0. この記事でわかること
本記事では、リジェネロン・ファーマシューティカルズ(REGN)について以下の情報を提供します:
- なぜ注目されているのか: 独自のVelociSuite技術で完全ヒト抗体を迅速生成し、Dupixent(アトピー性皮膚炎・喘息等、Q2 2025世界売上43億ドル、前年比21%増)などのブロックバスター医薬品を開発するバイオテック大手。2024年Q4から配当開始し、成長性と株主還元を両立しています。
- 事業内容と成長戦略: 眼疾患(Eylea)、アレルギー・炎症(Dupixent)、癌(Libtayo)、肥満(GLP-1/GIP二重作動薬)など多様な治療領域で約45の臨床開発候補を保有。NY・NC州に70億ドル超のインフラ投資で製造能力を約2倍に拡大し、肥満市場への参入を図っています。
- 競合との差別化: Amgen、Gilead Sciences、AbbVie、Eli Lilly等との競争において、VelociSuite独自技術(VelocImmune、VelociMab)とRegeneron Genetics Center(遺伝学研究で新規治療標的を特定)で差別化しています。
- 財務・配当の実績: 2025年Q2に売上37億ドル(前年比3.6%増、予想比10.2%上回る)、Adjusted EPS $12.89(前年比11.5%増、予想比60.5%上回る)を達成。2024年Q4から四半期配当$0.88/株(年率$3.52)を開始し、自社株買い枠を45億ドルに増額しました。
- リスク要因: Eylea特許消失によるバイオシミラー競合(Q1 2025で米国売上39%減)、証券訴訟(時価総額90億ドル消失)、臨床試験失敗リスク、規制リスク(EYLEA HDの完全回答レター)が業績を圧迫する懸念があります。
1. なぜリジェネロン・ファーマシューティカルズ(REGN)が注目されているのか
(1) 成長戦略の3つのポイント
リジェネロン・ファーマシューティカルズは、次の3つの成長戦略で投資家の関心を集めています。
Dupixent中心の成長: Q2 2025で世界売上43億ドル(前年比21%増)を記録し、適応症拡大により水疱性類天疱瘡と慢性特発性蕁麻疹のFDA承認を取得しました。現在、第7・第8適応症として承認され、今後も適応症拡大による売上拡大が期待されます。
製造能力の大幅拡大: NY・NC州に70億ドル超のインフラ投資を計画し、FUJIFILM Diosynth Biotechnologiesと10年契約を締結して米国大規模製造能力を約2倍に拡大しています。これにより、Dupixentや新薬の供給体制を強化し、今後の成長を支えます。
肥満市場への参入: Hansoh Pharmaceuticalsと戦略的ライセンス契約を締結し、GLP-1/GIP二重作動薬の独占開発・商業化権を取得しました。現在Phase 3試験中で、肥満・糖尿病治療の巨大市場(Eli LillyのMounjaroやNovo NordiskのWegovyが急成長)への参入を目指しています。
(2) 注目テーマ(VelociSuite技術・Regeneron Genetics Center・筋肉減少防止戦略)
VelociSuite独自技術プラットフォームは、同社の創薬力の源泉です。VelocImmuneとVelociMabを組み合わせ、完全ヒト抗体を迅速に生成する技術により、他社に先駆けて新薬開発を進めています。これまでに米国内で14の承認医薬品を生み出し、約45の臨床開発候補を保有しています。
Regeneron Genetics Center活用は、遺伝学研究で新規治療標的を特定する戦略です。大規模な遺伝子データベースを活用し、疾患の根本原因を解明することで、より効果的な治療法を開発しています。この独自のアプローチは、競合他社との差別化につながっています。
筋肉減少防止戦略は、GLP-1市場への参入において重要な差別化ポイントです。semaglutide(GLP-1薬)とtrevogrumab(筋肉減少防止剤)を組み合わせることで、GLP-1使用時の筋肉減少を防止し、アルツハイマー患者向けに商業的に有望な治療法を提供する計画です。
(3) 投資家の関心・懸念点
投資家は、リジェネロンのDupixent成長と新薬パイプラインに注目していますが、同時に以下の懸念も抱いています。
Eylea特許消失と収益減少: バイオシミラー競合により、米国売上がQ1 2025で前年比39%減少しました。TD CowenはEylea売上予想を大幅に引き下げ、目標株価を$1,230から$1,030に下方修正しました。Eyleaは長年の主力製品でしたが、特許消失により収益基盤が大きく揺らいでいます。
