0. この記事でわかること
本記事では、アムジェン(AMGN)について以下の情報を提供します:
- なぜ注目されているのか: Horizon Therapeutics社280億ドル買収、肥満症治療薬MariTide開発、配当利回り3.34%・12年連続増配、バイオシミラー40%成長
- 事業内容と成長戦略: 世界最大級のバイオ医薬品企業、がん・骨疾患・炎症・希少疾患治療薬、腫瘍学・循環器・骨疾患・炎症・希少疾患の4治療領域に注力
- 競合との差別化: AbbVie・Johnson & Johnson・Eli Lillyとの競合、広範な疾患領域カバー、バイオシミラー事業展開
- 財務・配当の実績: 2025年Q2売上91.8億ドル(予想超・前年比9%増)、EPS 6.02ドル(予想超)、15製品が2桁成長、配当利回り3.34%(年間配当9.52ドル)
- リスク要因: 特許失効と老朽化した主力製品への依存、バイオシミラー競争、薬価引き下げ圧力、Horizon買収の統合リスク
アムジェンは、1980年創業のバイオ医薬品企業として、がん・骨疾患・炎症性疾患治療薬に強みを持ちます。配当利回り3%超の高配当株で、連続増配12年を達成しています。主力製品の特許切れリスクはありますが、新薬開発・M&Aで成長を継続しています。ディフェンシブなヘルスケアセクターで安定配当を重視する投資家に人気です。
1. なぜアムジェン(AMGN)が注目されているのか
アムジェンは、1980年創業のバイオ医薬品企業として、がん・骨疾患・炎症性疾患治療薬に強みを持ちます。日本人投資家にはあまり馴染みがありませんが、米国では世界最大級のバイオ医薬品企業として認識されており、配当利回り3%超の高配当株として注目されています。
(1) 成長戦略の3つのポイント
アムジェンは、以下の3つの成長戦略を推進しています:
Horizon Therapeutics社を280億ドルで買収し希少疾患治療薬群を獲得
2024年にHorizon Therapeutics社を280億ドルで買収しました。Horizon社は希少疾患治療薬に特化し、Tepezza(甲状腺眼症)、Krystexxa(痛風)、Ravicti(尿素サイクル異常症)などを手掛けています。この買収により、アムジェンは希少疾患ポートフォリオを強化し、成長ドライバーを拡大しました。希少疾患治療薬は高単価・高マージンで、競合が少なく、長期的な収益性が期待されます。
肥満症治療薬MariTideを開発中(2025年Q4にデータ公表予定)
アムジェンは肥満症治療薬MariTideを開発中で、2025年Q4にデータ公表予定です。肥満症治療薬市場は、Novo Nordisk(ノボ・ノルディスク)のWegovy、Eli Lilly(イーライリリー)のZepboundが市場をリードしています。MariTideは月1回投与で、既存薬(週1回投与)より利便性が高いとされています。肥満症治療薬市場は急成長中で、2030年までに1,000億ドル規模に達すると予測されています。
2030年までに非GAAPベース純利益の平均約60%を配当・自社株買いで株主還元
アムジェンは、2030年までに非GAAP純利益の平均約60%を株主還元(配当・自社株買い)する方針を示しています。過去10年で300億ドル超のM&Aを実行しつつ、配当・自社株買いを継続してきました。配当利回り3.34%・12年連続増配を達成し、株主還元を重視しています。
(2) 注目テーマ(バイオ医薬品市場)
投資家が注目している主要テーマは以下の通りです:
腫瘍学・循環器・骨疾患・炎症・希少疾患の4治療領域に注力
アムジェンは、腫瘍学(がん治療)、一般医薬品(循環器・骨疾患・神経)、炎症、希少疾患の4治療領域に注力しています。2024年度は10製品が2桁成長・14製品が年間10億ドル超売上を達成しました。Repatha(高コレステロール血症)売上27%増、EVENITY(骨粗鬆症)29%増、TEZSPIRE(喘息)65%増と主要製品が好調です。
バイオシミラーポートフォリオ(2025年Q2に前年比40%成長・売上7億ドル超)
