で総投資80.7億ドル、総延床面積77万m²、客室2,500室、3,500席シアターを計画しています。日本初のゲーミングリゾートとして、長期成長の柱となることが期待されています。
3. 運営効率化
2億ドルのEBITDA改善計画を進めており、2025年中に1.5億ドル超を実施予定です。各物件が個別運営から全社統一フレームワークへ移行し、財務・人事・価格設定を中央集権化しました。
(2) リスク要因(再掲)
1. 高負債水準と財務圧迫
負債資本比率11.03、ROA -1.26%と財務健全性に課題があります。株価は過去52週で37.2%下落(S&P500は6.8%上昇)、1年株主リターン-19.4%です。
2. ラスベガス市場の短期的不透明感
Q2 2025でMGMグランドの工事混乱・平日の低価格物件不振により調整後EBITDARが減少。5月から9週間予約減少(直近4週中3週で回復傾向も短期的不透明感)。アナリスト4名が来期業績を下方修正し、純利益減少予想です。
(3) 向いている投資家(景気回復期待・循環株志向・長期保有志向)
MGMリゾーツ・インターナショナルは、以下のような投資家に向いています。
1. 景気回復期待の投資家
景気敏感株のため、景気回復局面で業績が大きく伸びることを期待する投資家に向いています。レジャー需要の回復を捉えた投資戦略です。
2. 循環株リスクを理解した投資家
景気後退局面では業績が悪化するリスクを理解し、長期的な視点で投資できる投資家に適しています。
3. 長期保有志向の投資家
BetMGMの黒字転換と大阪IR事業(2030年開業)は長期的な成長ドライバーです。短期的な株価変動に惑わされず、5-10年の長期保有ができる投資家に向いています。
免責事項
本記事は情報提供を目的としており、個別銘柄の売買推奨ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。米国株投資には為替リスク、市場リスク、個別企業リスクが伴います。最新の財務データはMGM Resorts International公式IRページ、SEC EDGARでご確認ください。
※2025年10月時点のデータです。最新情報はMGM Resorts International公式IRページをご確認ください。
Q: MGMリゾーツ・インターナショナルの配当利回りは?
A: 現在配当は停止中です(配当利回り0%)。コロナ禍で大幅減収を経験し、配当停止を余儀なくされました。配当の代わりに自社株買いで株主還元を実施しています。経営陣の積極的自社株買いと高株主利回りがある一方、アナリスト4名が来期業績を下方修正し、純利益減少予想となっています。配当再開の見通しは明示されていませんが、BetMGMの黒字転換(2025年通期EBITDA 5億ドル目標)と大阪IR事業の進展により、長期的には配当再開の可能性があります。
Q: MGMリゾーツ・インターナショナルの主な競合は?
A: Wynn Resorts(ウィン・リゾーツ)、Caesars Entertainment(シーザーズ・エンターテインメント)、Las Vegas Sands(ラスベガス・サンズ)が主要競合です。MGMはBetMGM黒字転換(2025年通期EBITDA 5億ドル目標、親会社への配当2億ドル超)、マカオ市場シェア16.6%達成(コンセッション業者中最大の前期比増)、大阪IR事業(2030年開業・総投資80.7億ドル)で差別化しています。競合のCaesarsもオンラインゲーミング事業を展開していますが、MGMのBetMGMは規模・収益性で優位です。
Q: MGMリゾーツ・インターナショナルのリスク要因は?
A: 高い負債資本比率(11.03)、ROA -1.26%、ラスベガス市場の短期的不透明感(MGMグランド工事混乱・平日低価格物件不振で調整後EBITDAR減少、5月から9週間予約減少)、株価過去52週で37.2%下落(S&P500は6.8%上昇)、1年株主リターン-19.4%などがあります。景気敏感株のため、景気後退局面では業績が悪化するリスクがあります。アナリスト4名が来期業績を下方修正し、純利益減少予想です。RSI/Williams %R過熱指標が1.0スコアで、強い下落リスクを示唆しています。詳細は本文「5. リスク要因」を参照してください。
Q: MGMリゾーツ・インターナショナルは長期投資に向いている?
A: Q2 2025売上過去最高44億ドル、BetMGM黒字転換(2025年通期売上24-25億ドル・正のEBITDA、親会社への配当2億ドル超)、大阪IR 2030年開業(総投資80.7億ドル、総延床面積77万m²、客室2,500室)、運営効率化2億ドル改善計画など成長基盤はあります。ただし高負債(負債資本比率11.03、ROA -1.26%)と景気敏感株の特性から、景気回復期待と循環株リスクを理解した長期投資家に向いています。アナリスト平均目標株価43.33ドル(高値50.00ドル、安値36.00ドル)、2028年売上184億ドル・利益9.06億ドル予測(年率2.3%成長)です。投資判断はご自身の責任でご検討ください。
Q: 大阪IR事業の見通しは?
A: 2023年4月に大阪・夢洲IR整備計画認定、2029年秋・冬開業予定(2030年営業開始)で、総投資80.7億ドル、総延床面積77万m²、客室2,500室、3,500席シアターを計画しています。2023年7月にマリオットと提携し、17施設をマリオットブランドに組み込みました。日本初の統合型リゾート(IR)として長期成長に寄与が期待されますが、規制・建設・市場需要の変動リスクがあります。インバウンド需要の持続的な成長が前提となります。詳細は本文「2. MGMリゾーツ・インターナショナルの事業内容・成長戦略」を参照してください。