証券詐欺集団訴訟: Medicare償還コンプライアンスに関する虚偽陳述疑惑により、2024年10月31日に株価が$84.59急落し、時価総額90億ドルが消失しました。この訴訟は投資家心理に大きな影響を与えています。
株価パフォーマンスの悪化: 株価は52週で51.2%下落、年初来21.7%下落と低迷しています。Eylea特許消失と訴訟リスクが主な要因です。
アナリストの平均目標株価は$795.04(現在価格から37.93%上昇)でコンセンサスは「Buy」ですが、短期的には慎重な見方も存在します。
一方、2025年Q2には売上37億ドル(前年比3.6%増、予想比10.2%上回る)、Adjusted EPS $12.89(前年比11.5%増、予想比60.5%上回る)と好調な業績を発表し、Dupixentの成長とLibtayoの売上25%増が業績を支えています。
2. リジェネロン・ファーマシューティカルズの事業内容・成長戦略
(1) 主力事業(Dupixent・Eylea・Libtayo等)
リジェネロン・ファーマシューティカルズは、バイオ医薬品の開発・製造・販売を主要事業としています。
主力製品:
Dupixent(dupilumab): アトピー性皮膚炎・喘息・鼻ポリープ・好酸球性食道炎・慢性蕁麻疹・水疱性類天疱瘡など、複数適応症を持つIL-4/IL-13阻害剤。Q2 2025で世界売上43億ドル(前年比21%増)を記録し、同社の最大の収益源です。Sanofiとの共同開発・販売契約により、グローバル展開を加速しています。
Eylea(aflibercept): 加齢黄斑変性・糖尿病性黄斑浮腫・網膜静脈閉塞症など眼疾患治療薬。長年の主力製品でしたが、特許消失によりバイオシミラー競合が増加し、Q1 2025で米国売上39%減と大幅に減少しています。後継品「Eylea HD(高用量版)」の承認取得が業績回復のカギです。
Libtayo(cemiplimab): 皮膚扁平上皮癌・肺癌などの抗PD-1抗体医薬品。Q2 2025で世界売上3.77億ドル(前年比25%増)と成長中です。
新薬パイプライン: 約45の臨床開発候補を保有し、10超のブロックバスター候補が含まれています。特に、肥満市場向けGLP-1/GIP二重作動薬(Phase 3試験中)は、今後の成長の柱として期待されています。
(2) セクター・業種の説明(バイオテクノロジー)
リジェネロン・ファーマシューティカルズは、Health Care(ヘルスケア)セクターのBiotechnology(バイオテクノロジー)業種に分類されます。
バイオテクノロジー業界の特徴:
- 高リスク・高リターン: 新薬開発には巨額の研究開発費(R&D)が必要で、臨床試験失敗やFDA承認遅延のリスクが高い一方、成功すれば巨額の収益を生み出します。
- 特許保護と独占期間: 新薬は特許により一定期間(通常20年、実質的には12-15年程度)独占販売でき、高収益を確保できます。特許切れ後はジェネリック(後発薬)やバイオシミラーとの競争が激化します。
- 規制リスク: FDA(米国食品医薬品局)やEMA(欧州医薬品庁)など各国の規制当局による承認が必要で、承認遅延や却下が業績に大きく影響します。
(3) ビジネスモデルの特徴(VelociSuite技術プラットフォーム)
リジェネロンのビジネスモデルは、自社創薬能力と戦略的提携の組み合わせが特徴です。
VelociSuite技術プラットフォーム: VelocImmuneとVelociMabを組み合わせた独自技術により、完全ヒト抗体を迅速に生成します。従来の抗体創薬が数年かかるのに対し、VelociSuiteは開発期間を大幅に短縮し、競争優位性を確保しています。
Regeneron Genetics Center: 大規模な遺伝子データベースを活用し、遺伝学研究で新規治療標的を特定します。これにより、臨床試験の成功確率を高め、より効果的な新薬を開発しています。
戦略的提携: Sanofi(Dupixent、Kevzara、itepekimab開発で約16.35億ドルの開発残高)、Bayer、Tevaなどとの提携により、グローバル展開と開発リスク分散を図っています。
このビジネスモデルは、研究開発投資を重視し、将来の成長を追求する成長株型です。2024年Q4から配当を開始しましたが、配当利回りは約0.6%と低く、株主還元よりも成長投資を優先しています。
3. 競合との差別化
(1) 主要競合企業
リジェネロン・ファーマシューティカルズの主要競合は、以下のバイオテクノロジー・製薬大手です。
Amgen(アムジェン): 世界最大のバイオテクノロジー企業。抗体医薬品(Enbrel、Neulasta等)で業界をリードしています。