アムジェンは、バイオシミラー(特許切れバイオ医薬品の後発品)事業を展開しています。2025年Q2にバイオシミラー売上が前年比40%成長し、7億ドル超を達成しました。特許切れバイオ医薬品市場は成長中で、アムジェンは先行者利益を享受しています。バイオシミラーは低価格で提供されるため、医療費削減に貢献し、市場拡大が期待されます。
人工知能(AI)・タンパク質工学を活用した創薬プラットフォーム
アムジェンは、AI・タンパク質工学を活用した創薬プラットフォームを構築しています。本社に5億ドル超の科学イノベーションセンターを建設し、研究開発を強化しています。2025年設備投資23億ドルで米国製造拠点(ノースカロライナ・オハイオ)を拡張し、生産能力を増強しています。
(3) 投資家の関心・懸念点
投資家の主な関心は、高配当と安定配当です。配当利回り3.34%・12年連続増配を達成し、配当性向40-50%で増配余地もあります。ディフェンシブなヘルスケアセクターで、景気に左右されにくい安定収益を確保しています。
一方、懸念点としては、特許失効と老朽化した主力製品への依存が挙げられます。主力製品Enbrel(エンブレル:関節リウマチ等)は特許切れにより、バイオシミラー競争に晒されています。バイオシミラー競争により、売上・利益率が低下するリスクがあります。また、薬価引き下げ圧力・関税影響・税制改革への政策不確実性、M&A統合リスクとコスト増加が長期収益性に懸念材料です。
アナリストの見通しは概ね前向きで、コンセンサスは「Moderate Buy」(買い8・ホールド11・売り1)、平均目標株価は323.38ドル(レンジ272-405ドル)です。利益成長率年10.9%・売上成長率年2.2%予測ですが、米国市場平均(利益15.1%・売上9.3%)を下回る点が懸念されます。ただし、腫瘍学・希少疾患パイプラインとMariTide肥満症治療薬が長期成長を支える見込みです。ROE 143.3%(3年後予測)と高収益性を維持しています。
2. アムジェンの事業内容・成長戦略
(1) 主力事業(バイオ医薬品)
アムジェンは、バイオ医薬品企業として、以下の主力製品を提供しています:
がん治療・支持療法
Neulasta/Neupogen(白血球増加剤)、Vectibix(大腸がん)などを手掛けています。がん患者の免疫力向上・副作用軽減に貢献し、がん治療の補助として幅広く使用されています。
骨疾患治療薬
Prolia/Xgeva(骨粗鬆症・がん骨転移)、EVENITY(骨粗鬆症)などを手掛けています。Prolia/Xgevaは年間売上10億ドル超のブロックバスター製品で、骨粗鬆症患者の骨密度改善に貢献しています。EVENITY売上は29%増と好調です。
炎症性疾患治療薬
Enbrel(エンブレル:関節リウマチ等)、Otezla(乾癬)などを手掛けています。Enbrelは主力製品ですが、特許切れによりバイオシミラー競争に晒されています。Otezlaは2019年にCelgene社(セルジーン)から買収し、ポートフォリオを強化しました。
循環器治療薬
Repatha(高コレステロール血症)などを手掛けています。Repatha売上は27%増と好調で、心血管疾患リスク低減に貢献しています。
希少疾患治療薬
Horizon Therapeutics社買収により、Tepezza(甲状腺眼症)、Krystexxa(痛風)、Ravicti(尿素サイクル異常症)などを獲得しました。希少疾患治療薬は高単価・高マージンで、競合が少なく、長期的な収益性が期待されます。
(2) セクター・業種の説明
アムジェンはヘルスケア(Health Care)セクターの**バイオテクノロジー(Biotechnology)**に分類されます。
ヘルスケアセクターの特徴
ヘルスケアセクターは、医薬品・医療機器・病院など医療関連産業を含みます。景気に左右されにくいディフェンシブセクターで、高齢化により長期的な需要成長が期待されます。バイオ医薬品は、遺伝子工学・細胞培養技術を用いた高付加価値医薬品で、高単価・高マージンが特徴です。
バイオテクノロジー業界の収益構造
バイオテクノロジー業界の収益は「製品売上」と「ロイヤリティ収入」で構成されます。製品売上は処方数・薬価により変動し、ロイヤリティ収入は特許・ライセンス契約により得られます。アムジェンは、主力製品の売上に依存しており、特許切れにより売上が急減するリスクがあります。
(3) ビジネスモデルの特徴