Gilead Sciences(ギリアド・サイエンシズ): 抗ウイルス薬(HIV、C型肝炎等)に強みがあり、近年は腫瘍学分野に注力しています。
AbbVie(アッヴィ): Humira(関節リウマチ等)などの抗体医薬品で高収益を上げていましたが、特許切れによりバイオシミラー競合が激化しています。
Eli Lilly(イーライリリー): GLP-1市場(肥満・糖尿病治療)でMounjaroが急成長しており、リジェネロンが参入を目指す市場の先行企業です。
(2) 競合優位性(VelociSuite独自技術・Genetics Center・自社開発能力)
リジェネロンは、以下の点で競合と差別化しています。
VelociSuite独自技術: VelocImmuneとVelociMabによる完全ヒト抗体の迅速生成技術は、他社が容易に模倣できない競争優位性です。これまでに米国内で14の承認医薬品を生み出し、約45の臨床開発候補を保有しています。
Regeneron Genetics Center: 大規模な遺伝子データベース(50万人以上のサンプル)を活用し、遺伝学研究で新規治療標的を特定する独自のアプローチです。これにより、臨床試験の成功確率を高め、競合他社に先駆けて新薬を開発しています。
自社開発能力の高さ: 多くのバイオテクノロジー企業が外部からの導入(ライセンスイン)に依存する中、リジェネロンは自社創薬能力を重視しています。約45の臨床開発候補の大部分が自社開発であり、収益性と開発スピードで優位性を確保しています。
Dupixentの成功: 複数適応症(現在8つの承認適応症)で承認を取得し、Q2 2025で世界売上43億ドル(前年比21%増)と高成長を維持しています。一つの薬剤で複数の適応症を獲得するプラットフォーム戦略は、開発効率と収益性を高めています。
(3) 市場でのポジショニング
リジェネロンは、革新的な創薬技術を持つバイオテクノロジー大手として位置づけられています。時価総額は約600億ドル前後で、Amgen(約1,400億ドル)、Gilead Sciences(約800億ドル)に次ぐ規模です。
アナリストの平均目標株価は$795.04(現在価格から37.93%上昇)でコンセンサスは「Buy」ですが、Eylea特許消失と訴訟リスクにより短期的には慎重な評価も存在します。
一方、Dupixentの成長と新薬パイプラインの厚さから、長期的な成長性に対する期待は根強いと言えます。
4. 財務・配当の実績
(1) 売上高・利益の推移
リジェネロン・ファーマシューティカルズの財務実績(2025年Q2および通年見通し)は以下の通りです。
2025年Q2ハイライト:
項目 | 実績 | 前年比/予想比 |
---|---|---|
売上 | 37億ドル | 前年比3.6%増、予想比10.2%上回る |
Adjusted EPS | $12.89 | 前年比11.5%増、予想比60.5%上回る |
Dupixent世界売上 | 43億ドル | 前年比21%増 |
Libtayo世界売上 | 3.77億ドル | 前年比25%増 |
2024年通年実績:
- 売上: 142億ドル(前年比8%増)
- 営業利益: 39.9億ドル(前年比1%減)
- EPS: $38.34
長期予測:
- 売上年率成長率: 5.7%
- EPS年率成長率: 7.2%(8.1%/年)
- アナリスト平均目標株価: $795.04(現在価格から37.93%上昇)
2025年Q2はAdjusted EPSが予想を大幅に上回り(60.5%上回る)、Dupixentの成長とLibtayoの売上増加が業績を牽引しています。一方、Eylea特許消失による収益減少が全体の成長率を抑制しています。
※2025年10月時点のデータです。最新情報はRegeneron Pharmaceuticals Inc公式IRページをご確認ください。
(出典: Regeneron Reports Second Quarter 2025 Financial and Operating Results, Regeneron Investor Relations)
(2) 配当履歴(2024年Q4から四半期配当開始)
リジェネロン・ファーマシューティカルズは、長年配当を実施していませんでしたが、2024年Q4から四半期配当を開始しました。
- 配当開始: 2024年Q4
- 四半期配当: $0.88/株
- 年間配当: $3.52($0.88 × 4)
- 配当利回り: 約0.6%程度(2025年10月時点、株価$600前後と仮定)
配当利回りは低いものの、配当開始は成長性と株主還元を両立する前向きなシグナルです。今後、収益拡大とともに配当の増額が期待されます。
ただし、バイオテクノロジー企業は研究開発投資を重視するため、配当拡大よりもR&D投資や自社株買い(後述)を優先する可能性もあります。
(3) 財務健全性(自社株買い45億ドル枠)
財務健全性については、以下の点に注目です。
自社株買い枠の増額: 2024年に30億ドルを追加し、計45億ドルの自社株買い枠を設定しました。これは、株価が割安と判断していること、および株主還元を強化する姿勢を示しています。
強固な財務基盤: 負債比率は低く、キャッシュフローは安定しています。大規模な製造能力拡大(NY・NC州に70億ドル超のインフラ投資)を進めながらも、財務健全性を維持しています。
研究開発投資: 売上の約20-25%をR&Dに投資し、新薬パイプラインの拡充を図っています。約45の臨床開発候補を保有し、10超のブロックバスター候補が含まれています。
一方、Eylea特許消失による収益減少と証券訴訟リスクが短期的な財務圧迫要因です。今後の新薬承認と売上拡大が、財務改善のカギとなります。
(出典: Regeneron Pharmaceuticals Inc 10-K Annual Report 2024, SEC EDGAR)
5. リスク要因
(1) 事業リスク(Eylea特許消失・バイオシミラー競合)
リジェネロン・ファーマシューティカルズが直面する事業リスクは、以下の通りです。
Eylea特許消失と収益減少: バイオシミラー競合により、米国売上がQ1 2025で前年比39%減少しました。Eyleaは長年の主力製品でしたが、特許消失により収益基盤が大きく揺らいでいます。後継品「Eylea HD(高用量版)」の承認取得が遅れており(完全回答レターを受領)、収益回復の見通しが不透明です。
臨床試験失敗リスク: バイオ医薬品開発は高リスクで、約45の臨床開発候補のうち、多くがPhase 2またはPhase 3試験中です。臨床試験失敗やFDA承認遅延により、期待された新薬が市場投入できない可能性があります。
競合の激化: 肥満市場ではEli LillyのMounjaroやNovo NordiskのWegovyが急成長しており、リジェネロンのGLP-1/GIP二重作動薬が市場投入されても、競争が激化するリスクがあります。
(2) 市場環境リスク(為替変動・政府規制)
バイオテクノロジー業界は、市場環境の変化に大きく影響されます。
為替変動リスク: グローバル展開により、為替変動の影響を受けます。ドル高局面では海外収益の円換算額が減少し、日本人投資家にとっては円高・円安の影響も考慮が必要です。
政府規制リスク: NIH(米国国立衛生研究所)の弱体化、関税脅威、薬価政策(メディケア価格交渉等)など、政府の政策変更が業績に影響を与えます。特に、Medicare償還コンプライアンスに関する証券訴訟は、政府規制への対応不備が問題視されています。
薬価引き下げ圧力: 各国で医療費抑制が進んでおり、薬価引き下げ圧力が強まっています。Dupixentなどの高額医薬品は、薬価交渉の対象となるリスクがあります。
(3) 規制・競争リスク(証券訴訟・臨床試験失敗)
証券詐欺集団訴訟: Medicare償還コンプライアンスに関する虚偽陳述疑惑により、2024年10月31日に株価が$84.59急落し、時価総額90億ドルが消失しました。訴訟が長期化すると、企業イメージと株価に悪影響を及ぼします。
FDA規制リスク: EYLEA HDの完全回答レター(承認却下)は、FDA規制の厳格さを示しています。新薬承認が遅延すると、収益化が遅れ、競合に先を越されるリスクがあります。
特許切れリスク: Dupixentの特許も将来切れるため、バイオシミラー競合が発生します。Eyleaと同様に、特許切れ後の収益減少リスクを考慮する必要があります。
株価ボラティリティ: 株価は52週で51.2%下落、年初来21.7%下落と大きく変動しています。バイオテクノロジー株は臨床試験結果や規制承認の発表により、短期間で大幅に変動するリスクがあります。
これらのリスク要因は、投資判断において重要な考慮事項です。詳細はRegeneron Pharmaceuticals Incの10-K報告書(SEC EDGAR)やアナリストレポートで確認することをお勧めします。
6. まとめ:投資判断のポイント
(1) この銘柄の強み
リジェネロン・ファーマシューティカルズの主な強みは、以下の3点です。
Dupixentの高成長: Q2 2025で世界売上43億ドル(前年比21%増)を記録し、複数適応症(現在8つの承認適応症)で承認を取得。今後も適応症拡大による売上拡大が期待されます。