アムジェンのビジネスモデルには以下の特徴があります:
広範な疾患領域カバー
アムジェンは、腫瘍学・循環器・骨疾患・炎症・希少疾患と広範な疾患領域をカバーしています。複数の疾患領域に製品を展開し、リスク分散を図っています。14製品が年間10億ドル超売上を達成し、ポートフォリオの多様化により安定収益を確保しています。
バイオシミラー事業の展開
アムジェンは、バイオシミラー(特許切れバイオ医薬品の後発品)事業を展開しています。2025年Q2にバイオシミラー売上が前年比40%成長し、7億ドル超を達成しました。特許切れバイオ医薬品市場は成長中で、アムジェンは先行者利益を享受しています。
M&A戦略による事業拡大
アムジェンは、M&A戦略により事業拡大を継続しています。過去10年で300億ドル超のM&Aを実行し、Horizon Therapeutics社280億ドル買収により希少疾患ポートフォリオを強化しました。M&A統合ノウハウにより、買収企業を成長軌道に乗せています。
3. 競合との差別化
(1) 主要競合企業
アムジェンの主要競合企業は以下の通りです:
AbbVie(ABBV)- バイオ医薬品大手
AbbVieはバイオ医薬品大手で、Humira(ヒュミラ:関節リウマチ等)で世界トップシェアを維持してきました。Humiraは特許切れによりバイオシミラー競争に晒されていますが、Skyrizi(乾癬)、Rinvoq(関節リウマチ)などの新薬で成長を継続しています。アムジェンとの違いは、AbbVieは炎症性疾患に特化し、アムジェンは広範な疾患領域をカバーする点です。
Johnson & Johnson(JNJ)- 総合ヘルスケア企業
Johnson & Johnsonは総合ヘルスケア企業で、医薬品・医療機器・消費者向け製品を手掛けています。医薬品部門では、がん治療薬・免疫疾患治療薬に強みを持ちます。アムジェンとの違いは、Johnson & Johnsonは総合ヘルスケア企業で、アムジェンはバイオ医薬品に特化する点です。
Eli Lilly(LLY)- 製薬大手
Eli Lillyは製薬大手で、糖尿病治療薬・がん治療薬・肥満症治療薬に強みを持ちます。肥満症治療薬Zepboundは市場をリードし、急成長中です。アムジェンはMariTideで肥満症治療薬市場に参入し、Eli Lillyと競合します。
(2) 競合優位性
アムジェンの競合優位性は以下の通りです:
広範な疾患領域カバーとポートフォリオの多様化
アムジェンは、腫瘍学・循環器・骨疾患・炎症・希少疾患と広範な疾患領域をカバーしています。14製品が年間10億ドル超売上を達成し、ポートフォリオの多様化により安定収益を確保しています。競合が特定疾患に特化するのに対し、アムジェンは複数の疾患領域に製品を展開し、リスク分散を図っています。
バイオシミラー事業の展開
アムジェンは、バイオシミラー(特許切れバイオ医薬品の後発品)事業を展開しています。2025年Q2にバイオシミラー売上が前年比40%成長し、7億ドル超を達成しました。競合が先発バイオ医薬品に注力するのに対し、アムジェンは先発バイオ医薬品とバイオシミラーの両方を手掛け、市場全体をカバーしています。
Horizon買収による希少疾患ポートフォリオ強化
2024年にHorizon Therapeutics社を280億ドルで買収し、希少疾患ポートフォリオを強化しました。希少疾患治療薬は高単価・高マージンで、競合が少なく、長期的な収益性が期待されます。Tepezza(甲状腺眼症)、Krystexxa(痛風)、Ravicti(尿素サイクル異常症)などを獲得し、成長ドライバーを拡大しました。
(3) 市場でのポジショニング
アムジェンは、バイオ医薬品の高配当株として、ディフェンシブなヘルスケアセクターでのポジショニングを確立しています。
高配当・連続増配銘柄
アムジェンは配当利回り3.34%・12年連続増配を達成し、配当性向40-50%で増配余地もあります。ディフェンシブなヘルスケアセクターで、景気に左右されにくい安定配当を重視する投資家に人気です。
バイオ医薬品の成長株
アムジェンは、腫瘍学・希少疾患パイプラインとMariTide肥満症治療薬により長期成長が期待されます。2025年Q2売上91.8億ドル(予想超・前年比9%増)、15製品が2桁成長と好調です。ROE 143.3%(3年後予測)と高収益性を維持しています。