VelociSuite独自技術とRegeneron Genetics Center: 完全ヒト抗体を迅速に生成するVelociSuite技術と、遺伝学研究で新規治療標的を特定するGenetics Centerにより、競合他社に先駆けて新薬を開発しています。約45の臨床開発候補を保有し、10超のブロックバスター候補が含まれています。
製造能力の大幅拡大と肥満市場への参入: NY・NC州に70億ドル超のインフラ投資で製造能力を約2倍に拡大し、GLP-1/GIP二重作動薬(Phase 3試験中)で肥満市場への参入を図っています。長期的な成長性が期待されます。
(2) リスク要因(再掲)
一方で、以下のリスク要因にも注意が必要です。
Eylea特許消失と証券訴訟: バイオシミラー競合によりQ1 2025で米国売上39%減、証券訴訟により時価総額90億ドル消失と、短期的な業績圧迫要因が存在します。
臨床試験失敗リスクと規制リスク: 約45の臨床開発候補の多くが試験中で、失敗やFDA承認遅延(EYLEA HDの完全回答レター等)のリスクがあります。
(3) 向いている投資家
リジェネロン・ファーマシューティカルズは、以下のような投資家に向いています。
成長性を重視する投資家: 配当利回りは約0.6%と低いものの、Dupixentの成長(年率21%増)と新薬パイプラインの厚さを評価し、長期的な株価上昇を期待する投資家。
バイオテクノロジーに専門的な関心がある投資家: VelociSuite技術やGenetics Centerの価値を理解し、創薬パイプラインの質を評価できる投資家。
リスク許容度の高い投資家: 臨床試験失敗リスク、規制リスク、訴訟リスクを理解し、ボラティリティの高い株価変動に耐えられる投資家。
一方、安定配当を求める投資家や短期売買を好む投資家には向かない可能性があります。配当利回りは低く、株価は大きく変動するためです。
免責事項: 本記事は情報提供を目的としており、個別銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は、ご自身の責任で最新の財務データや市場動向を確認の上、行ってください。米国株投資には為替リスク、市場リスク、規制リスクが伴います。
Q: リジェネロン・ファーマシューティカルズの配当利回りは?
A: 2024年Q4から四半期配当$0.88/株(年率$3.52)を開始しました。配当利回りは約0.6%程度で、成長性を重視した配当政策です(2025年10月時点)。配当利回りは低いものの、配当開始は成長性と株主還元を両立する前向きなシグナルです。詳細は本文の「4. 財務・配当の実績」セクションをご参照ください。
Q: リジェネロン・ファーマシューティカルズの主な競合は?
A: バイオテクノロジー業界では、Amgen(抗体医薬品大手)、Gilead Sciences(抗ウイルス薬)、AbbVie(Humira等)、Eli Lilly(GLP-1市場)などが競合です。リジェネロンはVelociSuite独自技術(VelocImmune、VelociMab)とRegeneron Genetics Center(遺伝学研究で新規治療標的を特定)で差別化しています。詳細は本文の「3. 競合との差別化」セクションをご覧ください。
Q: リジェネロン・ファーマシューティカルズのリスク要因は?
A: Eylea特許消失によるバイオシミラー競合(Q1 2025で米国売上39%減)、証券訴訟(時価総額90億ドル消失)、臨床試験失敗リスク、規制リスク(EYLEA HDの完全回答レター)が主なリスクです。また、株価は52週で51.2%下落と大きく変動しています。詳細は本文の「5. リスク要因」セクションをご参照ください。
Q: リジェネロン・ファーマシューティカルズは長期投資に向いている?
A: 成長性を重視する投資家やバイオテクノロジーに専門的な関心がある投資家に向いています。VelociSuite技術による新薬開発能力とDupixentの成長性(Q2で21%増)が魅力です。アナリストは売上年率5.7%成長、EPS年率7.2%成長を予想しています。ただし、Eylea特許消失や訴訟リスクを考慮する必要があります。投資判断はご自身で行ってください。
Q: リジェネロン・ファーマシューティカルズの成長戦略は?
A: Dupixent中心の成長(Q2で世界売上43億ドル、前年比21%増)、製造能力の大幅拡大(NY・NC州に70億ドル超のインフラ投資)、肥満市場への参入(GLP-1/GIP二重作動薬のPhase 3試験中)の3本柱です。約45の臨床開発候補を保有し、10超のブロックバスター候補が含まれています。詳細は本文の「2. 事業内容・成長戦略」セクションをご参照ください。