M&A戦略による事業拡大
アムジェンは、過去10年で300億ドル超のM&Aを実行し、Horizon Therapeutics社280億ドル買収により希少疾患ポートフォリオを強化しました。M&A統合ノウハウにより、買収企業を成長軌道に乗せています。
4. 財務・配当の実績
(1) 売上高・利益の推移
アムジェンの財務実績は以下の通りです(2025年10月時点のデータ):
2025年Q2(2025年6月期)の業績
- 売上高: 91.8億ドル(予想89.2億ドル超、前年比9%増)
- EPS: 6.02ドル(予想5.26ドル超)
- 15製品が2桁成長
- バイオシミラー売上: 前年比40%成長・7億ドル超
- Repatha売上27%増、EVENITY 29%増、TEZSPIRE 65%増
2025年Q1(2025年3月期)の業績
- 売上高: 81億ドル(前年比9%増、出荷量14%増)
2024年度(年間)の業績
- 売上高: 前年比19%増
- 10製品が2桁成長
- 14製品が年間10億ドル超売上
2025年度の見通し
アムジェンは2025年度売上343-357億ドルを見込んでいます。利益成長率年10.9%・売上成長率年2.2%予測ですが、米国市場平均(利益15.1%・売上9.3%)を下回る点が懸念されます。2025年設備投資23億ドルで米国製造拠点を拡張し、生産能力を増強しています。
※2025年10月時点のデータです。最新情報はAmgen Inc.公式IRページをご確認ください。
(出典: Amgen Inc. 2024 Form 10-K, Amgen Q2 2025 Earnings Release)
(2) 配当履歴
アムジェンは12年連続増配を達成し、株主還元を重視しています。
配当利回り
約3.34%です(2025年10月時点)。年間配当9.52ドル、四半期配当2.38ドルを実施しています。ヘルスケアセクターの高配当株として人気です。
連続増配実績
12年連続増配を達成しています。配当性向40-50%で増配余地もあり、今後も増配が継続すると見込まれています。
株主還元方針
アムジェンは、2030年までに非GAAP純利益の平均約60%を株主還元(配当・自社株買い)する方針を示しています。配当・自社株買いを継続し、株主還元を重視しています。
(3) 財務健全性
アムジェンの財務健全性は以下の通りです:
高い収益性
ROE 143.3%(3年後予測)と高収益性を維持しています。バイオ医薬品は高単価・高マージンで、収益性が高い産業です。
M&A負債の増加
Horizon Therapeutics社280億ドル買収により、負債が増加しました。M&A統合が計画通り進まなければ、財務圧迫リスクがあります。
製造拠点の拡張
2025年設備投資23億ドルで米国製造拠点(ノースカロライナ・オハイオ)を拡張し、生産能力を増強しています。本社に5億ドル超の科学イノベーションセンターを建設し、研究開発を強化しています。
5. リスク要因
(1) 事業リスク(特許失効)
アムジェンの主な事業リスクは以下の通りです:
特許失効と老朽化した主力製品への依存
主力製品Enbrel(エンブレル:関節リウマチ等)は特許切れにより、バイオシミラー競争に晒されています。バイオシミラー競争により、売上・利益率が低下するリスクがあります。特許切れバイオ医薬品の売上減少を新薬開発・M&Aで補う必要があります。
バイオシミラー競争
バイオシミラーは低価格で提供されるため、先発バイオ医薬品の売上・利益率が低下します。アムジェンは先発バイオ医薬品とバイオシミラーの両方を手掛けていますが、バイオシミラー競争により先発バイオ医薬品の収益性が低下するリスクがあります。
Horizon買収の統合リスク
2024年にHorizon Therapeutics社を280億ドルで買収しました。M&A統合が計画通り進まなければ、期待シナジーが実現せず、収益性が低下するリスクがあります。統合コストが増加し、短期的に利益が圧迫される可能性があります。
(2) 市場環境リスク(薬価圧力)
アムジェンは以下の市場環境リスクに直面しています:
薬価引き下げ圧力
米国では薬価引き下げ政策が強化されており、バイオ医薬品の価格が低下するリスクがあります。2022年にInflation Reduction Act(インフレ抑制法)が成立し、メディケア(高齢者向け公的医療保険)での薬価交渉が可能となりました。薬価引き下げにより、売上・利益率が低下する可能性があります。
関税影響・税制改革
関税影響・税制改革への政策不確実性があります。バイオ医薬品の製造コスト・税負担が増加すれば、収益性が低下するリスクがあります。
為替リスク(日本人投資家向け)
日本人投資家にとって、為替レートの変動により円ベースでの投資リターンが大きく影響を受ける可能性があります。円高局面では米ドル建て資産の円換算価値が減少し、円安局面では増加します。
(3) 規制・競争リスク
アムジェンは以下の規制・競争リスクに直面しています:
規制強化
バイオ医薬品は規制が厳しく、新薬承認・製造・販売において規制当局の監督を受けます。規制変更により、製品開発コスト・承認時間が増加するリスクがあります。
競合との競争激化
AbbVie・Johnson & Johnson・Eli Lillyなど競合との競争が激化しています。特に、肥満症治療薬市場ではEli LillyのZepboundが市場をリードし、アムジェンのMariTideは後発となります。競争激化により、市場シェア・利益率が低下するリスクがあります。
新薬開発の失敗リスク
新薬開発は成功率が低く、臨床試験で失敗すれば、開発費が無駄となります。MariTide肥満症治療薬の臨床試験が失敗すれば、成長期待が後退し、株価が下落するリスクがあります。
6. まとめ:投資判断のポイント
(1) この銘柄の強み
アムジェンの主な強みは以下の通りです:
広範な疾患領域カバーと高配当
腫瘍学・循環器・骨疾患・炎症・希少疾患と広範な疾患領域をカバーし、14製品が年間10億ドル超売上を達成しています。配当利回り3.34%・12年連続増配を達成し、株主還元を重視しています。
バイオシミラー事業と希少疾患ポートフォリオ
バイオシミラー売上が前年比40%成長し、7億ドル超を達成しました。Horizon Therapeutics社280億ドル買収により希少疾患ポートフォリオを強化し、成長ドライバーを拡大しました。
肥満症治療薬MariTideへの期待
MariTide肥満症治療薬を開発中で、2025年Q4にデータ公表予定です。肥満症治療薬市場は急成長中で、MariTideが成功すれば長期成長が期待されます。
(2) リスク要因(再掲)
アムジェンの主なリスク要因は以下の通りです:
特許失効とバイオシミラー競争
主力製品Enbrelは特許切れによりバイオシミラー競争に晒されています。バイオシミラー競争により、売上・利益率が低下するリスクがあります。
薬価引き下げ圧力とHorizon買収の統合リスク
薬価引き下げ政策により、売上・利益率が低下する可能性があります。Horizon買収の統合が計画通り進まなければ、期待シナジーが実現しないリスクがあります。
(3) 向いている投資家
アムジェンは以下のような投資家に向いています:
高配当と安定配当を求める投資家
配当利回り3.34%・12年連続増配を達成し、配当性向40-50%で増配余地もあります。ディフェンシブなヘルスケアセクターで、景気に左右されにくい安定配当を重視する投資家に向いています。
バイオ医薬品の長期成長を期待する投資家
腫瘍学・希少疾患パイプラインとMariTide肥満症治療薬により長期成長が期待されます。特許失効リスクに耐えられる長期視点が必要です。
ヘルスケアセクターのディフェンシブ性を重視する投資家
ヘルスケアセクターは景気に左右されにくいディフェンシブセクターで、高齢化により長期的な需要成長が期待されます。ポートフォリオのディフェンシブ部分として、長期保有に適しています。
免責事項
本記事は情報提供を目的としており、個別銘柄の推奨を行うものではありません。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。米国株投資には為替リスク、税金(米国源泉徴収10%、日本での課税)、規制リスクなどが伴います。NISA口座では外国税額控除が適用できず米国10%源泉徴収が取り戻せません。最新の財務データ・税率は公式IRページ・国税庁ウェブサイトをご確認ください。